欧州理事会、エコデザイン規制を最終承認。売れ残った服の廃棄禁止。26年から適用開始
欧州理事会は5月27日、環境に配慮した商品の設計を義務付けるエコデザイン規制を最終承認した(*1)。売れ残った服やシューズなどの大量廃棄を禁止し、エネルギー消費を削減するとともにエネルギー効率を高め、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指す。
同規制は、既存のエコデザイン指令に代わるもので、適用範囲をエネルギー製品だけでなく、自動車や防衛・安全保障関連といった一部の例外を除き、欧州連合(EU)域内に流通するあらゆる製品に拡大する。域内で生産・販売される製品の設計段階からサーキュラリティを組み込まなければならなくなる。
エコデザイン規制の下では、売れ残った繊維製品およびフットウェアを廃棄することは禁止される。アパレルメーカーには、再利用や寄付などの対応が求められる。
製品の耐久性、再利用可能性、修理しやすさ、循環型への転換を阻む物質の存在に関する規則、エネルギー効率と資源効率、リサイクル含有量、環境フットプリント、デジタル製品パスポートなどの新たな要件も導入する。
欧州委員会(EC)には委任法によってエコデザイン要件を定める権限が与えられる。産業界は、ECの委任法令採択後18か月以内に同要件に適合しなければならない。
同規制は、グリーン製品の公共調達を促すべく、政府調達にも適用される。中小企業は一時的に対象から除外される。
ECは将来的に他の製品についても同様の禁止措置を導入する権限を与えられている。ネットで販売される製品に関しては、デジタルサービス法(DSA)を順守することになる。
エコデザイン規制は欧州議会および欧州理事会それぞれの議長の署名後、EU官報に掲載され、掲載日から20日目に発効する。発効から24か月後に適用される。
【参照記事】*1 欧州理事会「Green transition: Council gives its final approval to the ecodesign regulation」
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