ソーシャルバリュージャパン、成果連動型契約/ソーシャル・インパクト・ボンドに関する研究報告書を発表

特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパンは5月19日、「成果連動型契約(PFS)/ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)に関する研究会」の報告書を公開した。研究会は国際交流基金日米センターによる助成対象事業「社会的投資と成果連動型契約(ソーシャル・インパクト・ボンド)についての日米交流プログラム」の一環として実施。成果連動型契約やソーシャル・インパクト・ボンドの組成に取り組む財団、中間支援組織、企業や金融機関、行政などの多様な関係者が参画。株式会社日本政策投資銀行、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)が共催、株式会社三井住友銀行が特別協賛、Asian Venture Philanthropy Network(CEO NAINA SUBBERWAL BATRA)が協力している。

同研究会は内閣府・経済産業省・厚生労働省・法務省はじめ、10自治体、7社の金融機関を含む56社・団体が委員やオブザーバーとして参加。2020年10月から21年1月にかけ計3回、日本におけるPFSやSIBによる社会課題解決の取り組み、課題と今後の方向性について議論を行った。

議論では、PFS/SIB の意義や導入の課題について、フレームワークなどを活用しながら整理を行い、各ステークホルダーの視点・発表を基に議論が行われた。整理された論点として、PFS/SIB の社会的な役割の整理、市場構築のために必要な異なるステークホルダーの参画等が挙げられた。

さらに、各ステークホルダーのこれまでの取り組みおよび課題の認識の共有がなされ、具体的に目指すべき方向性とそこに向けたアクションが整理された。具体的には行政などが設置する補助財源となる基金「アウトカムファンド」や資金提供者の積極的な市場構築への関与、規模の拡大による規模の経済の追求、学術機関等との連携による評価の精緻化とエビデンス蓄積などを論点に、議論した。また、次年度以降の各関係者の取り組み予定が共有され、協働してのアクションの実施に向けた土壌が構築された。

研究会を振り返り、参加者からは会の役割の重要性についての指摘や、今後も継続的な開催が期待されるという意見も多くあがった。このため、21 年度に実施されるその他の PFS/SIB に関する事業と相互補完的なプログラム構成での事業継続を検討している。

ソーシャルバリュージャパンは12年に設立された社会的インパクトに特化した非営利のコンサルティングファーム。世界45カ国に加盟団体を持つSIBの日本で唯一の加盟組織として、社会的インパクト評価1に関するコンサルティング・トレーニング・手法についての研究開発などを中心に活動している。

【関連サイト】「成果連動型契約/ソーシャル・インパクト・ボンドに関する研究会」最終版報告書(PDF)

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