イオンの株価や業績は?利回り、優待、買い時・売り時も【2021年4月】
新型コロナウイルスの感染拡大によって、イオンの株価は2020年3月13日に1,808.5円まで下落しました。しかし、2021年の2月には3,675円と2倍以上の株価に上昇し、4月9日時点でも3,212円と3,000円台を維持しています。
今回はイオンの株価の動きの要因や、そしてイオン株の特徴について解説します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
1.イオンの株価はコロナ禍でも堅調
イオン(8267)は2021年1月13日の引け後に決算を発表。2021年2月期第3四半期の累計連結経常利益は前年同期比36.8%減の589億円に落ちこみ、通期計画の1,100億円に対する進捗率は53.6%にとどまりました。
しかし、連結経常利益は前年同期比2.3倍の310億円に急拡大。また、新型コロナウイルス収束による景気回復期待から、2月16日に3,675円の昨年来高値を更新しました。
イオンの中核事業は総合スーパー(GMS)ですが、不動産や金融、ドラッグ事業もおこなっています。新型コロナウイルスの感染拡大によりGMS事業は厳しい展開になりましたが、他の事業でカバーしています。2021年2月期の第3四半期までのセグメント別業績は、以下の通りです。
項目 | 営業利益 | 前期差 |
---|---|---|
連結合計 | 681 | -349 |
GMS(総合スーパー) | -426 | -245 |
SM(スーパー) | 361 | 315 |
ヘルス&ウエルネス | 317 | 90 |
総合金融 | 261 | -135 |
ディベロッパー | 239 | -197 |
サービス・専門店 | -147 | -172 |
国際 | 32 | -26 |
連結営業利益は前期に比べて349億円のマイナスとなっているものの、コロナ禍においても7事業中5事業が黒字を確保。そして、SM(スーパー)とヘルス&ウエルネス事業が増益となり業績を支えました。
2021年4月に発表した通期の決算では、再度の緊急事態宣言の影響を受けて710億円まで赤字が拡大しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が落ちつけば、GMS事業やサービス・専門店事業の業績回復も見込まれることから、2022年期への業績への期待も高まると考えられます。
新型コロナウイルスの感染拡大が落ちつけば、GMS事業やサービス・専門店事業の業績回復も見込まれることから、2022年期への業績への期待も高まると考えられます。
2.株価指標面で割安感はない
ただし、イオンは株価指標では割安感はありません。イオンの株価と株価指標は以下の通りです(2021年4月9日時点)。
株価 | 3,212円 |
PER | – |
PBR | 2.78倍 |
配当利回り | 1.12% |
新型コロナウイルスの感染拡大によるモール休業などで、2021年度の純損失は710億円と赤字が出ているため、PERは算出されません。また、PBRも2.78倍と東証1部の平均1.40倍を大きく上回っています。株価指標では、イオンの株価に割安感はないのです。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が収束すれば業績は大きく回復すると期待されており、株価は堅調に推移しています。足元の株価指標では割高感が強いものの、来期以降の業績回復を見込んだ株価となっているのです。
3.株主優待が人気のイオン
イオンは株主優待銘柄として人気があります。イオンの株主になると、年2回の株主優待を受け取れるからです。権利確定月は2月・8月で、100株以上の保有でイオンオーナーズカードを受け取れます。オーナーズカードを提示することで受けられるもっとも大きな特典が「キャッシュバック制度」です。
イオンで買い物をするときにオーナーズカードを提示すると、保有株数に応じてキャッシュバックが受けられるのです。キャッシュバックの比率は、保有株数に応じて以下のように異なります。
100~499株 | 3%のキャッシュバック |
500~999株 | 4%のキャッシュバック |
1,000~2999株 | 5%のキャッシュバック |
3,000株以上 | 7%のキャッシュバック |
普段、イオンの系列店で買い物をしている人にとってはありがたい優待内容となっています。
そして、イオンの予想配当利回りは1.07%です。高配当銘柄とはいえませんが、株主優待に加えて配当ももらえるメリットがあります。たとえば、2020年2月期の配当実績は、1株あたり年間で36円。1,000株保有していれば5%のキャッシュバックに加え、36,000円の配当金を受け取れるのです。
4.株価は権利確定月に向けて上昇する傾向がある
イオンの株主優待は人気があるので、優待目当てで株式を購入する投資家も多くいます。ですから、権利確定月の2月・8月に向けて株価が上昇しやすい傾向にあるのです。
2021年2月16日の昨年来高値3,675円も、優待狙いの買いの影響もあったと考えられます。実際、2月25日は権利落ちで一時5%以上の下落となりました。ただ、毎年必ず権利確定月に向けて株価が上昇するわけではありません。あくまでも過去の傾向なので、投資するときの判断材料の1つとして考えてください。
5.単元未満株を利用すれば1株単位で取引できる
イオンの株価は3,000円を超えている「値がさ株」です。3月26日の終値3,412円で単元株(100株)を購入しようとすると、3,412円×100株=341,200円の資金が必要になります(手数料や税金は考慮せず)。
しかし、ネオモバやLINE証券などで単元未満株取引を利用すれば1株単位での取引が可能です。1株なら3,412円でイオンの株式を購入できるため、少額でも投資できます。ただし株主優待をもらうには、100株以上の株式を保有する必要があります。
まとめ
イオンはコロナ禍により業績が悪化していますが、スーパー(SM)やヘルス&ウエルネス事業が増益となっています。落ちこみが激しい総合スーパー(GMS)も、新型コロナウイルスの感染拡大が収束してくれば業績が大きく改善する見込みです。新型コロナウイルスの収束次第となりそうですが、来期の業績回復期待を現在の株価は織り込んでいます。
ただし、株価指標面では割安感がないので、投資を検討する際には一度にまとめて買うのではなく、複数回に分けて購入するなどリスク管理をきちんと考慮したうえで判断してください。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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