投資家の多くが年内の政策金利上昇を想定する中、売却の動きが増加する可能性。CBRE「日本投資家意識調査2024」

シービーアールイー株式会社(CBRE)は2月26日、レポート「日本投資家意識調査2024」を発表した。日本の金利の先高観が想定される中、投資家が保有アセットの売却を増加させる可能性が示唆された。アセットタイプでは、ファンダメンタルズによる投資家の選別傾向が鮮明となった。物価上昇が続く中で、賃料上昇が期待されやすい「住宅」が初めて首位となった。

2023年11月に実施した「CBRE投資家意識調査」のうち、日本および日本に拠点を持つ海外投資家の回答数(115名)を分析対象とした。2024年の取得・売却意欲や選好するアセットタイプなどの投資方針について質問している。

日本の金融政策に関して、投資家の76%は2024年末までに、政策金利が50bps未満の幅で上昇すると想定している。投資におけるリスク要因では「人件費や建築費の高騰」が78%と最多となった。

2024年の取得額が「昨年より増加する見込み」と回答した投資家の割合は、前回調査比6ポイント低下する一方、売却額が「昨年より増加する見込み」の割合は同9ポイント上昇した。

住宅を最も魅力的なアセットタイプに選んだ投資家の割合は35%と、初めてトップとなった。「ホテル」の回答者割合も上昇、「オフィス」と「物流施設」の割合は前回調査比で減少した。

投資戦略別では、コアを選好する投資家が30%と最多となったが、前回調査と比べ8ポイント低下した。バリューアッドとコアプラスは増加、オポチュニスティック(開発リスクを含む)が続く。

オルタナティブアセットでは、引き続きデータセンターや冷凍・冷蔵倉庫、学生寮・学生マンションが特に選好されている。

サステナビリティ投資に関して、投資家は既存ビルの改修やグリーンビルディングの取得を中心に取り組んでいる。さらに、投資家の60%以上がサステナビリティ基準に適合する物件について価格プレミアムを想定していた。

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