ブロックチェーンとdMRVを掛け合わせたプラットフォーム「GainForest」とは?

目次

  1. GainForestとは?
  2. GainForestの仕組み
  3. GainForestの展望

GainForestとは?

GainForestは持続可能な森林保全活動を行う管理者とそれを支援するユーザーに対してインセンティブの仕組みを提供する分散型グリーンファンドです。GainForestのプラットフォームに登録された森林保全活動プロジェクトへ寄付した支援者に対してNFTreesを報酬として与える仕組みとなっています。

世界では森林破壊が進んでおり、脱炭素社会を実現させるためにも森林破壊は早急に解決すべき問題となっています。森林は「地球の肺」とも呼ばれており、大気中の二酸化炭素を吸収し酸素を放出することで、気候を安定させる重要な役割を果たしているのと同時に多様な動植物の生息地であり、生物多様性の保全にも不可欠です。そのような問題を解決するためにNGO団体などによって、個人や企業から寄付金を募り資金を提供するという支援活動が世界中で行われてきました。

この活動自体はすごく尊いものなのですが、いくつか問題があります。それは、寄付金を集めるNGO団体への信頼に依存していることやその資金が何にいくら使われているのか不透明であること、支援者に対するインセンティブの欠如などが挙げられます。

ここで重要な役割を果たすのがブロックチェーンとdMRVの技術です。dMRV(Digital Measurement, Reporting and Verification )とは旧来のMRV(Measurement, Reporting and Verification)を効率化したアプローチのことで、衛生画像やドローンなどで取得した森林データを機械学習によって解析し、森林の面積や状態から二酸化炭素吸収量の測定、報告、検証を行います。MRVでは調査員が現場に出向きアナログ的な方法で森林の二酸化炭素吸収量を測定し、書類などで情報を管理していたため時間と費用がかかっていました。dMRVはテクノロジーを使ってより効率的に森林データを取得し、モニタリングすることでコスト削減の解決策として注目されています。

GainForestはオラクルを使ってdMRVで取得した森林データをブロックチェーン上に取り込んでいます。

衛生やドローンによって収集された森林画像は5日に1回更新される仕組みになっており、GainForestで寄付者はプラットフォームで森林の状況を確認することができます。また、GainForestは分散型ファンドとスマートコントラクトを使って、森林保全活動が一定のマイルストーンを達成した場合のみ資金が自動的に提供される仕組みになっています。

具体的にはマイルストーンが達成されるとオラクルからコミュニティ(森林保全活動者)へキートークンが送信され、コミュニティはそれを使ってロックを解除し、分散型ファンドから資金を受け取ることができます。

GainForestの仕組み

GainForestはスマートコントラクトを使って寄付金を募る第三者を経由せずに特定の条件が満たされれば自動的に資金を提供する仕組みを採用することで、寄付の効率化と信頼の自動化を実現しています。

GainForestの分散型ファンドはSolanaネットワーク上に存在するスマートコントラクトであり、寄付者からコミュニティへSOLやステーブルコインなどといった暗号通貨で支援がされています。GainForestはブロックチェーンを活用することで寄付者に対してインセンティブを提供することで、より森林保全活動へ資金が集まるような仕組みをつくろうとしています。寄付者はコミュニティへ資金を提供することでインパクト検証トークンを受け取ることができます。

具体的なトークンエコノミーは現在設計途中のようで、Dynamic NFTやMeasure to Earn、Composable Creditなどといった取り組みが計画されています。

これらのような取り組みが実現することで、GainForestプラットフォームのユーザーは寄付をすることで金銭的なリターンを得ることができ、寄付者から投資家へ変わります。寄付額以上のリターンが得られる市場になれば外部からの投資家もプラットフォームに参加し、GainForestの市場がより活発になることでそれが環境保全活動家へ還元されるようになります。

GainForestの展望

GainForestの取り組みはブロックチェーンの特徴であるトラストレスな運営と取引の透明性、スマートコントラクトによる寄付の自動化、トークンエコノミーでのインセンティブの提供といったさまざまな機能が盛り込まれています。

参照:GainForest

森林保全といった社会課題を解決するには取引の透明性がないと寄付者が安心して資金を提供できませんし、運営を効率化することで無駄な経費を削減し、より多くの寄付を森林保全活動者へ届ける必要があります。また、トークンエコノミーを活用し寄付にインセンティブを与えることでより多くの人々に寄付に参加してもらい社会問題を解決するといったある意味資本主義の仕組みを上手く利用することも大切になります。

ブロックチェーンが普及する前の社会問題解決のアプローチは、本当にその問題の解決を願う人々へマーケティングを行い、金銭的なリターンなしで寄付を募るといったやり方が一般的でした。しかし、ブロックチェーンを活用した社会問題解決プロジェクト、いわゆるRefiと呼ばれる領域への参加者が増えていく中でトークンエコノミーによるインセンティブの力を使って問題を解決していこうというアプローチが増えてきています。

筆者はこの流れは非常に良いものだと考えており、GainForestのようなプロジェクトが今後大きなユースケースをつくってあらゆる業界からRefiが注目される日が訪れると予想しています。トークンエコノミーの構築計画も進んでいるようですので、今後の展開に注目していきたいと思います。

The post ブロックチェーンとdMRVを掛け合わせたプラットフォーム「GainForest」とは? first appeared on 金融・投資メディアHEDGE GUIDE.

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
ブロックチェーンとdMRVを掛け合わせたプラットフォーム「GainForest」とは?