eSAF生産スタートアップTwelve、ブリティッシュ・エアウェイズ親会社とSAF供給契約を締結。
eSAF生産のスタートアップTwelveは2月28日、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に抱える英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)と、持続可能な航空燃料(SAF)の供給契約を締結した(*1)。早ければ2025年に供給を開始する予定である。
Twelveはカリフォルニア州バークレーを本拠地とし、二酸化炭素(CO2)、水、再生可能エネルギーを原料とするeSAFメーカーだ。液体燃料合成技術(パワー・ツー・リキッド)のパイオニアであり、世界的リーダーでもある。高品質の合成燃料を製造できる独自のプロセスを開発し、特許を取得している。
eSAFは、従来のジェット燃料に比べ、ライフサイクルでの温室効果ガス排出量を最大90%削減するほか、土地や水の使用量も比較的少ない。Twelveの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるニコラス・フランダース氏は「私たちのパワー・トゥ・リキッド製造法によるE-Jet燃料は、業界をリードする排出削減の可能性を提供する」と自信を示す(*1)。
今回の契約は14年間に及び、IAG傘下の欧州の航空会社5社に785,000トンのe-SAFを供給する。Twelveは、ワシントン州モーゼスレイクに実証プラントを建設中で、25年初頭からIAGにSAFを供給する予定だ。
IAGはe-SAF契約を締結した最初のヨーロッパの航空会社グループであり、同社にとって最大のSAF購入契約となる。この契約により、 IAGは23年に世界の供給量の約12%を占めるSAFの使用量を継続的に増やすことができる。
両社が最初に提携を開始したのは20年で、TwelveがIAGのHangar 51スタートアップ・アクセレーター・プログラムに参加した時だった。その時からTwelveの技術の商用化を目指してきた。
この契約を通じて、パワー・ツー・リキッド製造法を活用したeSAFの生産を拡大することで、航空業界における潜在能力をフルに発揮する一歩手前まで来ている。
IAGのルイス・ガジェゴCEOは「我々は、30年までに10%のSAFを使用し、50年までにネット・ゼロを達成するためのロードマップを持っている。世界的にSAFは不足しているが、Twelveのような革新的な企業は、その解決策の重要な一翼を担っている」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 IAG「IAG REACHES ONE-THIRD OF 2030 SAF TARGET
WITH MAJOR E-SAF DEAL WITH TWELVE」
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