欧州化学業界のサーキュラーエコノミー移行調査、規制支援やインフラ投資など5つの緊急行動を提示

欧州化学工業連盟(Cefic)は6月17日、経営コンサルタント会社のUNITYと共同で実施した化学業界のサーキュラーエコノミー移行に関する調査結果を発表した。業界専門家へのインタビューとケーススタディに基づく調査では、高コストやインフラ不足、複雑な規制、循環型製品への需要不足が移行の障壁となっていることが明らかになり、これらの構造的課題に対処するため5つの緊急行動計画を提示した。

調査「サーキュラー・トランスフォーメーションの加速:化学業界とその先の洞察、課題、道筋」では、欧州の化学業界におけるサーキュラーエコノミーへの移行状況と加速化の方策を分析した。Cefic事務局長のマルコ・メンシンク氏は「産業界がステップアップしている一方で、循環型社会の拡大には、政策、ビジネス、社会のエコシステム全体にわたる断固とした行動が必要」と強調している。

調査で示された5つの行動計画は、①的を絞ったインセンティブを伴う支援的な規制枠組みの推進、②循環型インフラとテクノロジーへの投資促進、③経済社会全体への循環型思考の浸透、④新しい形のマルチステークホルダーコラボレーションによるイノベーション促進、⑤実施上のギャップを埋めるための進捗監視─となっている。

Ceficメンバー企業への調査では、90%がサーキュラーエコノミーへの移行が事業活動に大きな影響を与えると回答し、82%がサーキュラーエコノミーを企業戦略に組み込んでいることを確認した。一方で、移行を進めていると回答したのは52%にとどまり、72%が主要な推進要因として顧客からの循環型モデルへの要望を挙げている。これらの結果は、企業の意識は高いものの、実際の移行には課題が残ることを示している。

この調査結果は、同日開催されたCefic-UNITYのEU Green Weekパートナーイベント「競争力と循環性:欧州の化学産業にとってWin-Winか?」で発表された。産業界、政策、市民社会から150名を超える参加者が集まり、化学産業の循環型移行を加速するための課題と革新的解決策を探った。欧州ではサーキュラーエコノミーパッケージや持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)など、サーキュラーエコノミーを推進する政策が相次いで導入されており、化学業界にとって規制対応と競争力強化の両立が重要課題となっている。

【参照記事】Chemical industry’s circularity study reveals 5 urgent actions to scale the transition

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