FPおすすめの家計簿のつけ方は?初心者が続けやすいアプリやノートも紹介
お金をなかなか貯められない悩みの解決方法の1つに、家計簿をつけることがあります。家計簿をつけてみて家計の問題点を発見したり、1カ月の収支を把握したりすると貯蓄の目標もわかるようになるためです。
しかし、せっかく家計簿をつけ始めてもなかなか継続できなかったり、うまく貯蓄につながらなかったりなどの失敗経験のある方も多いのではないでしょうか。家計簿をつけるのであれば、正しく家のお金について把握できるよう、工夫しておきたいものです。
そこでこの記事では、簡単な家計簿のつけ方と継続しやすい家計簿ノートやアプリを紹介します。
目次
- 家計簿をつけるとお金が貯まる理由
1-1.お金の流れがわかる
1-2.家計の問題点が発見できる
1-3.節約意識が高まる
1-4.貯蓄目標を設定しやすくなる
1-5.お金の不安を解消できる - 家計簿でチェックする主な項目
2-1.固定費
2-2.変動費
2-3.まずは「生活費」「予備費」「貯蓄」3つで分けてみる - 家計簿を長続きさせるコツ
3-1.自分に合った家計簿を選ぶ
3-2.家計簿をつけるタイミングを決める
3-3.目標を設定する
3-4.家計簿アプリを活用する
3-5.クレジットカードは使用した月に計上する - 初心者が続けやすいおすすめの家計簿ノート
4-1.シンプル家計ノート(オレンジページ)
4-2.働くふたりのかんたん家計簿
4-3.シンプル家計簿B5(学研ステイフル) - 初心者が続けやすい家計簿アプリ
5-1.Zaim
5-2.Money Forward ME
5-3.Moneytree
5-4.三井住友銀行Olive - まとめ
1.家計簿をつけるメリット
家計簿をつける大きなメリットの1つに、お金が貯まりやすくなる点があります。家計簿をつけるとなぜお金が貯まるのか、それには主に以下の5つの理由が考えられます。
- お金の流れがわかる
- 家計の問題点が発見できる
- 節約意識が高まる
- 貯蓄目標を設定しやすくなる
- お金の不安を解消できる
1-1.お金の流れがわかる
家計簿をつけると毎月の収入と支出を把握でき、以下のようなお金の流れがわかります。
- 毎月の収入がどのくらいあるのか
- 生活費や固定費にどのくらいお金を使っているのか
- どの項目に無駄遣いが多いのか
お金の流れを把握できると、家計全体の状況を客観的に分析できます。
1-2.家計の問題点が発見できる
家計簿をつけると、家計の問題点を見つけやすくなります。たとえば、以下のような問題点を発見できます。
- 支出が収入を上回っている
- 固定費が大きすぎる
- 無駄遣いが多すぎる
上記の問題点がわかると改善策を立て、お金を貯めやすくなります。たとえば、支出が収入を上回る赤字家計の場合、節約や収入を増やすといった対策が考えられるでしょう。
1-3.節約意識が高まる
家計簿をつける習慣がつくと日々の出費を意識するようになり、無駄遣いを減らそうという節約意識が高まります。今までは気にならなかった無駄な支出に気づいたり、節約を意識した行動をしたりするようになるでしょう。節約を心がけた結果、余裕資金が生まれて貯蓄に回せるようになります。
1-4.貯蓄目標を設定しやすくなる
家計簿をつけると、将来の貯蓄目標を設定しやすくなります。家計の収支が把握できると、貯蓄にいくら回せるかがわかります。
家計簿をつけ続けると目標の進捗管理もできるため、具体的な金額目標も達成しやすくなります。マイホーム購入や教育資金といった資金準備の、現実的な目標設定にも役立つでしょう。
1-5.お金の不安を解消できる
家計簿をつけると家計状況が「見える化」され、お金に対する不安の解消につながります。現在いくらのお金があるのか分からない状態では、必要な物の購入にも躊躇してしまったり、逆に不要なものを買いすぎてしまっているのではないか?という不安が起こる可能性もあります。
このようなお金の不安を解消する方法として家計簿は有効です。家の資産状況が見える化できるため、具体的な対処方法も考えることができ、不安の解消につながります。
2.家計簿でチェックする主な項目
家計簿の主な項目を知っておきましょう。家計費は大きく分けて、「固定費」と「変動費」に分かれます。固定費は定期的に(毎月や毎年など)一定の金額が発生する支出で、変動費は月によって金額が変動する支出です。
2-1.固定費
主な固定費には、以下のような支出があります。
- 住居費:家賃、住宅ローンの返済、マンションの管理費・修繕積立金など
- 保険料:生命保険料、損害保険料
- 通信費:インターネットの回線費、携帯電話料金、固定電話代など
- 水道光熱費:電気・ガス・水道代など
- 教育費:学校教育費、習い事の月謝、塾代など
2-2.変動費
主な変動費には、以下のような支出があります。
- 食費:食材費・外食代など
- 日用品費:日用品代・消耗品代など
- 交際費:贈答品代・飲み会代など
- 被服費:衣服や装飾品の購入費など
- 娯楽費:カラオケ代・映画鑑賞費など
- 交通費:電車・バス・タクシー代など
- 医療費:診療代、薬代など
- 特別費:香典・祝儀、家電購入費など
2-3.まずは「生活費」「予備費」「貯蓄」3つで分けてみる
項目の細かい家計簿はつけられない人でも、大まかに「生活費」「予備費」「貯蓄」の3つの項目に分けてみると難易度が下がって継続しやすくなります。これらの比率を「生活費5:予備費3:貯蓄2」にすることを目標にしてみましょう。
- 生活費:生活に必須な食費・住居費・通信費・水道光熱費など
- 予備費:余剰資金の範囲で使う娯楽費・外食費・お小遣いなど
- 貯蓄:預貯金や投資など
生活費を上記の3つの項目に振り分け、「毎月やりくりできているかどうか」をみていいきます。先に決めた金額を貯蓄に回し、残った金額で生活費と予備費をやりくりするとうまくいきやすくなります。
赤字になるといった問題が発生した場合、原因となりそうな費目だけ記録してみるなどの方法で対策を立てるとよいでしょう。
なお今回は比率の目安として「5:3:2」として紹介していますが、収入や家庭の状況によっても変わるため、誰にも当てはまるものではありません。家計状況に応じ、「6:2:2」や「7:2:1」などちょうど良いバランスを設定してみましょう。
3.家計簿を長続きさせるコツ
家計簿をつけることはお金を貯めるための第一歩ですが、三日坊主で終わってしまうことも少なくありません。そこで、家計簿を長続きさせるための5つのコツを紹介します。
3-1.自分に合った家計簿を選ぶ
家計簿には手書きの家計簿、Excelの家計簿、家計簿アプリなどさまざまな種類があります。自分に合った家計簿を選ぶと、続けやすくなります。
- 手書きの家計簿:項目設定の自由度が高く細かい項目まで記録できる
- Excelの家計簿:パソコンで管理したい人向け
- 家計簿アプリ:クレジットカードや銀行口座と連携して手間をかけずに記録できる
3-2.家計簿をつけるタイミングを決める
家計簿は毎日記録するのが理想ですが、忙しい場合は無理せずに、自分のペースで定期的に記録するタイミングを決めておきましょう。
3-3.目標を設定する
貯蓄の目標を設定すると、家計簿をつけ続けるモチベーションを維持できます。目標は、以下のように具体的な金額を設定しましょう。
- マイホーム購入のために3年間で400万円貯める
- 子どもが18歳になるまでに教育費を500万円貯める
- 老後に向けて65歳までに2,000万円貯める
3-4.家計簿アプリを活用する
出来るだけ手間をかけずに細かい項目の家計簿をつけて家計を分析したい人は、家計簿アプリの活用を検討してみると良いでしょう。家計簿アプリは簡単に記録できる、口座と連携できるといった便利な機能があります。グラフ機能があったり、ポイントなど現金以外の保有状況も確認できるので便利です。
3-5.クレジットカードは使用した月に計上する
クレジットカードは支払いが翌月になるため、家計簿をつけるときに忘れがちです。また、家計簿に計上するタイミングを利用したときか引き落としのときか迷う人もいるでしょう。
どうすべきか迷うと家計簿が面倒になり、続けられなくなるおそれがあります。クレジットカードはお金を払っていなくても、利用したタイミングで計上すると決めておきましょう。
4.初心者が続けやすい家計簿ノート
家計簿をつけるときに自分に合うツールがあると、長続きしやすくなります。手書きの家計簿ノートは、以下のポイントで選んでみましょう。
- 項目の数や種類が自分に合っているか
- 管理したい期間は週単位か月単位か
- カスタマイズができるか
4-1.シンプル家計ノート(オレンジページ)
オレンジページの「シンプル家計ノート」は、シンプルで使いやすい家計簿として人気です。記入欄がシンプルで、費目は自由に決められます。料理やマネーなど暮らしに役立つコラムが充実しているので、楽しく家計簿つけが続けられます。毎年発行されていて、価格が低めなのも魅力です。
4-2.働くふたりのかんたん家計簿
働くふたりのかんたん家計簿は、共働き夫婦向けに作られた家計簿です。週に1回まとめて書けばよいので、忙しい共働き夫婦でも簡単に続けられます。また、夫婦それぞれの収入や支出を記入できるため、家計状況を共有しやすくなります。
4-3.シンプル家計簿B5(学研ステイフル)
学研ステイフル シンプル家計簿B5は表紙がムーミンやこぐまちゃんなどから選べる、かわいらしい家計簿ノートです。中身は1カ月分が見開き2ページですべて把握できるようになっています。費目は自由に設定でき、記入する項目は少なめです。手間を少なくして家計状況を把握したい人に適している家計簿です。
5.初心者が続けやすい家計簿アプリ
日常の支払いをキャッシュレスにしている人は、家計簿アプリの利用が便利です。家計簿アプリと電子マネーやクレジットカードを連携すると、家計簿の入力の手間をかけずに記録ができます。家計簿アプリを選ぶ主なポイントは、以下のとおりです。
- 自分の利用するキャッシュレス決済との連携はあるか(キャッシュレス決済利用者)
- レシート読み取り機能はあるか(現金決済利用者)
- 無料でどこまでの機能が利用できるか
5-1.Zaim
Zaimは現金派にもキャッシュレス派にも使いやすい、人気の家計簿アプリです。現金派にはレシートをカメラで撮影するだけで、品名や金額などを自動で読み取る機能が便利です。キャッシュレス派は銀行口座やクレジットカードと連携すれば、自動で収支を記録できます。
連携先は主なクレジットカード、電子マネー、銀行などはほとんど利用可能です。また、グラフで収入・支出をわかりやすく可視化できます。主要な機能をほとんど無料で利用できる点も魅力です。Money Forward MEに比べてわかりやすく、初心者に利用しやすいアプリといえます。
5-2.Money Forward ME
Money Forward MEは家計簿機能だけでなく、資産管理機能も充実した人気の家計簿アプリです。銀行口座やクレジットカード、証券口座などを連携し、資産全体をまとめて管理できます。
Zaimと同様にレシート読み取り機能がありますが、自動連携先が多く、どちらかというとキャッシュレスメインの人に向いたアプリといえます。
5-3.Moneytree
Moneytreeは、代表的な家計簿アプリの1つです。無料プランでも50のサービスと連携できますが、レシート読み取り機能は有料プランのみです。そのため、どちらかというとキャッシュレス決済中心の人に向いています。
Money Forward MEのような詳しい分析機能はありませんが、収支をグラフで表示するような基本的な機能は備わっています。あまり手間をかけずに家計管理をしたい人にはおすすめできるアプリです。
5-4.三井住友銀行Olive
三井住友からリリースされたOliveは、5つの個人向け金融サービスをOliveアカウントという1つのアカウントで管理運用が可能なサービスです。三井住友銀行の各種サービスを利用している方やこれから利用する方なら申込手続きを進められます。
三井住友銀行の銀行口座とSMBCダイレクト、SMBC ID、クレジットやデビット、Vポイント払いといったサービスをOliveアカウントで管理できるのが特徴です。カード側で何か複雑な手続きを施すわけではないため、手元にあるスマートフォンから簡単に決済方法を切り替えたり利用額を確認したりできます。
アカウントの開設手数料は無料で、三井住友銀行アプリから申込手続きを進められます。
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まとめ
家計簿をつける習慣がつくと貯蓄や節約へ意識が向くようになります。ただし、あまり手間のかかるつけ方では長続きしないおそれがあります。自分に合った負担の少ない方法を見つけましょう。
家計簿の目的は、家計をしっかり管理してお金を貯めることです。家計簿によって家計管理と資産形成の進捗を管理するようにしましょう。
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