森ビル、TNFD準拠の情報開示を採用し自然ポジティブな取り組みを強化
森ビル株式会社は6月30日、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへの参加を発表し、都市開発における生物多様性などの自然ポジティブな成果に関する重要情報の開示を開始した。同社の都市開発プロジェクトが都市の生物多様性に与える影響について詳細な調査を実施し、東京都心部に約180種の昆虫が生息できるエコロジカルネットワークを形成していることが判明したという。
調査では、アークヒルズ、六本木ヒルズ、麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど同社の主要開発における植生・水辺空間が、多様な生物種の生息地として機能していることが確認された。これらの空間は皇居や芝公園など他の大規模緑地と相互作用し、東京中心部にエコロジカルネットワークを形成。このネットワークは、東京都が絶滅危惧種に指定するアカシジミ(Japonica lutea)を含む約180種の昆虫の移動を促進し、昆虫と植物の多様な関係性を支えることで、都市の生物多様性の保護と育成に貢献している。
土壌分析では、各ヒルズ開発地の土壌が豊かな土壌微生物の多様性を有していることが明らかになった。これは開発時のエコマインドな計画と、その後の管理・運営による自然な成熟の結果である。これらの土壌は、健全な里山土壌に見られるような栄養循環特性を示しており、一部の地域では例外的に高いレベルの炭素貯留が確認された。これは都市生態系内での炭素の捕獲と貯蔵により、気候変動の緩和に役立つ可能性を示唆している。
森ビルは「都市を創り、都市を育む」という理念のもと、都市と自然の調和、都市の脱炭素化、都市資源の循環利用の促進など、より自然ポジティブな未来の創造に向けた取り組みを推進していくとしている。同社は2008年、生物多様性条約第9回締約国会議(COP9)でビジネスと生物多様性イニシアティブのリーダーシップ宣言に署名した日本の主要企業9社の1つであり、都市部における生物多様性保護への取り組みを早期から進めてきた。今後も東京中心部で自然ポジティブな都市環境の創造に取り組んでいく方針だ。
【参照記事】Mori Building Adopts TNFD-aligned Disclosures to Strengthen Its Nature-positive Initiatives
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