オーストラリア、低炭素液体燃料生産に11億豪ドル投資 2029年にも国内生産開始へ
オーストラリア政府は9月17日、低炭素液体燃料の国内生産を促進するため、10年間で11億豪ドルを投資する「クリーナー燃料プログラム」を発表した。再生可能ディーゼルや持続可能な航空燃料(SAF)などの生産を支援し、2029年までに既存燃料と直接代替可能な「ドロップイン燃料」の初生産を目指す。豪州クリーンエネルギー金融公社(CEFC)の試算では、低炭素液体燃料産業は2050年までに360億豪ドル規模に成長する可能性があるという。
同プログラムは、トラック、貨物船、航空機などの輸送部門で使用される化石燃料を、より持続可能な代替燃料に置き換えることを目的としている。オーストラリアは現在、キャノーラや牛脂などの原料を年間約40億豪ドル輸出しているが、これらを国内で精製・付加価値化することで、新たな産業創出と雇用拡大を図る。液体燃料はオーストラリアの国家エネルギー使用量の約半分を占めており、脱炭素化による経済効果は極めて大きいとされる。
オーストラリアは、キャノーラ、ソルガム、砂糖、廃棄物などの原料へのアクセスに加え、先進的な農業技術と安価で信頼性の高い再生可能エネルギーを有している点で優位性がある。現在、全国で20億リットル相当のプロジェクトが進行中で、その多くが生産規模拡大の準備段階にある。政府は既に「Future Made in Australia Innovation Fund」を通じて低炭素液体燃料の研究開発に2億5,000万豪ドルを配分しており、今回の投資はそれに追加される形となる。
CEFCの報告書によると、成熟した低炭素液体燃料産業は2050年までに累計2億3,000万トンのCO2削減を実現できる見込みで、これは現在のオーストラリアの年間輸送部門排出量の2.3倍、または8,600万台の自動車の年間排出量に相当する。政府は、原産地保証スキームを低炭素液体燃料に拡大し、再生可能ディーゼルの燃料品質基準を設定するなど、市場環境の整備も進めている。今後、公開協議と設計作業を経て、競争入札プロセスを通じて補助金が交付される予定だ。
【参照記事】Fuelling the future: $1.1 billion to power cleaner Aussie fuel production
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