Regen Houseイベントレポート

今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の村上和哉 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. Session 1: Regenerationとは?
  2. Session 2: ブロックチェーンと地域が織りなす新しい価値
  3. Session 3: ブロックチェーン×環境問題に取り組む
  4. Lightning Talk
  5. ネットワーキング
  6. おわりに

6月28日から30日に京都で開催された「IVS 2023」のサイドイベントとして、「Regen House」が開催されました。筆者は本イベントの主催者でもあったので、イベントレポートとしてイベント内容を公開します。

まず「Regen House」というイベント名称の由来は5月にオースティンで開催された「ReFi House」からインスピレーションを受けたものである「ReFi House」に参加した運営メンバーの一人があのようなアットホームで居心地良く、環境について考えられるイベントを開催したいという思いを持ち「Regen House」というイベント名に決まりました。その思いに賛同し、Planet DAOとReFi Japanの共催という形で開催するに至りました。

セッション開始前には、イベントスポンサーであるCryptoBase、JBA、PIZZA DAY、HEDGE GUIDEによる各社の取組みの紹介がありました。

【スポンサー企業】

  • CryptoBase:
    渋谷に拠点を構えるWeb3コワーキングスペース
  • JBA(日本ブロックチェーン協会):
    ブロックチェーン技術の健全な普及、発展に貢献するために2014年に設立された業界団体
  • PIZZA DAY:
    再生可能なウール100%のTシャツと紐づいたメンバーシップNFTを発行することで、サーキュラーエコノミーの活性化を目指すプロジェクト
  • HEDGE GUIDE:
  • 「未来がもっと楽しみになる」をコンセプトとする、ReFiを中心としたWeb3金融・投資メディア

Session 1: Regenerationとは?

    登壇者

  • 鮎川詢裕子(一般社団法人ワンジェネレーション 代表理事)

本セッションはkeynoteという形で、一般社団法人ワンジェネレーション 代表理事である鮎川さんがご登壇。ReFi(Regenerative Finance)の裾野を広げるために、Web3に至るまでのRegenerationについてお話しいただきました。一般社団法人ワンジェネレーションは『Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる』の翻訳をしています。

Regenerationとは、『re「再び」gene「生む」-ation「すること、するもの」』であり、『再び生み出すこと – Life is passed on to the next life』です。つまり、地球の自然が本来を持っている生成力を取り戻すことを重要視しており、現在日本で主流となっているSDGs、環境負荷を減らして持続可能にすることを更に超えた活動です。そしてワンジェネレーションが目指す世界像は「人も、社会も、地球も、生命を中心に調和する世界へ」とのことで、多様な生命の調和がミッションとして掲げられています。

Session 2: ブロックチェーンと地域が織りなす新しい価値

    登壇者

  • ​Matt(MKUltraman)
  • ​Mano Furui(1eth to travel Founder)
  • ​峯 荒夢(株式会社ガイアックス web3事業本部 本部長)
  • 西村環希(PlanetDAO Founder):モデレーター

地方創生の文脈でブロックチェーンがどのように活用できるかをテーマにしたセッション。田舎でのフィジカル体験価値とWeb3テクノロジーの融合を試みるMatt氏、Web3界隈のデジタルノマドにリトリート体験を提供するチケットをNFTとして流通させ、地域経済の活性化を目指すマノ氏、「日本で最も美しい村連合」と協業し、地方再生プラットフォームを開発している峰氏、そして環境・文化保全型の土地開発プロジェクトをDAOを活用したアプローチをしているPlanetDAOを立ち上げた西村氏の4名で、地方創生の課題とブロックチェーンとの相性の良さが語られました。

それぞれブロックチェーンをどのように利用するかのアプローチが異なっており、DAO、NFT、トークンインセンティブなどが挙げられました。

Session 3: ブロックチェーン×環境問題に取り組む

    登壇者

  • Yo(MORI NFT Founder)
  • Osawa(SINRA Co Founder)
  • 平井麻祐子(アクセンチュア 戦略グループ シニア・マネージャー)
  • 赤木(CANNABIS DAO)
  • F太郎(Contributor of KlimaDAO):モデレーター

ブロックチェーン×環境問題に取り組むプロジェクトや、アプローチについて多面的な角度から取り上げたセッション。個人がNFTを通して森林整備活動を応援しながら、カーボンオフセットに関わることのできるMORIを運営するYo氏、Web3の技術やアートの表現力などを用いて、誰しもが自然資源の多元的な価値(二酸化炭素吸収、生物多様性、保水・浄水等)に触れ、その価値を保有・共有することを通じて自然資源の再生を目指すSINRAのOsawa氏、CANNABIS DAOのコアメンバー赤木氏、アクセンチュアでReFiを主に担当している平井氏、そしてKlimaDAOのコアコントリビューターであるF太郎氏の5名でClimate Techとブロックチェーンの関わりについて語られました。

ブロックチェーンを活用することで、取引の履歴などが第三者にも公開され、透明性が確保できるというメリットがあるのでカーボンクレジットの取引と相性が良いです。そして、個人間でのクレジット取引の活性化が期待できるのと、NFTアートなどとのコラボレーションを通して個人の活動をエンパワーメントすることができます。また「ブロックチェーンは牛丼みたい」ということで、うまい、早い、安い、という点がRegenerationとも相性が良く、今後日本でどのようなユースケースが出てくるのか注目されます。MORIとSINRAは日本発のReFiプロジェクトで、まだまだ日本国内でReFiに取り組むプレイヤーが少ないので、このようなイベントを通して界隈が盛り上がることに期待します。

Lightning Talk


Blockchain Climate Leadship NetworkのコアメンバーであるDaniel Hwang氏によるライトニングトーク。自身はF2POOLというマイニングプールのメンバーであり、PoWによるマイニングによる環境負荷をどのようにReFiで対処していくかについて語られました。実際に再生可能エネルギーによって運営されるマイニング工場なども世界中に増えています。

ネットワーキング


イベント中およびイベント後には、参加者や登壇者が交流できる時間が設けられていました。会場はRegen Houseのセッション会場から10mほど歩いた「斗々屋」にて実施されました。「斗々屋」は日本初のゼロ・ウェイストなスーパーマーケットで、野菜、果物、お豆腐、納豆、お肉、お惣菜などの生鮮商品が多く取り扱っています。

おわりに

本イベントはIVSのサイドイベントとして実施されましたが、IVS本体の方でもReFiのセッションが1セッション行われていました。まだCrypto(Web3)の中ではReFiなどの認知度は低いですが、Regen Houseには学生、Web3事業者、サスティナブル経済に興味のある方など多種多様な参加者が集い、とても温かい空間でした。また本イベントはKlimaDAOの協賛により、イベントで排出したCO2のオフセットがブロックチェーン上で実施されています。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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