シュローダー、投資先企業との対話方針「エンゲージメント・ブループリント」改訂。気候変動や人権など6つのESGテーマを公表

資産運用大手のシュローダーは7月、投資先企業との対話(エンゲージメント)における方針と展望を示した「エンゲージメント・ブループリント 上場資産版」の改訂版を公表した。社会や環境問題が投資リターンに与える影響が増大する中、投資家が投資先企業の持続的な成長を促すために、対話や議決権行使などを通じて積極的に働きかける「アクティブ・オーナーシップ」の重要性を強調。気候変動や人権など6つのESGテーマをエンゲージメントの核に据え、具体的な行動計画を明確にした。

今回のブループリントは、2022年に発表された初版を基に、特に上場資産に焦点を当てて更新されたものだ。シュローダーは、アクティブ・オーナーシップの中核となるテーマとして、気候変動、自然資本と生物多様性、人権、人的資本管理、ダイバーシティ&インクルージョン、コーポレート・ガバナンスの6つを特定した。

これらのテーマは、従業員、顧客、地域社会、環境、規制当局など、多様なステークホルダーの期待を反映したものだ。シュローダーは、企業がこれらの課題に適切に対処しない場合、長期的な財務パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があると指摘。ブループリントでは、各テーマにおいて企業に期待する「望ましい長期的成果」と、それを達成するための「短/中期的アクションの例」を具体的に示している。

例えば「気候変動」のテーマでは、企業に対してパリ協定の目標に沿った脱炭素化へのコミットメントや、短期・中期・長期の排出量削減目標の設定を要求。「自然資本と生物多様性」では、世界経済フォーラムが「世界のGDPの半分以上は自然と自然が提供するサービスに依存している」と指摘していることを背景に、企業が自然関連のリスク、影響、依存関係を特定し管理することを求めている。

また、エンゲージメントのアプローチとして、SMART(具体的、測定可能、達成可能、現実的、期限付き)な目標設定や、マテリアリティ(重要性)の評価を重視する。そのために、企業とステークホルダーとの関係性を分析する「CONTEXTTM」や、企業の社会・環境への影響を金銭価値に換算する「SustainExTM」といった独自ツールを活用し、データに基づいた客観的な対話を目指す。

エンゲージメントは、上場株式だけでなく、プライベートアセット(非上場資産)やソブリン債(国債)など、幅広いアセットクラスで実施する。特にソブリン債については、政府関係者との建設的な対話を通じて、サステナビリティに関する政策や支出が投資家に与える影響についてのインサイトを提供していく方針だ。

シュローダーのアクティブ・オーナーシップ・ヘッドであるキンバリー・ルイス氏は、本ブループリントについて次のように述べている。

「我々は投資家としての影響力を活かし、投資先の価値を守り、高めるために変化を促すことを目指している。これは、顧客の資金を預かる運用者としての重要な役割であり、顧客の長期的な財務目標の達成を支援するものだ」

【参照レポート】エンゲージメント・ブループリント 上場資産版
【参照情報】New Nature Economy Report (2020)

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