PRIらが共同で「インパクトをもたらす投資に関する法的枠組み」日本版ポリシーレポート発行
国連責任投資原則(PRI)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、Generation Foundationは共同で6月19日、インパクトをもたらす投資に関する法的枠組みの日本版ポリシーレポートを発行した。日本の投資に関する法規制が投資家に対し、サステナビリティ・インパクトの追求をいかに許容し、また、投資家が投資活動においてサステナビリティ・アウトカムの追求を考慮することが求められる範囲などを概説している。さらに、規制が投資におけるインパクトの追求を許容しているかどうか、日本の機関投資家にとって不明瞭だと指摘。政策の改善が必要なポイントを明らかにし、日本の投資家に対しサステナビリティ・インパクトをもたらす投資へのアプローチを強化するための5つの提言を示し、基準の明確化を呼び掛ける内容となっている。
同レポートは、グローバル市場全体におけるサステナビリティ・インパクトをもたらす投資に関する一連のポリシー報告書の最新版。PRI、UNEP FI、Generation Foundationの委託の元で、フレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガー法律事務所が執筆した2021年版LFIレポート、および日本のPRI署名機関の調査や専門知識に基づいて作成された。
この中で、サステナビリティ・インパクトをもたらす投資、すなわち、投資決定やスチュワードシップといった、投資家が自由に使えるツールやリソースを用いて、サステナビリティ・アウトカムを意図的に追求することがどの程度許容・要求されているかが「不明瞭」と指摘。明瞭さや理解の欠如は、気候変動ファイナンスを妨げ、投資家の行動を抑制する可能性があると警告する。そのうえで、投資家がサステナビリティ・インパクト目標を追求する際の義務についてよりよく理解できるよう、日本における既存のルール、基準、ガイダンスを更新することを推奨する。
日本の規制当局や政策立案者に対しては①投資家の義務において、サステナビリティ・インパクト目標の追求を考慮することがどの程度許可、もしくは義務化されているかを明確化②既存の規則、基準およびガイダンスを更新することで投資家による企業のサステナビリティ関連情報へのアクセスを確保③スチュワードシップ・コードの改訂や、その他の支援策を通じて、投資家がいつ、どのようにスチュワードシップ活動を通じて、サステナビリティ・インパクトを追求できるかの明確化④開示、表示、分類に関する規則やガイダンスを導入することにより、責任投資の主張に関する透明性と市場規律を強化⑤関連するガイダンスを導入することにより、インベストメント・マネージャーとその顧客および受益者との間で、サステナビリティ目的および選好に関するより良いコミュニケーションを確保すること――を提言している。
【参照リリース】インパクトをもたらす投資に関する法的枠組みの日本版ポリシーレポート
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