TREC FUNDING(トレックファンディング)の評判・実績は?メリット・デメリットや他社との比較も
TREC FUNDING(トレックファンディング)は、2020年8月にサービスを開始した
東証プライム上場企業のトーセイ株式会社が運営する不動産クラウドファンディングです。特別目的会社(SPC)を介した運用スキームにより倒産リスクを排除し、金融機関のローンを活用したレバレッジ効果を得られる点が強みのサービスとなっています。
一方で、他の不動産クラウドファンディングとどのような仕組みの違いがあるのか、注意したいリスクやデメリットについて気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はTREC FUNDING(トレックファンディング)のメリット・デメリットについて詳しく解説します。また、過去の募集ファンドの実績についても検証しているため、ご参考ください。
目次
- TREC FUNDING(トレックファンディング)とは
1-1.東証プライム上場企業が運営
1-2.豊富な不動産アセットマネジメント運営実績を持つ - TREC FUNDING(トレックファンディング)のメリット
2-1.SPCが不動産を運営することで、倒産リスクを排除
2-2.都心のマンションやオフィスビルに投資できる
2-3.売却益の還元・ローンのレバレッジ効果で高いリターンを狙える - TREC FUNDING(トレックファンディング)のデメリット
3-1.案件によって優先劣後出資方式を採用していない場合がある
3-2.案件の募集頻度が低い - TREC FUNDING(トレックファンディング)の評判・実績
- まとめ
1.TREC FUNDING(トレックファンディング)とは
サービス名 | TREC FUNDING |
不動産特定共同事業者許可番号 | 金融庁長官・国土交通大臣第102号 |
商号又は名称 | トーセイ株式会社 |
代表者名 | 代表取締役 山口 誠一郎 |
業務管理者の氏名 | 大島 均 |
本店又は主たる事務所の所在地 | 東京都港区芝浦四丁目5番4号 |
電話番号 | 03-5439-8870 |
不動産特定共同事業法第2条4項各号の種別 | 第1号事業、第3号事業、第4号事業(第1号事業および第4号事業においては、電子取引による業務を含む) |
1-1.東証プライム上場企業が運営
TREC FUNDINGは、東証プライム上場企業であるトーセイ株式会社が運営する不動産クラウドファンディングです。不動産特定共同事業法においては、1号、3号、4号の登録を行っています。
まだ新しい投資商品である不動産クラウドファンディングでは、事業者の事業実態が不明瞭であったり、また財務状況が悪く倒産してしまうリスクがあります。これを事業者リスクと言い、同じくクラウドファンディングを介したスキームであるソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)では、過去に金融庁から指摘を受けたトラブル事例もあります。
上場企業では、公開義務のあるIRから一般の方でも財務情報を簡単に取得することができ、また上場時には第三者機関の監査が入っています。必ずしも事業者リスクが低いと言い切ることはできませんが、運営事業者が上場企業であることはプラスに評価できるポイントと言えます。
1-2.豊富な不動産アセットマネジメント運営実績を持つ
トーセイ株式会社では、不動産クラウドファンディング事業への参入前から不動産をアセットマネジメント形式でも運用・販売しています。
例えば、REITでは、トーセイ・リート投資法人という銘柄を上場させています。また、不動産関連特定投資運用業を行う100%子会社のトーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社においては、2023年6月末時点で受託残高が約1兆9000億円、国内1位の実績となっています。(※参照:トーセイ株式会社「トーセイ・アセット・アドバイザーズの不動産関連特定投資運用業等預り資金、国内1位」)
豊富な不動産ファンドの運営実績を持っているだけに、不動産クラウドファンディングの案件組成・運用にも期待できます。
2.TREC FUNDING(トレックファンディング)のメリット
2-1.SPCが不動産を運営することで、倒産リスクを排除
TREC FUNDINGでは投資家から集めた資金で不動産を取得・運営し、発生した家賃収入や売却益を投資家に分配します。しかし、取得不動産はトーセイ株式会社が直接保有するのではなく、特別目的会社(SPC)を組成しSPCの所有として運営を行います。
多くの不動産クラウドファンディング事業者は、不動産特定共同事業法の第1号、第2号事業者登録を行っています。一方、トーセイ株式会社は、第3号、第4号を取得することで、不動産投資型クラウドファンディングのスキームに特別目的会社(SPC)の介在を可能としています。
トーセイ株式会社が倒産しても、SPCが運営する不動産は影響を受けません。SPCの名義で運営していれば、トーセイ株式会社が倒産しても、別会社の運用になるので、破産管財人の管理下に置かれることがなく、運営を続けることができるというメリットがあります。
通常、会社が倒産した場合は破産管財人によって会社の資産が管理されます。不動産クラウドファンディングで取得した不動産も差し押さえられ、売却代金は投資家ではなく他の債権者に返済されてしまう可能性があります。
SPCを介したスキームでは、このような運営事業者の倒産リスクを回避できるというメリットがあります。
2-2.都心のマンションやオフィスビルに投資できる
トーセイは、東京都心を中心とした豊富なマンション物件の取扱い実績があります。TREC FUNDINGで扱う不動産も、高品質なマンションやオフィスビルなどの物件が中心となっています。
募集金額はいずれも1億円を超える大型のファンド組成を行っており、利回りも4.00~7.00%とバランスの取れた水準となっています。
2-3.売却益の還元・ローンのレバレッジ効果で高いリターンを狙える
他社の不動産クラウドファンディングでは、年間利回り(予定分配率)を3.00%前後に
設定しているファンドが多くあります。
一方、TREC FUNDINGは4.00~7.00%の募集実績となっており、他サイトより高い収益性を投資家に提供していると言えます。賃料収入だけではなく、売却時の利益も分配していることや金融機関のローンを活用したレバレッジ効果により、高いリターンに繋がっています。
特に金融機関のローンを活用したファンド組成は、SPCを介在させる運用スキームの大きなメリットです。
なお、不特法1号・2号のスキームでもローンを活用してレバレッジをかけることは可能です。しかし、この場合はSPCを介在させることができないため、不動産の運用失敗によって事業者自体の経営悪化を招いてしまったり、事業者側の返済比率が高くなりすぎることで案件組成の頻度が低下してしまったりなどのデメリットがあります。
SPCの仕組みを取り入れることでこれらのリスクを排除し、大型のファンド組成を行えるという点は、TREC FUNDINGの大きなメリットと言えるでしょう。
3.TREC FUNDING(トレックファンディング)のデメリット
3-1.案件によって優先劣後出資方式を採用していない場合がある
優先劣後出資方式とは、優先出資分と劣後出資分に分けて出資を募り、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みのことで、優先出資者は投資家、劣後出資者は主に運営会社です。
優先劣後出資を行うファンドの場合、物件価格が値下がりして売却損が発生した場合、劣後出資した資金から先に損失を発生させます。不動産の値下がりが起きても投資家の資産が保護されるというメリットがあるのです。
ファンドごとに資金調達のスキームが異なるため、注意しておくと良いでしょう。
3-2.案件の募集頻度が低い
TREC FUNDINGは2020年8月にサービスを開始してから2023年11月時点までの間に7件のファンド組成を行っていますが、他社と比較して募集頻度が低い水準と言えるでしょう。
例えば、2018年11月にサービスを開始した不動産クラウドファンディングの「CREAL」では組成ファンド件数が99件(2023年11月時点)、2019年に開始した「COZUCHI」では84件(2023年10月時点)となっています。
TREC FUNDINGでの投資を検討する際は、募集を見逃さないように事前登録をしておくなど、工夫する必要があるでしょう。
なお、CREALとCOZUCHIの2社は不動産クラウドファンディングの中でも募集金額・募集頻度ともに上位となっています。その他、年間5~10件ほどのファンド組成を行っているサービスが大半となっているため、TREC FUNDINGは他のサービスと比較してやや募集頻度が低い、と言った位置づけと言えます。
4.TREC FUNDING(トレックファンディング)の評判・実績
TREC FUNDINGの評判・実績について見ていきましょう。下記はTREC FUNDINGの募集ファンド一覧です。
TREC FUNDINGの募集ファンド一覧
ファンド名 | 予定分配率(年率) | 募集金額 |
---|---|---|
TREC7号 目黒区祐天寺マンションファンド | 4.1% | 161,500,000円 |
TREC6号 区分マンションファンド横浜東寺尾 | 4.2% | 155,000,000円 |
TREC5号 区分マンションファンド新宿・台東根岸 | 4.00% | 116,500,000円 |
TREC4号 区分マンションファンド大江戸シリーズⅠ | 5.00% | 130,000,000円 |
TREC3号 区分マンションファンド浅草・月島 | 5.0% | 135,000,000円 |
TREC2号 川崎オフィスビル投資ファンド | 5.22% | 325,400,000円 |
TREC1号 世田谷区用賀マンション投資ファンド | 7.00% | 162,400,000円 |
※2023年11月時点
いずれのファンドも1億を超える大型案件となっていますが満額で達成しています。また、運用終了したTREC1・2号については想定利回りよりも高いリターン実績となっています。
- TREC1号:年率14.31%(想定7.00%)
- TREC2号:年率8.61%(想定5.22%)
想定よりも高いリターンとなった背景には、売却益も分配金に含まれる仕組みや、金融機関のローンを活用したレバレッジ効果があります。不動産の価格が上昇すると売却益は想定よりも大きくなり、また金融機関のレバレッジ効果によりこの振れ幅がさらに大きくなります。この二つの相乗効果によって、想定以上の利回り実績につながったと考えることができます。
一方、不動産の価格は常に変動しており必ずしも上記の実績が得られる保証はありません。過去の実績は投資判断の参考にしつつ、慎重に検討することが大切です。
まとめ
TREC FUNDINGの案件を見ると、他社の不動産クラウドファンディングと比較してややリスクが高く、その分リターンも大きな案件が提供されています。
一方でSPCを介在した倒産リスクの排除や、案件によっては優先劣後出資を採用するなど、リスク対策も行われています。このような取り組みもあり、運用終了したTREC1・2号では想定よりも高いリターン実績を残しています。
TREC FUNDINGの案件募集頻度は高くないため、案件募集が行われる前に投資家登録を済ませておくなど、情報を見逃さないよう工夫することが大切です。また過去の実績は将来のリターンを保証していないため、余裕資金で投資を行ったり、他の案件と分散投資をするなど、自身でもリスク対策を行うと良いでしょう。
※本内容は事業者の公式サイト(TREC FUNDING)から抜粋した情報をもとに執筆者個人の感想を加えたものです。正確な情報は、事業者の公式サイトにてご確認ください。なお、本記事は情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する意思決定は、事業者の公式サイトにて個別商品・リスク等の内容をご確認いただき、ご自身の判断にてお願いいたします。
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