山形で不動産投資を始めるメリット・デメリットは?エリアの特徴や物件タイプも

山形は東京から概ね北に300km、山形新幹線で約3時間の距離にあり、土地価格が低く物件を取得しやすいエリアとなっています。

高利回りを狙えるエリアでもある一方で、世帯数は増加傾向にあるものの人口減少傾向にあるという点は注意が必要です。不動産投資としてはハイリスクのエリアであるということを念頭におき、エリアを慎重に選ぶことが重要と言えるでしょう。

そこで今回のコラムでは、山形は候補地の一つになるのか検討するために、不動産投資を始めるメリットとデメリットについて解説していきます。またエリアごとの特徴や、運用しやすい物件タイプについても紹介していきます。

目次

  1. 山形のエリア別の特徴とは
    1-1.村山エリア
    1-2.最上エリア
    1-3.置賜エリア
    1-4.庄内エリア
  2. 山形で不動産投資を始めるメリット
    2-1.土地価格が低く、物件を入手しやすい
    2-2.就業状況が良好で、家賃滞納などが起きにくい
  3. 山形で不動産投資を始めるデメリット
    3-1.持ち家率が高い
    3-2.1住宅当たりの延べ面積が広い
  4. 山形で不動産投資を始めるのに適切な物件タイプとは
  5. まとめ

1 山形のエリア別の特徴とは

山形県のホームページ「山形県の人口と世帯数(推計)」によると、2023年5月1日時点の人口は1,030,665人、世帯数は401,404世帯となっています。

面積は9,323㎢となっており、都道府県別では9番目の広さに相当します。県内には13市19町3村があり、「村山エリア」「最上エリア」「置賜(おきたま)エリア」「庄内エリア」の4つのエリアに分けることが通常です。それぞれの特徴について見ていきましょう。

1-1 村山エリア

山形県のほぼ中央に位置するのが村山エリアです。県土の28.1%を占めており、面積は神奈川県や沖縄県よりも広くなっています。県庁所在地である山形市も村山エリア内にあり、市内中心部は多様な都市機能が集積しています。山形県立保健医療大学、山形大学小白川キャンパスなどの教育機関も点在しています。

村山エリア内にある市町の人口と世帯数(2023年5月1日時点)

市町 人口(前月からの増減数) 世帯数(前月からの増減数)
山形市 242,928人(▲122人) 104,050世帯(434世帯)
寒河江市 39,213人(▲22人) 13,975世帯(▲1世帯)
上山市 27,832人(▲31人) 10,484世帯(11世帯)
村山市 21,228人(▲36人) 7,472世帯(▲7世帯)
天童市 61,095人(▲27人) 22,998世帯(130世帯)
東根市 47,744人(▲29人) 17,163世帯(37世帯)
尾花沢市 13,759人(▲14人) 4,721世帯(8世帯)
山辺町 13,286人(▲20人) 4,563世帯(▲1世帯)
中山町 10,354人(▲9人) 3,566世帯(2世帯)

1-2 最上エリア

総面積の19.3%を占める最上エリアは、北東の内陸部に位置しています。最上川が貫流し、扇状地には新庄盆地、向町盆地などの平地が形成されています。新庄市を中心に、下記の1市4町3村で構成されています。

最上エリア内にある市町村の人口と世帯数(2023年5月1日時点)

市町村 人口(前月からの増減数) 世帯数(前月からの増減数)
新庄市 32,655人(▲22人) 12,722世帯(58世帯)
金山町 4,725人(▲10人) 1,530世帯(▲5世帯)
最上町 7,445人(▲12人) 2,523世帯(▲2世帯)
舟形町 4,683人(▲8人) 1,565世帯(2世帯)
真室川町 6,616人(▲13人) 2,223世帯(▲4世帯)
大蔵村 2,810人(▲5人) 927世帯(0世帯)
鮭川村 3,661人(▲4人) 1,178世帯(▲4世帯)
戸沢村 3,881人(▲2人) 1,306世帯(1世帯)

1-3 置賜エリア

山形県の最南端に位置する置賜エリアは、県土の26.1%を占めています。雄大な景観が広がる米沢市を中心に、3市5町で構成されています。吾妻連峰の裾野に広がる米沢盆地を中心に、陥没盆地、小国盆地からなっています。米沢市には、山形大学米沢キャンパスが所在しています。

置賜エリア内にある市町の人口と世帯数(2023年5月1日時点)

市町 人口(前月からの増減数) 世帯数(前月からの増減数)
米沢市 78,692人(▲70人) 33,674世帯(170世帯)
長井市 25,375人(▲18人) 9,558世帯(16世帯)
南陽市 29,254人(▲20人) 10,822世帯(6世帯)
高畠町 21,430人(▲24人) 7,407世帯(▲12世帯)
川西町 13,632人(▲6人) 4,435世帯(▲2世帯)
小国町 6,690人(▲11人) 2,802世帯(31世帯)
白鷹町 12,232人(▲17人) 4,364世帯(▲2世帯)
飯豊町 6,236人(▲7人) 2,092世帯(5世帯)

1-4 庄内エリア

県土の25.1%を占める庄内エリアは、山形県の北西部に位置しています。西側は日本海に面しており、山と海、そして広大な平野といったように自然豊かな地域です。

最上川など多くの河川が流れており、庄内町や三川町などの米どころも点在しています。県内第2位の人口を擁する鶴岡市を含め、庄内エリアは以下の2市3町で構成されています。なお、山形大学鶴岡キャンパスが鶴岡市内に所在しています。

庄内エリア内にある市町の人口と世帯数(2023年5月1日時点)

市町 人口(前月からの増減数) 世帯数(前月からの増減数)
鶴岡市 117,620人(▲97人) 45,986世帯(227世帯)
酒田市 96,500人(▲142人) 39,706世帯(114世帯)
三川町 7,347人(▲6人) 2,369世帯(6世帯)
庄内町 19,061人(▲26人) 6,623世帯(▲7世帯)
遊佐町 12,254人(▲18人) 4,388世帯(3世帯)

各市町村では人口減となっていますが、世帯数は増加しているところと、減少している自治体があります。エリアを絞る際に参考にしてください。

2 山形で不動産投資を始めるメリット

各エリアの特徴を把握したところで、山形で不動産投資を始めるメリットについて解説していきます。

2-1 土地価格が低く、物件を入手しやすい

国土交通省の「令和4年都道府県地価調査」によると、山形県の住宅地の平方メートルあたりの平均価格は19,900円となっています。これは東北6県では4番目に位置しています。

都道府県 住宅地の平均価格(平方メートルあたり)
青森県 15,900円
岩手県 25,600円
宮城県 46,000円
秋田県 12,300円
山形県 19,900円
福島県 23,500円
東京都 389,100円

※出典:「令和4年都道府県地価調査」より抜粋

全国では44番目に位置しており、土地を入手する際の金額を抑えることができます。例えば、神奈川県は183,300円/㎡となっており、山形県であれば10分の1程度の金額で同じ面積の土地を入手することができます。自己資金が少なくても不動産投資を始めることができ、さらに高利回りでの運用にも期待できます。

2-2 就業状況が良好で、家賃滞納などが起きにくい

山形県の特徴の一つが、就業状況が良好に推移していることです。例えば、総務省統計局の「2022年平均都道府県別結果(モデル推計値)」によると、山形県の完全失業率は1.9%となっており、全国平均の2.6%を下回っています。都道府県別では10位タイに位置しています。

また厚生労働省山形労働局の「最近の雇用情勢について(令和5年4月内容分)」によると、山形県の2023年4月の有効求人倍率は1.49倍となっています。全国平均は1.32倍、東北地方の平均は1.35倍となっており、東北6県のうちでは最も高く、全国でも9位タイの高水準となっています。

さらに「統計でみる都道府県のすがた2021」によると、山形県の世帯主の配偶者の年収は775,000円(2019年度)となっており、下記のように全国では最も高い水準です。

順位 都道府県 世帯主の配偶者の年収(2019年度)
1位 山形県 775,000円
2位 島根県 765,000円
3位 富山県 759,000円
4位 石川県 671,000円
5位 福井県 663,000円

※出典:「統計でみる都道府県のすがた2021」より抜粋

このように山形県では就業に関する指標が良好で、不動産投資におけるリスクの一つである家賃滞納リスクは低いと考えられます。この点もメリットと言えます。

3 山形で不動産投資を始めるデメリット

一方、山形で不動産投資を始めるにはデメリットもあります。代表的な2つのデメリットを紹介していきます。

3-1 持ち家率が高い

総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」によると、山形県の持ち家率は74.9%となっており、全国でも高い水準になっています。

順位 都道府県 持ち家住宅率
1位 秋田県 77.3%
2位 富山県 76.8%
3位 山形県 74.9%
3位 福井県 74.9%
5位 岐阜県 74.3%
全国平均 61.2%

※出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」より抜粋

山形県では持ち家率が約4分の3に当たる74.9%と高く、借家に住み慣れている人が少ないと考えられます。そのため入居者の確保が想定通りにいかないことも考えられます。この点はデメリットと言えます。

3-2 1住宅当たりの延べ面積が広い

総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、山形県の住宅の広さは133.57㎡となっており、広い住宅を好む傾向があると考えられます。

順位 都道府県 1住宅当たり延べ面積
1位 富山県 143.57㎡
2位 福井県 136.89㎡
3位 山形県 133.57㎡
4位 秋田県 130.41㎡
5位 新潟県 127.25㎡
全国平均 92.06㎡

※出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」より抜粋

このように全国で3番目の広さとなっており、山形県で不動産投資を行う場合は延べ面積の狭い物件は敬遠される可能性があります。アパート経営の場合は部屋を広くする、区分マンション投資であれば専有面積の広い物件を選ぶ必要があると考えられます。

4 山形で不動産投資を始めるのに適切な物件タイプとは

山形県のホームページ「山形県新設住宅着工統計」によると、2021年の住宅の建て方は下記のようになっています。

建て方 総数 割合
一戸建て住宅 3,641件 70.2%
長屋建て住宅 817件 15.6%
共同住宅 729件 14.1%

※出典:山形県「山形県新設住宅着工統計」より抜粋

新築の住宅は、7割以上が一戸建て住宅で、マンションやアパートなどの共同住宅は14.1%にとどまっています。持ち家率が高い、住宅の専有面積が広い、土地価格が安いといった統計上の情報から、山形県で不動産投資をするのであれば一戸建てが受け入れやすいと想定できます。

ただし、県内には山形県立保健医療大学(山形市)、山形県立米沢栄養大学(米沢市)などの大学や短大が点在していることに加え、山形市には大手企業の支店なども展開されています。そのため県庁所在地である山形市など、エリアによっては単身者向けの物件でも運用しやすいと考えられます。

まとめ

山形県で不動産投資を始める際のメリットとデメリットについて解説しました。土地価格が低いため自己資金を抑えて始められること、また就業状況に関する数値が良いことから、家賃滞納のリスクも低く、安定した運用ができる可能性があります。

その一方、一軒家に住み慣れている、持ち家率が高いなど不動産投資には不向きなデータもあります。地元の情報に強い不動産会社をパートナーにし、アドバイスを受けながら進めていくと良いでしょう。

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