二重売買問題へ対策。CarbonKerma、カーボンクレジットの有効性を保証するプログラムを開始

二酸化炭素回収に取り組むCarbonKermaは7月12日、同社が提供するマーケットプレイス「KermaExchange」において、カーボンクレジットの有効性を保証するプログラムを発表した。KermaExchangeで販売されるカーボンクレジットはすべて、規制された施設によって発行されていることが保証され、その有効性が疑問視される場合には無償でトークンが交換される格好だ。

KermaExchangeでは、分離・貯留した二酸化炭素を利用する「CCUS」技術に由来するオフセットのみを掲載している。また、ブロックチェーン技術が導入されることで、カーボンクレジットの信憑性とトレーサビリティを強化することで、従来のカーボンオフセットで問題となっている二重売買などのクレジット瑕疵にも対応できることが特徴だ。カーボンクレジットをリスト化するにあたっては第三者機関による検証プロセスを経ており、国際基準に沿ってクレジットの正当性を証明することができるという。

CarbonKermaでは1トンの二酸化炭素を回収・隔離することで1CKT(CarbonKermaトークン)が生成される仕組みとなっているため、利用者はオフセットのために複雑な計算を要することなくKermaExchange上でトークンを購入して二酸化炭素を償却することができる。カーボンクレジットの仕組みは効率化が十分にされておらず、CarbonKermaは二酸化炭素のデジタル化によって消費者や企業の参加を促進したい狙いがある。

CarbonKermaは、カーボンクレジットは脱炭素に向けすべての産業で必要な取り組みだが、世界の二酸化炭素排出量の約3%を占める航空産業においてオフセットが果たすべき役割は大きいとしている。航空機メーカーのエアバスでは、二酸化炭素排出量のオフセットのために40万トンの二酸化炭素を購入したが、CarbonKermaによると同社が購入したDACプロセスの二酸化炭素回収技術は「二酸化炭素濃度が非常に低い周囲の大気から炭素を除去するため、非常に非効率的でコストがかかる」という。CarbonKermaではパリ協定の目標に向けて2050年までに500億トンの二酸化炭素をデジタル化する目標を掲げており、航空産業とのパートナーシップも視野に活動を進めている。

【参照記事】Offset With Confidence: CarbonKerma Announces The KermaExchange Guarantee

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