仏エネルギー大手トタル、森林による炭素削減プロジェクトに147億円拠出。AnewおよびAurora Sustainable Landsと協働
仏エネルギー大手のトタルは8月30日、森林による炭素削減プロジェクトに1億ドル(約147億円)を投じる契約を締結した(*1)。気候ソリューションプロバイダーのAnew Climateおよび米国の森林土地所有者であるAurora Sustainable Landsと協働する。
3社は木材の大量伐採から生産性の高い森林を守り、持続可能な管理方法への転換を進め、大気中の炭素を貯蔵する能力を高めることを目的としたプロジェクトを展開する。全米10州の30万ヘクタールに及ぶ20件の炭素削減プロジェクトにおいて、改善された森林管理(IFM)の実践を支援する。Anew ClimateとAurora Sustainable Landsは、同プロジェクトが追加性と堅牢性の最高基準を満たしていることを確認するため、運営監督を行う。
IFMによって期待される環境面のベネフィットとしては、木材伐採の削減による森林吸収源の保全、水質・土壌の改善、生物多様性の保護、自然生息地の保全などが挙げられる。トタルが生成された炭素クレジットを保有し、2030年以降に償却する。排出の回避と削減に優先順位をつけた後、これらのクレジットを活用し、スコープ1と2の残余排出量の一部をボランタリーオフセット(自主的に相殺)する。
トタルは、米国政府が24年5月28日に発表したボランタリークレジットのガイドライン「Voluntary Carbon Markets Joint Policy Statement and Principles guide」を支持する。自然を基盤とした解決策(NbS)における取り組みは、これらの原則、特に完全性、透明性、環境保護に焦点を当てた原則に沿ったものである。
Anewのアンジェラ・シュワルツ最高経営責任者(CEO)は「厳しいデューデリジェンスの過程で、トタルのNbSチームと緊密に協力している。排出の回避と削減を第一義としながらも、包括的な気候変動対策戦略の一環として意義ある炭素削減プロジェクトに投資することのコベネフィット(#1)も認識しており、弊社のミッションと完全に合致する」と述べた(*1)。
Aurora Sustainable Landsのジェイミー・ヒューストンCEOは「トタルの投資のおかげで、森林の健全性、土壌の質、流域、野生生物の生息地の間の微妙なバランスを維持することができる。私たちはともに、大規模で持続的な気候変動へのインパクトをもたらしている」と強調した(*1)。
(#1)コベネフィット…相乗便益を表し、温室効果ガス(GHG)排出量の削減など温暖化対策と同時に得られる、エネルギー効率の改善や大気汚染の改善など、異なる分野での好ましい効果。
【参照記事】*1 Anew Climate「TotalEnergies Invests in Sustainable Forestry Operations to Preserve Sustainable Carbon Sinks」
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