【特集コラム】ETH2.0で年利を得る方法・サービスを比較
今回は、ETH2.0で年利を得る方法やそのサービスについて、Da- 氏(@otukarehitoiki1)に解説していただきました。
目次
今回はイーサリアムが今後予定しているETH2.0について、その参加方法とROIについて説明します。
イーサリアムはDeFi(分散型金融)を中心に2020年は大きな成長を遂げました。DeFiは中央集権ではなく分散的な金融機関を作る事で、誰にでも金融アクセスを提供するのが目的です。ただ本来の目的とは異なるバブルが起き、DeFiの仕組みに使われているイーサリアムの通信が渋滞しました(これはスケーラビリティ問題と言われています)。
このスケーラビリティ問題を解決するのがETH2.0です。このETH2.0では、ブロックチェーンのブロックを生成するマイニングの方法で、難しい計算を解いた人が報酬を受け取るPoW(Proof of Work)から、トークンを預けている人が報酬を受け取るPoS(Proof of Stake)方法に代わります。PoWは高価な機械が必要なために一般人には参加するのが非常に難しかったのですが、PoSはETHを持っていればマイニングに参加でき報酬を受け取れます。
今回はそのETH2.0で報酬を受け取る方法について説明します。ただ結論から言うと初心者の参加はおすすめできません。初心者ではなく、海外取引所で取引できる中級者は取引所で、またリスクを取れて且つウォレットの操作ができる上級者が代行サービスを使う事をおすすめします。初心者の方が利率を受け取りたいなら、最後に触れる別の方法を使うことをお勧めします。
1.ETH2.0で報酬を受け取る方法
まずETH2.0でマイニングに参加して報酬を受け取るには、ETHをネットワーク上にステーキングする必要があります。ステーキングとは手持ちのETHをネットワーク上にステーク(預金)し、イーサリアムのネットワークを正常に保つ貢献をする事で報酬を受け取りますが、貢献を怠るとETHが目減りします。
ただETHを正当な方法でネットワーク上に提出するには、ネットワークに貢献するためにノードというサーバのようなものを構築する必要があります。これには専門的な知識を必要とするため、イーサリアムのノードを立てたことがない人には非常に難しいです。
また一度に32ETH(1月5日執筆時点で約290万円)もの大金を預ける必要があり、さらにこの資金もペナルティで減る可能性があるため、資金的なハードルも高いです。
この32ETHはETH2.0がローンチするまで1~2年程引き出すことができません。理由は多くの人とETHを参加させて十分に分散させないと、攻撃されるリスクが出るためです。
このように参加にはいくつかのハードルがあるため、この課題を解決するサービスがあります。大きく分けて海外取引所とその他の会社が行うサービスがありますが、基本的には顧客のETHを集めて預けるというものです。
2.海外取引所のサービスを使う
まずは取引所を使う方法を紹介します。暗号通貨の取引所を使う事で、ETHを預ける事ができます。現在サービスを提供している取引所は海外のみで、Binance, Huobi, OKex, Kraken, Coinbaseです。Coinbaseは2021年初のローンチを予定していますがまだ詳細は出していません。
各取引所で大きな差はありませんが、特色を表にしました。黄色が他より優れている部分です。下記で上から順番に解説します。
まず各取引所で最小ステーク量に差があります。KrakenとBinanceが最も小さく、他は0.1ETHで同等です。0.1ETHは1万円程度なので、ここは大きな差ではないでしょう。
想定年利に差がありますが、ETH2.0に預けて受け取れる年利は共通しているので、どの取引所も差は出ないでしょう。ちなみに2021年1月5日現在で10.5%の年利が受け取れます。
また預け入れられるETHが増えるごとに年利は減っていき、最小で5%程度になります。
この年利から各取引所が手数料を引いた分が、ユーザーが受け取れる年利になります。手数料を公表しているのは、Krakenで年利の15%と公表されているのみですが、他の取引所も10~15%程度と想定されます。
またHuobiのみ、追加でHPT(Huobi Pool Token)が受け取れます。手数料と追加の報酬を差し引きすると年利が算出できますが、取引所間で競争原理が働くので似た年利に落ち着くと思われます。(但しHuobi Japanではこのサービスは利用できないので注意が必要です)
また代替トークンのBETH(Beacon ETH: Beacon ChainのETH)を使う事で、各取引所内でETHと同様に更に利子を得る事ができるサービスなどが今後予想されます。ただし各取引所のBETHは名前は同じですが、互換性はないので注意が必要です。
興味深いのはKrakenとCoinbaseのみ、ETH2.0からETHに戻すサービスを提供する事です。Coinbaseは詳細を発表していないので不明ですが、KrakenではETH2.0トークンと現在のETHトークンの取引板を提供する事で可能にしています。
但し、ETH2.0自体が今後1-2年と開発に長時間かかります。これは日進月歩の暗号通貨業界ではかなり長いスパンです。また取引所の統廃合も激しいため、そもそもETH2.0の開発が成功するかに加えて、その取引所が2年後も生き残っているかというリスクも加味する必要があります。
3.その他のサービス
取引所以外にもETH2.0への参加サービスは色々とあります。こちらを見ると多くのサービスが乗っていますが、この中から預け入れ数が多く有名なものをピックアップして紹介します。
今回はStkr, Lido, My Ether Walletを紹介します。まず先ほどお見せしたのと同様の表がこちらです。
これらは取引所と違い分散型(特定の会社がやっているわけではない)サービスです。このサービスは厳密にいうとETHをサービスに渡しているわけではないため、預けたETHを持ち逃げされるリスクがありません。しかしサービスにバグがあると、ハッカーにETHを取られるリスクがあるため、信頼できる個人や会社にコードが調べられているかを知っておく必要があります。
これらのサービスを使うには、自分でMetamask等のウォレットを操作する必要があり、取引所に預けるよりもハードルが高いです。
また取引所の場合はサポート体制が充実しており、分からない点やトラブルのサポートが受けられますが、特に分散型のサービスの場合は自己責任の部分が大きいので注意が必要です。
特徴的なのは代替トークンの活用です。これらは分散型のサービスなので取引所内の囲い込みなどがないため、今後色々なDeFiサービスに代替トークンが広がれば、ETH2.0の利子を得つつ、色々な場所で更に利子を得るなどの広がりが期待できます。
UniswapやCurveというDEX(分散型取引所)で代替トークンをETHに変換できるため、ETHに戻す事も可能です。
4.まとめ
今回はETH2.0のおさらいと、ETH2.0に預け入れを行う事で利子を得る方法を紹介しました。繰り返しになりますが、ETH2.0への預け入れはリスクが高く、初心者にお勧めはできません。
利子を得るなら現在のETHを使って国内取引所で預け入れサービスを使い、1~5%程度の年利を得る事をお勧めします。国内取引所ならサポートも手厚く、万一の際にも安心できます。以下に詳細があるので選択肢の一つに入れていただければ幸いです。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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