予算500万円でマンションはどこまでリフォームできる？費用を抑えるコツも
マンションリフォームを検討している方の中には、大きな費用がかかりそうで不安に感じ、なかなかリフォームの決断が出来ていない方も少なくないのではないでしょうか。例えば、500万円の予算であればかなり広い範囲をリフォームできますが、実施するリフォームによっては予算以上のリフォーム費用が発生する恐れがあります。
そこで当コラムでは、予算500万円でリフォームできる項目やリフォーム費用をおさえるコツなどを紹介していきます。今後マンションリフォームを検討している方は、ぜひ参考としていただければ幸いです。
目次
- 予算500万円のマンションリフォームの事例
1-1．水回りリフォーム
1-2．簡易的な間取り変更
1-3．ホームシアターの導入
1-4．内装(壁紙・床)工事 - マンションリフォームで費用をおさえるコツ
2-1．新規導入設備のグレードを上げすぎない
2-2．国や自治体が設けている補助金を活用する
2-3．相見積もりを取る
2-4．DIYという方法も - まとめ
1．予算500万円のマンションリフォームの事例
1-1．水回りリフォーム
予算500万円以内で可能なリフォームの一例は、水回り全般です。水回りは住宅設備の中でも使用頻度が高く、設備のグレードを上げることでリフォーム後に利便性を実感しやすい箇所です。
水回りリフォームは、各箇所にどのようなリフォームを施すかによって費用感が大きく異なります。共通点として配管工事が伴い、距離が長くなるほど費用が高くなります。
また導入する製品代本体の費用やグレードも、リフォーム費用の総額に大きく影響を与えるポイントです。以下より、主な水回りリフォームの工事例を紹介します。
キッチン
キッチンリフォームは導入するキッチンの種類によって、費用感が異なる工事です。従来型の流し台やシンク、コンロなどが分かれたブロックキッチンであれば比較的安価に導入できます。
見た目もお洒落で現代風なシステムキッチンは、機能性が高く快適に台所を利用できます。既存のキッチンから交換のみの工事であれば50万円〜で、工期は2日程度が目安です。
一方で、カウンターキッチンやアイランドキッチンといった、移動が伴う特殊なキッチンリフォームは100万円〜が目安となります。IHへの変更など大規模なガスの配管・電気工事が必要な場合は、150万円〜が目安です。
キッチンの移設は配管工事が伴うため、マンションの管理規約によってはリフォームができない恐れがあります。費用をおさえたい場合は、配管工事が伴わないキッチンリフォームを検討すると良いでしょう。
お風呂
お風呂の種類は、大きく分けてユニットバス・在来工法の2種類です。在来工法からユニットバスへの変更工事は目安として80万円〜となります。
新規に在来工法でお風呂をリフォームする場合は、150万円以上が目安です。檜風呂・大理石といった素材を使用した高級感のある浴槽にする場合は、在来工法での施工が選択肢です。
既存の浴槽が在来工法でリフォーム費用を大きくおさえたい場合には、バスパネルやバスシートをタイルの上に貼り付けるパネル工法を検討してみると良いでしょう。
浴槽交換も本体価格が約10万円前後に加えて工事費用が伴うため、既存浴槽の状態が悪くなければ浴槽塗装といった工事も費用を抑える方法の1つです。
トイレ
トイレリフォームは、マンションは本体交換と内装工事が基本です。目安としては20万円〜程度で、新規に導入する便器本体のグレードによって費用感が異なります。
洋式トイレの種類は、大まかに分けて主に以下の通りです。
- 組み合わせ式トイレ
- 一体型トイレ
- タンクレストイレ
トイレのリフォームは現代風の見た目でデザインも良い、高機能でメンテナンスがしやすいタンクレストイレへの変更が人気です。またタンクレストイレといった高機能のトイレは電源が必要なので、既存トイレにコンセントがないケースでは増設が求められるケースがあります。
マンションでのトイレ増設・移設工事は構造上の問題・管理規約によりリフォームができないケースが大半です。便器交換・内装工事などが主なリフォーム内容となってくるでしょう。
洗面台リフォーム
洗面台交換は10〜25万円が目安です。内装工事も必要な場合は、追加で20万〜50万円ほど発生します。
洗面台の本体は、大きく分けて以下の3種類に分けられます。
- ユニット洗面台
- システム洗面台
- カウンター洗面台
マンションで導入されているケースの多い洗面台は、洗面ボウルや鏡などが一体化したユニット洗面台です。ユニット洗面台は比較的安価で機能性に優れており、お手入れも簡単といった特徴があります。
一方で、大きさが決まっているため、既存の洗面所スペースが狭い場合には導入できないケースもあります。マンションごとに定められている管理規約によっては、洗面所の移設・増設もできない可能性があるため注意しましょう。
1-2．簡易的な間取り変更
マンションの簡易的な間取り変更は、目安として1㎡あたり10万円～20万円が目安です。例えば、書斎スペースを作成したり、和室とリビングを繋げて部屋を拡張するといった工事があります。
注意点としては、マンションの構造によっては間取り変更のリフォーム工事ができない場合があります。マンション構造の種類は主に、ラーメン構造と壁式構造の2種類です。ラーメン構造であれば、間取りの変更は自由に行えます。一方で、壁式構造は広い部屋である強みがある反面、壁で支えているため撤去ができません。
間取り変更のマンションリフォームを検討している場合には、どのような構造が採用されているか確認を済ませた上で検討すると良いでしょう。
1-3．ホームシアターの導入
映画鑑賞が趣味の方であれば、ホームシアターの導入も500万以内でできるマンションリフォームの1つです。現代は手頃な月額費で洋画・ドラマ・アニメといった様々なジャンルの作品を楽しめるVODを活用することで、ホームシアターをフルに楽しめます。
ホームシアターの導入費用は80万円〜が目安で、夜間に重低音を聴かせて視聴したい場合には、高レベルな防音・遮音対策が必要です。近隣の方に迷惑をかけないためにも、壁の内側・天井・床下に遮音材・吸音材の設置が求められます。
設置箇所によっては防音窓や専用ドアの設置も必要ですが、防音室並みの設備は500万円の予算内に収まらない可能性があるため注意しましょう。またリフォーム後の防音効果が薄いなど期待していた機能が得られない失敗を防ぐためにも、経験豊富な防音工事業者への依頼を検討してみましょう。
1-4．内装(壁紙・床)工事
住宅の印象が大きく変わる壁紙や内装工事も500万円以内のリフォームで実施したい内容の1つでしょう。壁紙・クロス張り替え、クッションフロアの張り替えはそれぞれ10〜20万円程度が目安です。
場所ごとによってクロスを使い分けるのも、検討したい内装リフォーム方法の1つです。例えば、防カビ・抗菌効果のあるクロスを洗面所といった湿気が多い箇所に施し、リビングなど家具の出し入れが多い箇所は、厚みのある傷の目立ちにくいクロスを導入するといった方法があります。
壁紙選びを失敗すると落ち着かない印象の部屋に仕上がってしまうため、個性的なクロスを導入する際には施工担当業者と相談の上で導入する壁紙・床材を選択すると良いでしょう。
【関連記事】壁紙（クロス）を自分で張り替える手順は？壁紙の種類や選び方、注意点も
1．マンションリフォームで費用をおさえるコツ
2-1．新規導入設備のグレードを上げすぎない
マンションリフォームの総額は、導入する設備のグレードによって左右されます。例えば、機能性が高くグレードが高い設備を導入するほど、比例してマンションリフォーム総額費用が上がります。
リフォームに使用する建材も、良いものを使うほど総額費用も高額になります。安価で高機能な製品・建材も多く販売されているため、コストをおさえるためには必要最低限のグレードにとどめるのもマンションリフォーム費用を押さえるコツです。予算内でリフォームを実施するためには優先順位をつけて、予算の割り振りをすると良いでしょう。
2-2．国や自治体が設けている補助金を活用する
リフォーム内容によっては、国や自治体が設けている補助金や減税処置が利用できる場合があります。中でもバリアフリー化や省エネ設備の導入は、補助金が利用できる可能性が高いリフォーム項目です。
一例として、国が儲けている長期優良住宅化リフォーム推進事業などがあります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業で設けられている補助金を利用するためには、長期優良住宅として長く住み続けられるリフォームを施すことが条件の1つです。そのため、条件を満たしていないリフォームでは補助金は利用できません。
その他、自治体ごとに設けられている補助金は地域毎によって異なるため、マンションリフォームを実施する際には事前に確認してみましょう。
2-3．相見積もりを取る
リフォームは定価が存在しないため、依頼する業者によって値段が変わります。1社だけに依存すると、費用感が分からないのでリスクが高い工事になる可能性があります。
リフォームは不当な高額請求といった被害も多い工事です。国土交通省の発表では国民生活センターに寄せられたリフォーム関連の相談件数は約1,6万件前後で、相談があった案件の約半分は訪問販売によるリフォーム契約に関わるものとされています。
※参照：国土交通省「国民生活センターにおけるリフォーム関係相談の状況について」
相場がわからない際に検討したいのは、複数の業者から見積もりをとる相見積もりです。相見積もりを取ることで大まかな相場感を判断できるだけではなく、各業者の対応の違いを直接確認できます。
一方で、極端に相場から離れている施工業者は、手抜き工事といったトラブルが生じるリスクもあります。最安値という理由だけで依頼をするのではなく、提案内容やサービスなどを考慮した上で施工業者を選ぶと良いでしょう。
【関連記事】おすすめのリフォーム一括見積もりサイトは？3社の評判・実績を比較
2-4．DIYという方法も
マンションリフォームの予算を押さえたい場合には、DIYという方法も検討できます。リフォーム費用の大部分は人件費が占めていますが、自分で工事を行うDIYでは、材料費のみの出費におさえられます。クロスやクッションフロアの張り替えといったDIYは、初心者の方でも挑戦しやすいリフォーム項目です。
一方で、仕上がりがプロに任せた場合と比較すると劣る場合が多いことや、時間や手間がかかる点がデメリットです。また、配管や電気工事などの難易度の高い専門的な箇所については初心者の方では対応できないことも多くあります。時間と予算のどちらに余裕があるか、リフォームを行いたい箇所はどこなのかなど、自身の状況によってDIYを行うか検討してみると良いでしょう。
【関連記事】自分で物件をセルフリノベーションする方法は？DIYの専門家が手順や注意点、可能な範囲を解説
まとめ
マンションで500万円以内におさめて満足度の高いリフォームを実施するためには、工事前にリフォームの優先順位を決定し、補助金や相見積もりを活用するといった対策が求められます。リフォーム費用をおさえるには、DIYによる内装工事も候補として選択肢となります。
マンションリフォームを専門業者に依頼する際には、値段だけで決定するのではなくサービス内容や提案内容といった総合力を考慮した上で依頼先を選択するのが大切です。予算500万円で施工できるリフォーム項目と費用をおさえるためのポイントを把握した上で、後悔のないマンションリフォームを検討してみると良いでしょう。
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