アパート経営の定期清掃費用の目安は?物件管理が手厚いアパート経営会社も

アパート経営の管理業務には入居者の募集や家賃の集金などがありますが、清掃も重要な業務の一つです。アパートの清掃が行き届いていると快適に感じ、入居期間が長くなったり、また新しい入居者の方が内見に来られた時にも良い印象を与えることに繋がります。

そこで今回のコラムでは、アパート経営の定期清掃に焦点を当て、費用の目安などを紹介します。また物件管理が手厚いアパート建築会社も紹介します。

目次

  1. アパート経営における3つの清掃
    1-1.日常清掃
    1-2.定期清掃
    1-3.特別清掃
  2. アパートで定期清掃を行うメリットと効果
    2-1.入居者の満足度の向上につながる
    2-2.入居を検討されている方の印象が良くなる
    2-3.アパートの老朽化を防ぐことができる
  3. 定期清掃費用の目安
  4. 物件管理が手厚いアパート建築会社
    4-1.シノケンプロデュース
    4-2.アイケンジャパン
  5. まとめ

1 アパート経営における3つの清掃

アパート経営における清掃には3つの種類があります。日常清掃と定期清掃、特別清掃です。それぞれの特徴について解説していきます。

1-1 日常清掃

日常清掃とは、日常的に発生する汚れに対する清掃です。落ちているゴミやホコリなどを掃いたり、入口や玄関、廊下などの壁や窓、手すりなどを拭いたり、アパート周辺のゴミ拾いなどが日常清掃に当たります。具体的には、主に下記になります。

  • 共用部の掃き掃除
  • 共用部の拭き掃除
  • 共用部のゴミ拾い
  • ゴミ置き場の清掃
  • 植栽への水やり
  • 周辺の落ち葉拾い、など

管理業務を担当する管理会社の社員などが、アパートの巡回をしながら行うケースが多くを占めます。頻度は管理会社によって異なりますが、週1〜2回程度が目安となっています。

1-2 定期清掃

定期清掃とは、日常清掃では落とせない汚れに対して行う清掃のことです。機械による床や壁の掃除、ワックスがけ、カーペット洗浄などが対象となります。下記が主な内容となります。

  • 機械による共用部の床清掃
  • 共用部の床のワックスがけ
  • 共用部の壁の清掃
  • 共用部の照明の交換
  • 植栽の剪定や草取り、など

特別な機械や薬品を使用するため、専門的な知識や技術を持つスタッフが担当します。専門部署を持たない管理会社の場合は、外部の清掃業者に委託することになります。頻度は1〜2月に1回程度で、アパートの規模に応じて複数人で半日から1日がかりで清掃を行います。

1-3 特別清掃

特別清掃とは、年に1回程度行う排水管の洗浄などの大規模な清掃を指します。主な内容は下記になります。

  • 排水管の清掃および清浄
  • 屋根や窓などの高所清掃
  • 外壁に対する高圧洗浄
  • ダクトの清掃および清浄、など

定期清掃の内容よりもさらに専門的な清掃となるため、専門業者に依頼します。排水管やダクトが詰まったりすると水漏れや雨漏りなどの要因になることから、入居者の快適性を確保するほかに、建物のメンテナンスという役割もあります。

2 アパートで定期清掃を行うメリットと効果

管理会社にもよりますが、基本的に日常清掃は管理委託費に含まれています。一方、定期清掃は別途費用が発生するケースがほとんどで、アパートの規模によっては必要ないと判断されるオーナーの方もいます。

定期清掃を行うメリットについて詳しく見てみましょう。

2-1 入居者の満足度の向上につながる

ゴミが散乱しているようなアパートだと、ホコリやカビ、害虫などによって健康被害の危険が高まるだけではなく、ゴミなど汚いものを見ることで、ストレスが蓄積されていく可能性もあります。また、環境犯罪学上における「割れ窓理論」と同じく、小さなゴミを放置すると、さらに大きなゴミが捨てられるようになり、やがて地域の環境悪化にもつながりかねません。

定期清掃によってアパートがきれいに保たれていると、清々しい気持ちになり、入居者の方は快適に暮らすことができます。入居者の高い満足度は、入居率の向上やクレームの頻度低下など、経営上においても良い効果を得ることが出来ます。

2-2 入居を検討されている方の印象が良くなる

定期清掃は専門的な道具を使って清掃を行うため、日常清掃では対処できない汚れもきれいにすることができます。アパートの美観を長持ちさせることができるため、資産価値を保全することができ、築年数を感じさせないような効果も期待できるでしょう。

アパートの美観が保たれていると、第一印象が良くなることもメリットの一つです。入居を検討されている方に好印象を与えることもでき、選ばれる可能性が高くなることも考えられます。

2-3 アパートの老朽化を防ぐことができる

定期清掃の内容の一つに床へのワックスがけがありますが、床にワックスをかけるだけでもさまざまなメリットがあります。強度が向上してキズがつきにくくなるほか、汚れが目立たなくなったり、汚れが落としやすくなるなど掃除がしやすくなり、老朽化を防ぐことにもつながるのです。

また丁寧に清掃をすることで、建物のひび割れやキズ、腐食、カビ・コケなどを早期に発見することもでき、アパートの老朽化、つまり資産価値の下落を未然に防ぐことも可能です。

3 定期清掃費用の目安

定期清掃は、管理会社や清掃業者、またプランの内容によって料金体系が異なるものです。「床の水拭き」「ワックスがけ」「壁の拭き掃除」「ゴミ出し」など依頼する項目の数から料金を算出するケースもあれば、時間制を採用していたり、1〜10戸は◯◯円、11〜20戸は◯◯円といったように、アパートの規模によって料金を設定している業者もあります。

また、定期清掃にかける費用はオーナーの経営方針によって異なるものです。そのため管理を担当する管理会社や清掃業者と相談しながら、判断するようにしましょう。料金の相場は定期清掃1回につき5,000~10,000円程度です。月2回の定期清掃なら10,000〜20,000円程度、月4回の定期清掃なら20,000〜40,000円程度と考えるといいでしょう。

オーナーが直接清掃業者と契約を結ぶのであれば、事前に複数社に見積もりを出してもらい、内容と料金のバランスを見ながら判断することが重要です。このときのポイントは、費用だけではなく、プラスアルファの部分も比較することです。

例えば、下記のようなサービスが付随されているかどうか、確認しましょう。

  • 設備の点検
  • 破損箇所の確認・報告
  • 掲示板の拭き掃除
  • クモの巣除去
  • 害虫の駆除、など

このような付随サービスが用意されていると、定期清掃を依頼することでアパートの状態を詳細に把握することもできます。一方で費用をかけすぎてしまうと実質利回りの低下を招いてしまうため、優先度の高い項目から検討し、必要なサービスを厳選していくことも大切です。

4 物件管理が手厚いアパート建築会社

アパート経営は、取得後に長期間にわたり運営していくため、質の高い管理業務を行っていくことも重要です。そこで、物件管理に関して手厚いサービスを提供しているアパート建築会社2社をご紹介します。

4-1 シノケンプロデュース

シノケンの不動産投資セミナーシノケンプロデュースは、土地の選定から企画、設計、施工、引き渡し後の賃貸管理まで一貫したサービスを提供するアパート建築会社です。一般投資家向け賃貸住宅経営のパイオニアとして知られており、アパート供給棟数は自社施工で5,000棟を超えています。全国賃貸住宅新聞「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」の「年間アパート開発棟数部門」では、2015年度〜2022年度にかけて8年連続No.1に輝いています。

ターミナル駅から電車で30分圏内、さらに最寄り駅から徒歩10分以内にこだわって土地の取得を行っているのが特徴です。住宅設備も充実しており、独立洗面化粧台、サーモスタット付水栓、システムキッチン、カラーモニター付きインターフォンなどが標準となっています。

月3回の巡回清掃・点検を行い、損傷部分には最善策を提案

シノケンプロデュースが提供する物件の管理を担当するのは、グループ会社のシノケンファシリティーズです。同社では、空室募集から退去精算まで賃貸管理業務の一切を代行しており、オーナーの賃貸経営を徹底的にサポートしています。

また建物の機能と価値を維持するために、定期的な巡回清掃や点検を実施しています。各エリアに清掃担当者を配置しており、月3回の定期巡回清掃を実施して美観の維持に努めるほか、迷惑駐車やゴミ出しマナー違反などの改善にも注力しています。

巡回清掃の際に点検を実施し、不具合や損傷の確認を行うのも特徴です。万が一損傷を発見した場合は最善な対策を提案するほか、大規模修繕や老朽化に伴う建て替えの提案も行っています。

2022年の年間平均入居率は98.39%

シノケンファシリティーズが担当する管理戸数は、全国で45,000戸以上(2023年3月末時点)となっています。この管理物件の2022年の年間平均入居率は98.39%となっており、高い入居率が維持されていることがわかります。

5,000店舗以上(2021年4月時点)の仲介業者と提携し、良好な関係を築いていることも高い入居率の要因の一つです。

4-2 アイケンジャパン

株式会社アイケンジャパンアイケンジャパンは、「グランティック」「レガリスト」などのアパートブランドを全国で供給するアパート建築会社です。2021年12月にはアパートの総数が1,000棟を突破しています。

「堅実なアパート経営」をコンセプトとして掲げており、シンプルかつ高級感のあるデザインのアパートを供給しています。ワンランク上の住み心地と満足感を追求し、ビルトインキッチンや温水洗浄便座、浴室テレビなどアパートとは思えないような設備を標準にしているのも特徴です。

管理業務を行う一方、メンテナンス費用を削減する設計を採用

アイケンジャパンでは、入居者募集から家賃の集金、退去時の精算、クレーム対応、清掃などのメンテナンスといったすべての管理業務をオーナーに代わって行っています。

またアイケンジャパンでは、共用部を建物内部に配置している物件が多いことも特徴的です。共用部が風雨にさらされて劣化することを防ぎ、点検やメンテナンスにかかるコストが削減できるようにアパートを設計しているのです。管理業務を適切に行う一方、このように物件管理にかかる費用を軽減するような施策を講じているのもアイケンジャパンのこだわりとなっています。

入居率99.7%を実現、築10年以上でも高い家賃水準を維持

アイケンジャパン施工物件の年間平均入居率実績は99.7%(2021年)となっています。オーナーの負担が大きく、効果が一時的なフリーレントや家賃の値下げを行わずに高い入居率を維持しているのが特徴です。

また、新築時に提案した年間の想定家賃収入に対して、実際の家賃収入の割合を示す数値を収益稼働率としています。同社が企画・開発した物件の収益稼働率は98.3%(2022年12月末時点)となっており、こちらも高い水準を維持しています。

アイケンジャパンのアパート経営の収益稼働率の推移

まとめ

アパートの管理業務は、入居者募集や家賃集金業務などが重要視している方も多いでしょう。一方で、入居者の快適な暮らしを維持するためには清掃も重要な業務の一つです。清掃業務には、日常清掃と定期清掃、さらに特別清掃があり、それらをバランスよく実施することが大切です。

今回のコラムでは、定期清掃の費用の目安や見積もりを比較する際のポイントも紹介しました。また、物件管理が手厚い2社のアパート建築会社も紹介しました。アパート経営についてより詳しく知ることができるセミナーや個別相談会なども開催していますので、参加を検討されてみると良いでしょう。

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