アパート経営の収支計画の作り方は?シミュレーション依頼ができるアパート経営会社も
アパート経営においては、長期の収支計画を策定することが重要です。現在の利回りや初期投資額だけで投資判断を下してしまいたくなりますが、これらの情報には将来の収支変動要因が含まれていません。数十年の長期投資になり得るアパート経営では、これらのリスクを加味した収支計画が必要です。
長期にわたる収支計画を立てることで、投資期間全体の収益性を予測し、どのようなリスクがあるのか把握することに繋がります。また、将来において資金ショートのリスクが高いタイミングを予測して、あらかじめ対処が可能です。
今回の記事では、アパート経営における収支計画の重要性をまとめました。後半では、収支シミュレーションを立ててくれるアパート経営会社についても紹介します。
目次
- アパート経営における収支計画の重要性
1-1.投資効果を確認するため
1-2.将来の収支の動きを理解するため
1-3.資金ショートのリスクを認識するため
1-4.現金の黒字・赤字の分岐点や空室のインパクトを把握するため - アパートの収支計画の作り方・立て方
2-1.購入時の支出を集計する
2-2.アパート経営開始後の収支をシミュレーションする
2-3.長期の収支計画を立てる
2-4.定期的に見直しが必要 - アパート経営のシミュレーション依頼ができる不動産会社
3-1.シノケンプロデュース
3-2.アイケンジャパン - まとめ
1 アパート経営における収支計画の重要性
次の3つの理由から、アパート経営では収支計画を立てるのが有効です。
- 投資効果を確認するため
- 将来の収支の動きを理解するため
- 資金ショートのリスクを認識するため
- 現金の黒字・赤字の分岐点や空室のインパクトを把握するため
1-1 投資効果を確認するため
収支計画書を参考にすれば、投資期間全体の収益性を適切に把握できます。収益性は、投資判断において重要な要素の一つです。アパート経営は多くの場合、長期での投資になるため、現時点の情報をみただけでは投資期間全体の投資効果を認識できません。
購入時の初期費用、投資期間のキャッシュフロー、売却時の損益全てを把握して、はじめて期間全体の投資効果を分析できます。これらのデータを試算するうえで、収支計画書の作成が重要なのです。
1-2 将来の収支の動きを理解するため
不動産ポータルサイトなどで確認できる家賃収入や利回りは、投資開始時点の数値である点に注意が必要です。将来家賃の低下や空室の発生などによって、収益性は低下する可能性があります。
また、アパート経営においてはランニングコストがかかり、長期で運営するなかでは大規模修繕やリフォームでまとまった支出が必要です。
将来の収支見通しは、表面的な情報だけでは把握できません。収支は借入率やローン金利、税金の支払いなどの影響をも受けるため、物件情報だけでは収支のシミュレーションができない点にも注意が必要です。
自身のアパート経営の状況や見通しを踏まえた収支計画を作成して、将来の収支の動きを精緻に予測しましょう。
1-3 資金ショートのリスクを認識するため
収支計画を策定すれば、資金ショートのリスクを認識して早めに対策がとれます。数十年間にわたるアパート経営を通じて充分な収益が出れば、本来は投資としては成功と言えます。
しかし、経営中に資金が不足して「資金ショート(収支マイナスで支払いの資金が不足する)」状態になれば、物件を売却して経営を終了するか、給与など他の収入でカバーする方法をとる必要があります。
一方で、ローン年数や減価償却のペース等によってはデッドクロスにより一時的に収支が悪化するケースもあります。収支の悪化が一時的であれば、あらかじめ潤沢な資金を残して対処することで乗り切れる可能性があります。
収支計画を立てておけば、資金が不足しがちなタイミングを予期可能です。潤沢な資金を用意したうえで投資期間全体の収益を重視して投資するか、収支悪化を危惧して投資を取りやめるか、冷静に判断できるでしょう。
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1-4 現金の黒字・赤字の分岐点や空室リスクを把握するため
収支計画を立てると、空室発生や賃料の低下でどの程度収支が悪化するのかがより正確に予測できます。単年ごとにどの程度の空室率および賃料水準に収まれば黒字を維持できるのかも試算できます。
損益分岐点を把握しておけば、危険水域に達したときに早めに対処が可能です。逆に収支に余裕がある中での空室の発生や賃料の下落に対して、過剰反応せずに済みます。
2 アパートの収支計画の作り方・立て方
アパートの収支計画は、まず購入時点の費用を認識したうえで、将来の収支シミュレーションを立てていきます。シミュレーションにおいてはいくつかの予測値が必要です。初心者の方がこの予測値を正確に設定するのは難しいので、専門家に相談しながらシミュレーションを立てるのがよいでしょう。
2-1 購入時の支出を集計する
まずは、購入時の支出を正確に計算します。購入時にかかる費用はたとえば次の通りです。
不動産自体の購入・建設費用
- 土地代
- 建物の購入・建設費
諸費用・税金
- 仲介手数料
- 火災保険料
- 司法書士など専門家への報酬
- ローンの事務手数料
- 印紙税・登録免許税
- 不動産取得税
税金のうち「印紙税・登録免許税」は、基本的に購入手続きを進める中で発生します。一方で、不動産取得税は購入から半年~1年ほどの間に支払います。
不動産取得税は、厳密には購入後に支払う資金ですが、投資初期にまとまった支出要因となるため、初期費用の一部として計画を立てるのも一案です。
確定申告で集計する「損益」を考えるなら、以上の全てが「費用」となります(厳密には費用+税金)。一方で、現金収支を考えるならこのうち自己資金で負担する部分のみを「支出」として反映しましょう。
損益の計算と収支計算はいずれも不動産投資において重要ですが、今回は収支計画の策定にフォーカスして解説していきます。個人が現金収支を把握するうえでは、収支計画を立てるのが有効です。
2-2 アパート経営開始後の収支をシミュレーションする
続いて経営を開始したあとの収支をシミュレーションします。具体的には、つぎのような収入・支出と税金を計算しましょう。
収入(A)
- 賃料
- 駐車場収入
- 礼金・更新料や共益費
支出(B)
- 管理費
- 修繕費
- 損害保険料
- 元利金返済金
税金(C)
- 固定資産税
- 所得税
A-B-Cが、手取りベースでの最終的な現金収支です。プラスであれば手元の現金が増えて、マイナスであれば減少します。将来の数値であるため、一定程度の仮定を置きながらシミュレーションする必要があります。
たとえば、賃料は空室率や部屋ごとの賃料水準の低下ペースを想定しなければなりません。所得税はオーナーの総収入に依存します。自身の将来の収入をもとに、適用される所得税率を仮定したうえで、毎年の所得税額を試算していきましょう。
収支がマイナスになる期間が想定される場合には、注意が必要です。投資期間全体の収益性をもとに投資を実行するという判断が誤りとは限りませんが、マイナスになる期間の資金対策をあらかじめ立てておくのが有効です。
2-3 長期の収支計画を立てる
収支計画は、投資期間全体にわたる長期で立てる必要があります。不動産投資で年間収支が悪化しやすいのは、ローン返済間近です。その頃はローンに占める金利支払いの割合が小さいため、費用計上できる金額が抑えられがちです。
ローンの返済額自体は(元利均等返済の場合)借り入れ当初から変わらないため、現金収支に比して損益が上振れし、税金が増大しがちなのです。
耐用年数が切れると減価償却が計上できなくなるため、耐用年数より長期のローンを借りる場合は、減価償却切れ後の収支を保守的に見積もるのも重要です。
2-4 定期的に見直しが必要
収支計画は、投資開始時点で策定すれば終わるものではなく、経営期間中も定期的に見直しましょう。
賃料水準の変動や実際にかかった修繕費、空室率などをもとに、数値をより精緻なものにアップデートしていきましょう。収支計画を精緻化しながら経営に取り組むことで、将来のリスクを的確に察知しながらアパート経営が可能です。
3 アパート経営のシミュレーション依頼ができる不動産会社
アパート経営において重要性の高い収支計画とシミュレーション作成ですが、初心者の方が確度の高いシミュレーションを作成することはやや難易度が高いと言えます。
特に想定家賃や将来の空室リスク、物件価格の推移などについては、プロでも予測が難しい領域です。また計算方法が合っていたとしても、収集したデータが古かったり、参照データの数が少なすぎるなどの要因で、大きな乖離が出てしまうこともあります。
そこで、これからアパート経営を始める初心者の方であれば、まずはアパート経営の実績が豊富な不動産会社に相談して、シミュレーションを作成してもらうのも一つの方法です。今回は無料でシミュレーション作成の相談ができる、アパート経営の実績が豊富な2社をご紹介します。
3-1 シノケンプロデュース
シノケンプロデュースは、土地の選定から企画、設計、施工、引き渡し後の賃貸管理まで一貫したサービスを提供するアパート建築会社です。一般投資家向け賃貸住宅経営のパイオニアとしても知られており、アパート供給棟数は自社施工で6,000棟を超えています。「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」(全国賃貸住宅新聞)の「年間アパート開発棟数部門」では、8年連続No.1の実績があります。
グループ会社のシノケンファシリティーズの管理戸数は47,000戸以上(2023年12月末時点)、入居率98.56% (2023年年間平均入居率)となっています。このような入居率の高さは、5,000店舗以上(2021年4月時点)の仲介業者と提携し、良好な関係を築いていることも要因の一つです。
初心者向けに丁寧な情報発信やシミュレーションの実施
シノケンプロデュースでは、セミナーや個別相談にて、投資を検討している方への情報共有や疑問・悩みの解決をしています。個別相談のあとも営業担当からしつこく勧誘してくることはなく、自分のタイミングで投資判断が可能です。
アパート購入を検討する際には長期のシミュレーションを作成してくれるため、自分で悩まずとも収支計画を立てられます。収支計画は、購入候補となる物件毎に作成してもらうことも可能です。
金融機関との強いリレーションを築いているため融資交渉もしやすい
30年超にわたる不動産販売の実績から、多くの金融機関と強固な関係を築いています。提携ローンを利用できる金融機関は、現在も拡大中です。
- 西日本シティ銀行
- SBI新生銀行
- きらぼし銀行
- 東京スター銀行
- 佐賀銀行
- 島根銀行
はじめてのアパート経営では、しばしば金融機関との融資交渉に苦労しがちです。その点、シノケンは提携ローン先が多く、オーナーの信用力に問題がなければ融資先を紹介してもらえます。金融機関との対応に手間をかけずに済むでしょう。
3-2 アイケンジャパン
アイケンジャパンは、「堅実なアパート経営」をモットーに「グランティック」「レガリスト」などのアパートブランドを全国で展開する不動産会社です。2023年12月末時点で、アパート開発棟数1257棟の実績があります。
賃貸管理の実績として9,136戸(2023年12月時点)の管理を行っており、入居率99.3%(2023年年間実績)となっています。オーナーの負担が大きく、効果が一時的なフリーレントや家賃の値下げを行わずに高い入居率を維持しているのも特徴です。
2017年3月以降に完成したすべての物件で劣化対策等級が最高レベルの等級3の評価を第三者機関より獲得しています。2世代から3世代にわたって引き継ぐことが可能です。
堅実なアパート経営を重視
アイケンジャパンでは、堅実なアパート経営を重視してアパート開発や販売を行っています。防音性や設備など物件の性能にこだわり、さらに駅徒歩15分以内の好立地での開発を中心とすることで、空室が発生しにくく、資産価値を維持しやすい物件開発を進めています。
アパートの提案においては、丁寧な物件に関する情報提供や収支計画の策定などを行ってくれ、無理に購入を促すような営業は行っていないので、初心者の方も気軽に相談可能です。
強固なリレーションを持つ金融機関が多数
アイケンジャパンも、これまでのアパート販売実績や資産の保全性が高い物件などが評価される形で、複数の金融機関と強固なリレーションを築いています。
- 福岡銀行
- 西日本シティ銀行
- みずほ銀行
- 福岡中央銀行
- オリックス銀行
- 七十七銀行
- 十八親和銀行
4 まとめ
個人のアパート経営においては収支計画の策定はとりわけ重要です。将来の投資効果や現金収支の悪化リスクを予測し、投資判断や資金対策の参考になります。
目先の計画だけでなく、耐用年数が切れた後、物件を売却する時期まで長期の収支計画を立ててください。自分一人で計画を立てるのが難しいという方は、不動産会社に相談するのも一つの方法として検討されておくと良いでしょう。
今回紹介したシノケンプロデュースやアイケンジャパンなどは無理な営業を行わないスタンスのため、気軽にアパート経営の相談ができます。利回りや物件価格などの表面的な情報だけに左右されず、収支計画をもとに投資期間全体の収支をふまえて、投資を判断してください。
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