岐阜の県立高校生がクレカ発行、地域経済の活性化目指す。次世代型クレカ「ナッジ」採用

岐阜県立阜商業岐高校(県岐商)の生徒が主体的に運営する株式会社GIFUSHOは2月6日、自社クレジットカード「GIFUSHOカード」の発行を開始した。カードを利用するとGIFUSHOの活動を応援できるほか、地元店舗での割引や特典が受けられる予定。

GIFUSHO は2016年2月に設立。県岐商の生徒全員が株主となり、生徒の中から最高経営責任者(CEO)を選出する。企業の経営活動を体験することで、経営管理能力を養い、学校で習得したビジネスの知識・技術の深化と、地域社会の貢献を意識づける。主な事業は地元の産品やオリジナルグッズ、企業とのコラボ商品の製造・販売。商業施設での販売実習や企業経営者を招いた講座なども実施している。

カードは、チャレンジャーバンク事業を手掛けるナッジ株式会社の「ナッジカード」を導入している。ナッジカードは18歳以上であれば高校生でも申込みでき、カードと連携したスマホアプリをベースに「便利に・安心して・楽しく」利用できる、次世代型クレカをうたう。

GIFUSHOのカード事業は、ナッジ社と株式会社十六カードが2022年12月21日に締結した顧客紹介に関する業務提携契約に基づく第三弾の取り組み。ナッジはGIFUSHOカードを通じて同校や同市周辺店舗の応援消費の活性化を図り、十六カードはキャッシュレス決済に必要な加盟店支援を担う。高校生によるカード発行は全国初という。

GIFUSHOカードリリース発表会の様子

GIFUSHOカードリリース発表会の様子

カードはVisaで、タッチ決済にも対応。ナンバーレスで年会費・入会金無料。利用すると、金額に応じて会員限定の県岐商の部活動記録動画などの限定特典がもらえるほか、同校の教員と生徒が共同でデザインしたオリジナルデザインのクレジットカードを発行できる。

入会と利用を促進するため、今後は生徒が企画立案を行い、岐阜市周辺地域の店舗での「GIFUSHO カード決済キャンペーン」の実施や、ナッジカードのアプリに内蔵された NFTウォレットを活用し「卒業生や保護者のお店でQRコードを読み込むと限定 NFT やクーポンを取得できる仕掛け」などを検討している。

GIFUSHOカード
また、利用店舗、金額、年齢層、日時などのデータを研究対象とすることで、金融教育として活用するとともに、新たな施策にも生かしていく。

発行開始と同日に同校で行われた発表会見で、CEOの橋本采珂さん(同校3年)はカード利用を「惜し活」に重ね、「『推し』というコンテンツに強い高校生の私たちだからこそ、ファンの方が何を求めているのかを身近に考えることができる。地域密着度を高めていくことはもちろん、県内のキャッシュレス化を推し進めるひとつの力になりたい」と力強くコメントした。

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