NFTプロジェクトと地域が連携する理由 京都の商店街『お通り男史NFT』クイズラリーを例に
地域創生の取り組みとして、地方自治体と国内のNFTプロジェクトが連携してイベントを開催するケースが全国的に見られるようになりました。代表例には、ふるさと納税の返礼品に、NFTプロジェクトのデジタルアートNFTが採用されるものがあります。
4月19日、TVアニメ『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』ジェネラティブNFTを発行した株式会社ツクリエが「お通り男史NFT」プロジェクトを始動しました。本プロジェクトは、京都の商店街とのコラボ企画「京都三条会商店街×お通り男史 クイズラリー」を展開します。
ここでは本プロジェクトの特徴から、NFTプロジェクトが自治体とコラボする理由や、イベントの一例などをご紹介します。
目次
- 「京都三条会商店街×お通り男史 クイズラリー」とは
1-1.イベント概要
1-2.お通り男史とは
1-3.株式会社ツクリエとは - 国内NFTプロジェクトと自治体が連携する理由
2-1.自治体様向けNFTパッケージ「ふるさとCNP」
2-2.「Live Like A Cat」が今治ブランド戦略会議とデジタル人口創出へ
2-3.農業支援組織Metagri研究所の「ナカジマみかんNFT」シリーズ - まとめ
①「京都三条会商店街×お通り男史 クイズラリー」とは
株式会社ツクリエは、『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』NFTに続き、「お通り男史NFT」プロジェクトを始動しました。本プロジェクトの一環として、京都の商店街とのコラボレーション企画「京都三条会商店街×お通り男史 クイズラリー」 を、5月1日(水)から5月31日(金)までの1ヵ月間実施します。参加者特典として、イベント限定デザインの「お通り男史NFT」、特製ステッカーがプレゼントされます。
スタンプラリーは、まちを巡り地域の魅力を知り、思い出を作る機会となります。実物のスタンプを押す通常のスタンプラリーは、スタンプを集めた台紙が劣化してしまう、デジタルのスタンプラリーは、運営サイトがなくなるとスタンプを見ることができなくなり、折角のスタンプラリーの思い出がカタチとして残しづらいという欠点があります。
そこで「フルオンチェーンデータ」という、元データの改ざんや消去ができない技術を採用した「NFT」を用いることで、”思い出をカタチとして半永久的に残し続けて欲しい。”という思いから、「お通り男史NFT」が誕生しました。
「お通り男史NFT」プロジェクトは、舞台でもある京都において、NFTを通してこれまでの1200年の歴史を残し続けていく。そして、これから新たな1200年の歴史を歩んでいく。という意味が込められています。
今回「お通り男史NFT」プロジェクトの一環として、5月1日(水)から1ヵ月間、京都三条会商店街とコラボレーションしたクイズラリーを実施します。京都・三条通にある京都三条会商店街にまつわるクイズに答えて、商店街の魅力をさらに知ってもらうとともに、京都での思い出づくりの機会の提供を目的としています。
本イベントでは、「お通り男史」と京都三条会商店街のコラボデザインのNFTを発行し、イベント参加者へのプレゼント、購入サイトでの販売を展開します。
1-1.イベント概要
京都の三条通を神様としてキャラクター化した『お通り男史』の「三条」と、三条通にある「京都三条会商店街」とのコラボレーション企画です。
- 開催期間:2024年5月1日(水)~ 5月31日(金)
- 場所:京都三条会商店街
- 実施主体:株式会社ツクリエ
- 共催:京都三条会商店街振興組合
【クイズラリー参加方法】
- 京都三条会商店街内でクイズラリー参加用紙を入手
- 商店街を巡りながら、ラリーポイントのクイズに回答
- 特典引換場所にて用紙を提出。全問正解者には参加者特典をプレゼント
【クイズラリー用紙配布場所】
- 京都三条会商店街 コミュニテイホール前
- 京都三条会商店街 ギャラリー幹
【参加者特典】
全問正解した方には特典として、商店街で使用できる金券(100円分)、そして今回のイベント限定コラボレーションイラストを使用し作成した、「お通り男史NFT」(希望者のみ)と特製ステッカーをプレゼントします。
※参加者特典は数に限りがあります。
※クイズラリーへのご参加は、期間中おひとり様1回限りとします。
【特典引換場所】
- 〈平日〉京都三条会商店街 組合事務所 9:00~12:00 13:00~17:00
- 〈休日〉京都三条会商店街 ギャラリー幹 11:00~19:00
京都三条会商店街コラボ 「NFT」
1-2.お通り男史とは
『お通り男史』とは、京都を舞台としたオリジナルキャラクターコンテンツです。
京都において道は「通り(とおり)」と呼ばれ親しまれており、通りを基点に場所を説明する文化が根づいています。本作は、この文化に着目し、通りの安寧を祈る通りの神様を「通神(とおりがみ)」としてキャラクター化し、彼らの活躍を描く小説やドラマCDなどを展開しています。京都市内を中心にぞくぞくと新たな通神たちが登場しています。
また、本作と京都の伝統工芸とのコラボレーションや、地域の施設や企業とのタイアップなども積極的に行うなど幅広く展開をしています。
公式HP:https://otori-danshi.com/
1-3.株式会社ツクリエとは
ツクリエは事業を作る皆さまを応援するプロフェッショナルとしての起業支援サービス事業と、価値を創造するクリエイターの皆さまを支援するクリエイティブ創造事業を中心に事業展開をしています。起業を目指す方、起業家の方を支援するイベント企画や相談事業、アクセラレーションプログラムの開発から、起業家の方との協同事業、商品開発、プロデュースなど行っている事業は多岐に渡ります。
またツクリエの実績として、『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』NFTを販売しています。『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』とは、国内のNFTプロジェクト「CryptoNinja NFT」が原作となっているテレビアニメです。同ジェネラティブNFTは事前申し込みで総額が2億円を突破したと発表されています。
②国内NFTプロジェクトと自治体が連携する理由
2021年以降からNFTが注目され始め、特に昨今では、ふるさと納税返礼品にNFTが採用されることも一般的になっており、採用されるNFTには国内のNFTプロジェクトと連携して制作される時もあります。るさと納税の返礼品に採用されることで、地域の特色を表現したアート作品が生まれ、寄付者はその地域の雰囲気を感じることができるという特長があります。
中には、滋賀県の道の駅がNFTサービスを提供しているとこがあります。これは、地域の魅力向上と、社会課題の解決に向けた革新的な試みとなっています。NFTを通じてオンラインとオンサイトのコミュニケーションの融合を図り、道の駅こうらの魅力の拡充や地域の課題解決を目指します。オンサイトではオープンチャットの他に、道の駅のイベント情報やお得な情報が提供され、この体験をより多くの人に提供し、同道の駅が地域創生の中心として発展するために、オンラインとオンサイトの境界を超えた新たな地域づくりに期待されています。
以下では、国内のNFTプロジェクトと自治体と連携した地域創生の取り組みについてご紹介します。
2-1.自治体様向けNFTパッケージ「ふるさとCNP」
「ふるさとCNP」は、あるやうむ社と「株式会社バケット」が協力して制作したプロジェクトで、自治体がふるさと納税の返礼品として、大人気コレクション「CryptoNinja Partners」のキャラクターをモチーフにしたNFTを簡単に発行できます。このコレクションは、国内最大規模で、リリースからわずか2時間足らずで完売したことで知られています。
自治体が「ふるさとCNP」に参加することで、「ふるさと納税×NFT」の提供が容易になります。具体的には、オリジナルデザインの作成から寄付の受け付け、返礼品NFTの発行および送付までが一貫して管理されます。これにより、NFTに興味を持つ多様な層に対して地域の魅力を訴求でき、地域社会の拡大にも寄与します。
ふるさとCNPの第一弾は、北海道・余市町で、「余市町ふるさとCNP2022」として提供されました。寄付金額3万円で全222種類のNFTが提供され、発売開始から数分後には受付終了となるなど、この新しいモデルの可能性を示しました。
2-2.「Live Like A Cat」が今治ブランド戦略会議とデジタル人口創出へ
“猫のように生きる”がコンセプトのNFTプロジェクト『Live Like A Cat(以下、LLAC)』は、運営会社である株式会社むらかみかいぞくの拠点である今治市が、事務局を運営する今治ブランド戦略会議と協業し、NFTを通じて地方との接点を持ち、デジタル関係人口創出を目指すプロジェクトを始動しました。
NFTにはLLACのリードデザイナー・猫森うむ子氏が描き下ろし、名所や特産品をデザインに織り込んだNFTを所有することで、今治市への興味を喚起し、関連アプリを通じて情報をNFT所有者に届けます。第1弾は越谷レイクタウンで開催される愛媛県フェアにて、2月23日(金)から25日(日)までデジタル来場記念NFTが無料配布されました。
第2弾は3月にLINENFTにてフリーミント(無料配布)を実施しました。オンラインにすることで、全国各地のLLACファンに今治市のモチーフを取り入れたNFTを所有してもらい、今治市との接点創出を目指しますとしています。
LLACとは、「猫のように生きる」をコンセプトにしている国産のジェネラティブNFTプロジェクトです。「猫のように生きる」とは、それぞれが自分の心地よい生き方を探し、自分らしく生きること、自分に合った生き方のアップデートを目指していこう、という想いが込められています。
LLACで表現されている猫は、「欲求を自分で満たし、自立した状態で他者に貢献できる猫」として、私たちに新しい気づきを与えられるよう設計されています。22種類のポーズはそれぞれ意味があり、猫のように生きるヒントが込められています。
LLACは、22種類のポーズの猫を全22,222体のジェネラティブNFTです。2022年12月28日に0.0005ETHでプレセールされ、2024年4月現在は22,222体全て保有されているため、OpenSeaでは出品されていません。
2-3.農業支援組織Metagri研究所の「ナカジマみかんNFT」シリーズ
農業ブランディングサービスを展開する「株式会社農情人」が運営する農業支援組織「Metagri研究所」は、愛媛県松山市中島における「ナカジマみかんNFTシリーズ」最終章として、立春の日、2023年2月4日(土)に「ナカジマはるみNFT」を販売しました。
中島は愛媛県松山市の北西沖合、瀬戸内海に浮かぶ怱那諸島(くつなしょとう)は柑橘の栽培が盛んです。オンライン上の新たな交流手段として注目を浴びるメタバース(仮想空間)で、中島の名産である柑橘や六次産業化(アロマオイルなど)による商品をオンラインで販売したり、オンラインのコミュニティを現地におけるオフラインの体験につなげています。
メタ中島コミュニティによるプロジェクトの一つとして、Metagri研究所は中島で生産された柑橘とNFTを掛け合わせた「ナカジマみかんNFTシリーズ」を発行しています。NFTをきっかけとした”つながり”により、DAO(自律分散型組織)のコミュニティ運営支援も手掛けることで関係⼈⼝創出を目指しますとしています。
2月4日(土)21時から12点限定で 価格は0.05ETHです。現在は、NFTマーケットプレイス「OpenSea」にて販売開始されています。NFTユーティリティは、コミュニティ内の限定ページへのアクセス特典のほか、メタバース空間でのイベントや、中島におけるいよかんサウナイベントへのご案内、中島特産の柑橘や関連商品の割引購入など、様々なユーティリティが付けられています。
③まとめ
国内のNFTプロジェクトは多種多様であり、地方自治体がWeb3を活用する動きが進んでいます。『お通り男史NFT』のようにスタンプラリーとして活用できたり、NFT保有者のみのコミュニティを活用し、地域を盛り上げたり、お土産の記念として保有できたりと、NFTは投機的な側面だけでなく、何かをするための「媒介」としての活用方法が注目されています。
またブロックチェーンを活用していることでグローバルに応援を受けることができ、支援の追跡や関係性の可視化、デジタル資産としての証明など、従来の支援ではできなかったユーティリティーの提供が可能になりました。
NFTプロジェクトの活用法やWeb3に興味がある方は、まずは地元地域と関わっているNFTから始めてみるのも良いでしょう。
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