サステナビリティプラットフォームCO2 AI、新たにAI搭載の製品炭素排出量算出ツールをリリース

サステナビリティプラットフォームCO2 AIは、製品の炭素排出量の算出および環境負荷の低減を図ることを目的とした、人工知能(AI)搭載の新ツール「Product Footprinting」をリリースした(*1)。

CO2 AIはフランス・パリを拠点とし、大規模で複雑な組織が環境への影響を測定し、AIを活用して影響を削減するための手段を特定するのを支援する、エンドツーエンドのサステナビリティプラットフォームを提供している。

製品レベルの排出量を正確に測定することは、ネットゼロを目指す企業にとって重要であるが、現在の手作業によるライフサイクルアセスメント(LCA、#1)は時間を要し、一貫性がなく、コストもかかる。

その結果、同社とボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が公表した調査によると、サプライヤーから製品レベルの適切なデータを受け取っている企業は38%に過ぎない。

CO2 AIがリリースしたProduct Footprintingは、完全なトレーサビリティと監査可能性(オーディタビリティ)を備え、業界標準に従った数千の製品の排出量を算出する初のスケーラブルなソリューションである。

同ソリューションは、ローデータ(加工されていない初期段階のデータ)を改良し、原材料、包装、輸送、エネルギー消費など、製品開発サイクル全体の排出量を割り当てる計算エンジンを持つ。

生成AIを利用することで、最も関連性の高い排出係数を数分で製品データにマッチングし、これまで数か月を要していたプロセスを大幅に短縮する。11万を超える排出係数のライブラリを通じて高い精度で排出量を測定することができる。

CO2 AIの計算方法は、PACT、TfS、PEF、ISO 14067 / 14044のような業界標準に準拠しており、顧客と排出量を共有する際の正確性と信頼性を保証する。同社のシングルテナントのアーキテクチャは、SOC IIとISO 27001の認証を受けており、機密性の高い製品データと関連するIP(知的財産)を保護する上で重要な役割を担っている。

これらの機能は、香料、調味料、化粧品有効成分、原料、機能性成分の世界的サプライヤーであるシムライズのような大企業にとって極めて重要である。同社は、150か国の6,000の顧客向けに35,000以上の製品を製造している。

シムライズが2030年までにスコープ1と2の排出量をネットゼロにし、スコープ3の排出量を30%削減するために、CO2 AIは会社および製品レベルでの排出量算出において同社をサポートしている。

企業のカーボンフットプリントの75%を占めるスコープ3排出に対応するには、連携することが不可欠だ。ユーザーは、CO2 AIから製品のフットプリントを簡単にエクスポートして顧客と共有することができ、増え続ける要求に効率的に対応することができる。

原材料から素材、プロセスまで、あらゆるレベルでの排出のホットスポットを可視化する機能、製品の脱炭素化を支援するための変更をシミュレートする機能なども搭載されている。

Product Footprintingを活用することで、消費財を中心とした大規模で複雑な組織は、増加する顧客の要望に効率的に対応し、最もインパクトのあるエコデザインを選択し、より環境に優しい製品を作ることができるようになる。

同ツールから得られる洞察により、サプライヤーとの信頼関係を強化するとともに、確実に規制を遵守し、ブランドイメージと価格プレミアムを設定する能力を通じて長期的なビジネス価値を構築できる。

CO2 AIのパートナーであり、サステナビリティを専門とするコンサルティング会社のクアンティスやBCGと提携し、排出量の削減に向けて専門家の洞察を得ることも可能だ。

(#1)ライフサイクルアセスメント…工業製品や農業製品(またはサービス)が作られ、その役目を終えるまでに辿る一連の流れ(ライフサイクル)を、評価や査定(アセスメント)すること。

【参照記事】*1 CO2 AI「CO2 AI unveils the first solution to compute product footprints at scale

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