ゼネラル・ギャラクティック、シード期に12億円調達。CO2利用した化石燃料フリー天然ガス生成技術を開発へ
ゼネラル・ギャラクティック(General Galactic)は11月12日、シード期(資金調達ラウンド)に800万ドル(約12億円)を調達したと発表した(*1)。調達した資金を元手に、二酸化炭素(CO2)を利用した化石燃料フリーの天然ガス精製技術の開発を推進する。
今回の投資ラウンドは、Harpoon VenturesとRefactor Capitalが共同で主導した。ゼネラル・ギャラクティックが投資パートナーを選定する際には、ディープテック分野での実務経験と実績を持つファンドを検討した。HarpoonとRefactorは、宇宙および気候関連企業であるAstranisとSolugenに投資していたことから、魅力的な投資パートナーとして選ばれた。
Pathbreaker、BoxGroup、Seraphim、Plug and Play、Impact First、Climate Capitalも参加した。ゼネラル・ギャラクティックはシード期の資金調達を完了し、調達総額は1,000万ドルに達した。
ゼネラル・ギャラクティックは、産業界で排出されたCO2を化石燃料フリーの天然ガスに変換する独自技術Genesisの開発と展開を加速させる。世界中で化石燃料を使用しない商用天然ガス発電所の建設という目標を達成するために、エンジニアリングチームの拡大も計画している。
ゼネラル・ギャラクティックのハレン・マティソン最高経営責任者(CEO)兼共同創業者は「未来のエネルギー企業となるために当社を設立した。私たちのビジョンは、最終的には火星にガソリンスタンドを建設することであり、その過程において地球上で化石燃料を使用しないクリーンなエネルギーを生産することだ」と述べた(*1)。
ゼネラル・ギャラクティックは2023年、元スペースX社およびバルダ・スペース・インダストリーズのエンジニアであるマティソン氏とルーク・ナイズ氏が設立した。
CO2を回収し、100%再生可能な炭化水素燃料(合成燃料)に転換するモジュール式ハードウェアプラットフォームを開発しており、既存のエネルギーインフラと互換性を持たせている。同燃料用スタックの開発も進めており、1日あたり2,000リットルのメタンを生産する実証済みのパイロットシステムを構築している。
Genesisは既存のエネルギーインフラを活用しながら化石燃料への依存をなくす、サステナブルな燃料技術である。船舶、農業、重工業といった分野を対象とする。これらの分野ではCO2の削減と長期的な資本投資が求められ、低排出かつエネルギー密度の高い燃料への安定したアクセスが必要とされている。
ゼネラル・ギャラクティックの最高技術責任者(CTO)を務めるナイズ氏は「当社の技術は、今日のインフラと互換性のある100%クリーンな燃料を生産する。これを破壊を伴わない脱炭素化と呼んでいる。つまり、環境に配慮した移行をより早く、重要な産業への影響を最小限に抑えて実現することができる」と語った(*1)。
2025年にもGenesisモジュールの展開を始め、燃料の引き取り予約も即座に利用できるようにする計画だ。
【参照記事】*1 Business Wire「General Galactic Raises $8M to Advance Fossil-Free Fuel Revolution」
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