シュローダー、独自ツール進化でサステナブル投資を深化。AI活用や肥満コストも分析対象に
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下、シュローダー)は、6月に発行した「サステナブル・インベストメント・レポート 2025年第1四半期」において、サステナブル投資における独自分析ツールの進展を発表した。企業や国の外部性を定量化する「SustainEx」、自然関連リスク・機会を分析する「NatCapEx
」、AIを活用したサステナビリティ分析ツール「ContextAI
」の機能強化を通じて、投資判断の高度化を目指す。
シュローダーは、ESG(環境・社会・ガバナンス)要素を投資プロセスに組み込む際、画一的なアプローチではなく、リサーチに基づく定量的なツール開発を重視してきた。今回のレポートでは、その中核ツール群の進化が報告された。
主力ツールの一つである「SustainEx」は、企業や国が社会や環境に与えるプラスとマイナスの影響、いわゆる「外部性」を推定値として提供する。これにより、発行体のサステナビリティ・リスク特性やステークホルダー全体への影響について、複雑で客観的かつ包括的な見解を得ることが可能になる。近年、気候変動や社会的不平等といった課題への対応として、これまで外部化されていたコストを企業活動に内部化する動きが強まっており、このツールの重要性は増している。
今回のレポートでは、SustainExの新たな指標として「肥満の社会的コスト」が追加された点が注目される。肥満は世界的にGDPの約2.19%に相当する経済的負担を生んでおり(※1)、食品産業の役割評価が急務となっている。新指標は、肥満の社会的コストを食品関連企業に帰属させ、投資家が関連リスクを理解し、情報に基づいた意思決定を行うことを支援する。
また、自然資本に特化した分析ツール「NatCapEx」は、SustainEx
を基盤とし、企業活動が自然に与える正負の外部性をドル換算で定量化する。世界のGDPの半分以上が自然に依存する中、自然損失は重大な事業リスクとなる一方、自然に配慮した取り組みは大きなビジネス機会を生む。NatCapEx
は、ビジネスモデルの寄与、地理的寄与、経営上の調整、自然損失の回避という4つの柱で企業を評価し、自然関連リスクと機会にさらされている企業について将来を見据えた見解を提供する。
さらに、AI技術の進展を取り入れた「ContextAI」は、大規模言語モデル(LLM)を活用し、企業のサステナビリティ報告書や第三者のインサイトなど広範な文書を分析するツールだ。シュローダー独自のCONTEXTフレームワーク(8つのステークホルダー視点)に基づき、特定のサステナビリティエンゲージメント活動や議決権行使の状況も報告された。シュローダーは、これらの独自ツールと積極的なエンゲージメントを通じて、よりサステナブルで情報に基づいた投資判断を追求し、顧客が財務目標をィに関する質問への回答を効率的に抽出し、体系的な定性分析を強化する。これにより、アナリストはより迅速かつ一貫性のあるインサイトを得て、投資戦略の強化につなげることが期待される。
レポートでは、これらのツールの進展に加え、2025年第1四半期におけ達成するための支援を継続していく方針だ。
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シュローダー、独自ツール進化でサステナブル投資を深化。AI活用や肥満コストも分析対象に