アパート経営で起きやすい入居者トラブル5つと対策は?管理に強いアパート経営会社も
アパート経営を始める際、利回りや入居率などに注目している方は少なくありません。一方で「入居者トラブル」のような数値化しづらいポイントについて、十分なリスク対策を行えていない、見逃してしまっているという方も少なくないのではないでしょうか。
アパート経営の入居者トラブルは、アパートの収益性を下げてしまうような大きなトラブルの原因ともなり得ます。そこで今回のコラムでは、アパート経営で起きやすい入居者トラブルとその対策について解説し、管理に強いアパート経営会社についても紹介します。
目次
- アパート経営で起きやすい入居者トラブル
- アパート経営における入居者トラブルの原因と対策
2-1.騒音トラブル
2-2.ゴミ出しルールトラブル
2-3.設備故障トラブル
2-4.禁止事項違反トラブル
2-5.原状回復トラブル - 入居者トラブル対応・管理に強いアパート経営会社
3-1.シノケンプロデュース
3-2.アイケンジャパン - まとめ
1 アパート経営で起きやすい入居者トラブル
アパート経営で起きやすい入居者トラブルは、主に「マナーに関するトラブル」「契約に関するトラブル」「設備に関するトラブル」の3つに大きく分けることができます。
具体的な事例をまとめたのが以下の表です。
トラブルの種類 | トラブルの内容 |
---|---|
マナーに関するトラブル | ・騒音 ・ゴミ出しルール ・悪臭 ・ペット飼育や喫煙などの禁止事項違反 ・迷惑行為 |
契約に関するトラブル | ・家賃滞納 ・原状回復 ・敷金返金 ・契約解除 ・中途解約時の違約金 |
設備に関するトラブル | ・エアコンや給湯器などの設備の故障 ・水道管からの水漏れ ・トイレのつまり、悪臭 ・雨漏り ・害虫発生 |
入居者トラブルは、入居審査や契約時の説明によってある程度防ぐことが出来ますが、発生リスクを0にすることはできません。また、入居者とアパートオーナー(管理会社)の間で意見の相違があるために起きているケースもあったり、設備トラブルのように経年劣化によってどこかのタイミングで発生してしまうトラブル事例もあります。
このような入居者トラブルの全てにあらかじめ備えていくと、大きな労力がかかり、収益性の悪化を招くこともあります。重要性の高いトラブルから優先的に対処していくことが大切です。
2 アパート経営における入居者トラブルの原因と対策
アパート経営での入居者トラブルの中には、放置してしまうと大きく収益性を悪化させてしまうトラブル事例もあります。ここでは以下の5つの主なトラブルについて、原因と対策をそれぞれ解説していきます。
- 騒音トラブル
- ゴミ出しルールトラブル
- 設備故障トラブル
- 禁止事項違反トラブル
- 原状回復トラブル
2-1 騒音トラブル
アパートは入居者同士の距離感が近いこともあり、トラブルになりやすいのが騒音を起因としたものです。「隣の人が大きな音で音楽を聴いている」「上階の人の歩く音が大きい」などによって騒音トラブルに発展します。
騒音トラブルの原因
生活騒音として問題になる音には、「家庭用機器からの騒音」「家庭用設備・住宅構造面からの騒音」「音響機器からの音」「生活行動に伴う音」などがあります。
またアパート内の騒音だけではなく、目の前の道路をトラックが通る際の音、工事の騒音などもトラブルに原因になります。そのため騒音に関する苦情がきた場合は、騒音の発生源を把握する必要があります。
騒音トラブルへの対策
生活音は、人間の活動に伴って発生する音ですから完全になくすことはできません。ただし必要以上の音を出さないように、入居者同士が配慮することが必要です。そのため共同生活におけるルールを作り、騒音が発生しないように未然に防ぐようにしましょう。
通常、入居時のルールや規約は契約書に記載されているでしょう。加えて、ルールを徹底するためにアパート内の掲示板やチラシを活用するなど、入居者に常に意識してもらえるような工夫も必要です。
また、騒音に関する苦情が届いた場合は、以下のような対応が考えられます。
- 掲示板に騒音の苦情に関するチラシを貼り出す
- 騒音ルール遵守のチラシを各世帯に配布する
- 録音などをしてもらい状況を的確に把握する
- 騒音計などで騒音レベルをチェックする
- 状況が改善しない場合は、該当入居者に注意および警告を行う
一方、道路工事や建設工事などによる騒音の場合は、工事責任者への相談などによって騒音問題が解決することがあります。また道路の騒音が気になる場合は、防音カーテンを入居者に提供するといった方法もあります。
2-2 ゴミ出しルールトラブル
ゴミ出しによるトラブルは、入居者それぞれのルールに対する意識の低さによって起きます。具体的には、不法投棄がある、分別のルールを守らない、ゴミ出しの時間や曜日を守らないといったことで、害虫が発生する、カラスや風でゴミが散乱するといった事態に発展してしまいます。そのため、物件だけではなく、地域や自治体のルールやマナーに対する違反になることもあります。
ゴミ出しルールトラブルの原因
ゴミ出しルールは入居者のモラルによって守られるものですが、コミュニケーション不足などによりルール遵守の意識にずれが生じることでゴミ出しルール違反が起きます。また、特徴的なのは「他の人がやっている」ということでルール違反が連鎖しやすいことです。そのため不法投棄の量が増える、曜日を守らずにゴミを出すといったことが頻発するようになってしまいます。
ゴミ出しルールトラブルへの対策
ゴミ出しルール違反は連鎖しやすいため、なるべく早く対応することがポイントの一つです。具体的には以下のような方法が考えられます。
- 掲示板にゴミ出しのルール徹底に関するチラシを貼り出す
- ゴミ出しのルール徹底に関するチラシを各世帯に配布する
- 敷地内にゴミ集積所がある場合は防犯カメラを設置する
- ゴミ出しルール違反者が判明した場合は、該当入居者に注意および警告を行う
ゴミ出しルールを遵守しない入居者は、その他のルールを遵守する意識も低いと考えられます。そのため入居者審査の際に、属性や身だしなみなどからルール遵守できる人がどうかを判断するという方法もあります。
また、ゴミ集積所をきれいにしておく、不法投棄をそのままにしないといった管理姿勢が、入居者の意識を向上させることにつながります。
2-3 設備故障トラブル
「エアコンが壊れた」「お湯が出ない」といったように室内の設備機器が故障したり、水道管などが劣化して使用できないといった場合はトラブルに発展することがあります。入居者に快適な住空間を提供するため、設備機器が故障した場合は早急に対応する必要があります。
設備故障トラブルの原因
住宅設備には寿命や耐用年数があり、やがて故障したり、壊れて使えなくなってしまうものです。経費を抑えるために、故障するまで設備機器を使用したいと考える方も少なくないでしょう。
しかし、室内の設備が故障すると入居者は暮らしの快適性が失われるだけではなく、生活ができない状態になってしまうこともあります。この時に対応が遅れるとトラブルにまで発展し、本来あるべき住環境の機能が失われたとして家賃の減額を求められるケースもあります。
一方、「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」によると、入居者には善管注意義務があり、不注意や過失による故障や破損は善管注意義務違反に問われることがあります。例えば、結露をそのままにして壁紙にシミができた場合などは、入居者は善管注意義務違反によって修繕費用を負担する可能性もあるということなのです。そのため、トラブルの原因究明を慎重に行うようにしましょう。
設備故障トラブルへの対策
設備故障によるトラブルを避けるためには、適切な時期に点検・メンテナンスを行うことです。例えば、入居者が退去した後の空室時に点検を行い、必要に応じて修理・交換しておくことで設備の故障は回避できる可能性が高まります。住宅設備機器ごとに耐用年数や寿命を考慮して、適切な時期に交換しておくことも大切です。
その都度費用はかかりますが、入居者トラブルを回避するだけではなく、設備機器の更新によって家賃の値下がりを回避したり、空室対策になる可能性もあります。
2-4 禁止事項違反トラブル
禁止事項とは、アパートの部屋を貸し出す上でのルールのことです。アパートの住人全員が不安や不満を感じることなく暮らすために定めるものです。
通常は賃貸借契約書に記載し、その上で契約することになります。以下が一例です。
- 部屋の又貸し禁止
- ペットの飼育禁止
- 楽器の演奏禁止
- 居住目的以外での使用禁止
- 居住人数の遵守
- 仕様や間取りなどの変更禁止
- 指定場所以外での喫煙禁止、など
前述した騒音マナーやゴミ出しルールなども、禁止事項に含まれるケースがほとんどです。これらの禁止事項に違反しているケースを見つけた場合は、賠償請求や強制退去などにつながることもあります。
禁止事項違反トラブルの原因
禁止事項違反は、入居者のルール遵守意識の低さによるものがほとんどです。また、契約を締結する際に禁止事項について正しく理解していないケースや、仲介業者が正しく伝えていないケースも考えられます。ただし、「隣の人もやっている」などとして広がったり、他の住人が退去してしまうこともあるため、見つけた場合は早めに対応することが大切です。
禁止事項違反トラブルの対策
前述した禁止事項は代表的なもので、アパートに住んだことがあるほとんどの方は理解していることが考えられますが、契約時には念を押すようにしましょう。特に、他のアパートとは異なる禁止事項がある場合は、正確にどのようなことが契約違反になるのか説明するのも良いでしょう。
また、モラルやマナーに対する遵守意識が低い入居者と契約しないように、入居審査を慎重に行うことも重要です。親族などの連絡先を確認しておくことも忘れないようにしましょう。
トラブルが長期化すると解決が難しくなる上に、物件全体のモラルが低下し、空室が増えるリスクもあります。管理業者がいる場合、情報を共有することも重要です。
2-5 原状回復トラブル
国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」によると、原状回復は以下のように定義されています。
賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること。
※引用:国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
入居者が退去する際に清掃や修繕などで契約締結時の状態に戻して明け渡すことで、原状回復の責任は入居者にあるのが原則です。
原状回復トラブルの原因
原状回復の責任は入居者にあるのが原則ですが、その範囲は摩耗や経年劣化以外になります。例えば、壁紙に変色が認められる場合、それが日焼けなどによる自然発生的なものか、入居者の喫煙によるものかによって原状回復の責任の所在が異なるのです。
トラブルに発展しやすいのはこの線引きが曖昧で、どちらに責任があるかはっきり判別できないケースが多いためです。
原状回復トラブルの対策
原状回復トラブルを未然に防ぐ方法はいくつかありますが、代表的なのは以下です。
- 部屋の状態を書面にまとめておき、契約時または入居時に確認してもらう
- 部屋の状態を写真や映像に残しておく
- 賃貸借契約書に原状回復費用(清掃費用など)について記載しておく
- 入居者と意見が対立する場合は納得いくまで確認しあう
- 退去時の立ち会いを丁寧に行う、など
また「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」を確認し、原状回復費用の支払いはどのような場合にどちらに責任があるのかを正しく理解しておくことも大切です。
3 管理に強いアパート経営会社
アパート経営のトラブル対策には、管理に強い不動産会社への委託が有効な手段となります。入居者トラブルに関する豊富な知識・ノウハウが蓄積されている不動産会社では、迅速で的確な対応をしてくれる上に、回避するための対策を事前に提案してくれることもあります。管理に強いアパート経営会社2社をご紹介します。
3-1 シノケンプロデュース
シノケンプロデュースは、アパート供給棟数が自社施工で6,000棟超を誇るアパート経営会社です。一般投資家向け賃貸住宅経営のパイオニアとして知られており、土地の選定から企画、設計、施工、引き渡し後の賃貸管理まで一貫したサービスを提供しています。「年間アパート開発棟数部門」(全国賃貸住宅新聞「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」)では、2015年度〜2022年度にかけて8年連続No.1に輝いています。
最寄駅から徒歩10分圏内の立地にこだわってアパートを提供
入居者が通勤・通学しやすいように、大都市圏のターミナル駅から電車で30分以内、最寄り駅から徒歩10分以内の立地にこだわってアパートを提供しているのが特徴です。
取得した土地に合わせてオリジナルの設計を行っており、独立洗面化粧台、サーモスタット付水栓、システムキッチン、カラーモニター付きインターフォンなどのほか、オートロックや防犯カメラなどの防犯設備も積極的に導入しています。
全国で47,000戸以上を管理。仲介業者との太いパイプも特徴
シノケンプロデュースが提供する物件の管理を担当するのは、グループ会社のシノケンファシリティーズです。全国で47,000戸以上(2023年12月末時点)を管理しており、2023年の年間平均入居率は98.56%となっています。こうした高い実績は、5,000店舗以上(2021年4月時点)の仲介業者と提携し、良好な関係を築いていることも要因の一つです。
シノケンファシリティーズでは、空室募集から退去精算まで賃貸管理業務の一切を代行し、オーナーのアパート経営を徹底的にサポートしています。エリアごとに清掃担当者を配置しているのも特徴で、月3回の定期巡回清掃を実施しています。
この際、美観の維持に努めるほか、迷惑駐車やゴミ出しマナー違反などの改善にも注力しています。また設備機器などの点検も実施し、損傷や劣化を発見した場合は最善な対策を提案したり、必要に応じて大規模修繕や老朽化に伴う建て替えの提案も行っています。
3-2 アイケンジャパン
アイケンジャパンは、「堅実なアパート経営」をコンセプトとして掲げ、「グランティック」「レガリスト」などのアパートブランドを全国で供給するアパート経営会社です。2021年12月には、アパートの総数が1,000棟を突破しています。
耐震性能や抗劣化性能に優れた高性能のアパートを提供
高性能のアパートを提供することで知られており、耐震性能は建築基準法の約1.3倍になっているほか、劣化対策等級が最高レベルの等級3を取得しています。
ワンランク上の住み心地と満足感を提供するため、ビルトインキッチンや温水洗浄便座、浴室テレビなど、アパートとは思えないような設備を標準にしているのも特徴です。
家賃の値下げなどを提案せずに99.4%の高い入居率を維持
管理業務として、入居者募集から家賃の集金、退去時の精算、クレーム対応、清掃などすべてを代行しています。2023年6月末時点で8,545戸の管理を行っており、2022年の年間入居率は99.4%となっています。
特にオーナーに喜ばれているのは、フリーレントや家賃の値下げを行わないことです。これらの空室対策は、オーナーの負担が大きく、効果が一時的なため、仲介会社への丁寧な情報提供などで入居率を高めています。また、新築時に提案した年間の想定家賃収入に対して実際の家賃収入の割合を示す収益稼働率は98.6%(2023年6月末時点)となっており、適切なアパート管理が実行されていることが伺えます。
まとめ
アパートを経営する上で、入居者とのトラブルは避けたいものです。そのためには、適切な対策を行っておくことと、早期に対応できるように知識を持っておくようにしましょう。
アパートの管理業務は管理会社へ委託することができますが、トラブル発生時の対応については各社ごとに異なります。トラブルを放置していると、大きな損失に繋がるリスクもあるため、適切な管理を行える管理に強い不動産会社へ依頼することが大切なポイントです。
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