インベスコAMがスチュワードシップレポート発行。対話による改善事例も紹介

資産運用大手インベスコの日本法人であるインベスコ・アセット・マネジメント株式会社(インベスコAM)は11月30日、「インベスコ スチュワードシップレポート 2021/2022」を発行した。インベスコのESG(環境・社会・ガバナンス)理念やアプローチをはじめ、コーポレート・ガバナンスのベストプラクティスやエンゲージメントの事例など、日本でのESGに関する取り組みなどを紹介している。

同レポートは4年目の発行で、インベスコのESGアプローチ、責任あるスチュワードシップ、投資家としてのESGへの取り組み、34年間の歩みをまとめているほか、「日本の投資文化をより高めるために」として、日本株式運用について紹介している。

特に、日本でのスチュワードシップ活動における体制 ESGインテグレーションとエンゲージメント方針、同社のコーポレート・ガバナンスのベストプラクティス、スチュワードシップ・コード各原則への対応と自己評価、さらに21年度の取り組みについての事例を紹介している。

同社が重視する企業との対話では、21年度に行った4社のケーススタディを掲載。取り上げられているA社は、中堅中小企業としてESG開示が十分ではないために外部評価が低いという実態があった。インベスコ社はESGスコアのみで投資判断をすることはないがポートフォリオレビューで使用していることも踏まえ、開示の充実によって改善を図る重要性を伝えた。A社はESG情報機関の活用方法や同社におけるESGインテグレーションの重要性や他社事例についての問い合わせを経て、全社的な取り組みとしてESG開示の充実に取り組むことを決定。統合報告書の発行や英文対応を含むESG情報開示の充実に繋がった。

インベスコでは、実際に投資判断するポートフォリオ・マネジャーとリサーチ・アナリストが企業のESGへの取り組みを評価し建設的対話をすることを通じて、投資プロセスにESGを組み入れている。投資先企業に対する知見が最も高いマネージャーやアナリストが投資判断の一環としてESGのリサーチを行い、必要に応じて直接企業との建設的対話をする体制は、アクティブ投資家としてのスチュワードシップ活動の高い実効性を担保しているという考えに基づく。

日本株式運用部ヘッド・オブ・ESGの古布薫氏は「議決権行使・エンゲージメントを含むスチュワードシップ活動の透明性を担保することは益々重要になっている。レポートはスチュワードシップ責任を果たすための重要なツール」とコメントしている。個人投資家が企業への働きかけを行う際にも参考になりそうだ。

【参照リリース】インベスコ・アセット・マネジメント株式会社「インベスコ スチュワードシップレポート2021/2022

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