不動産売却、売却前にリフォームするメリット・デメリットは?注意点も

不動産を売却する前に、リフォームをするかどうか悩む方も多いのではないでしょうか。しかし、安易に高額のリフォームをおこなってしまうと、その費用を回収できないばかりだけでなく、かえって売却しにくくなるリスクもあります。

この記事では、不動産の売却前にリフォームするメリットとデメリットを解説し、リフォームをする際気を付けたい点についても触れていきます。

目次

  1. 不動産売却前にリフォームするメリット
    1-1.買主に良質な物件という印象を与えることができる
    1-2.買主が早く入居できる
    1-3.買主のリフォーム費用を軽減することができる
  2. 不動産売却前にリフォームするデメリット
    2-1.リフォーム費用の回収が難しい
    2-2.安さを求める買主を遠ざけてしまう可能性がある
    2-3.買主の事情や嗜好に合わない可能性がある
  3. リフォームを検討する際、気を付けたいポイント
    3-1.不動産売却前のリフォームは最小限に抑える
    3-2.仲介を依頼する不動産会社へ事前に相談する
  4. まとめ

1.不動産売却前にリフォームするメリット

不動産売却前にリフォームするメリットとして、次のような点が挙げられます。

  • 買主に良質な物件という印象を与えることができる
  • 買主が早く入居できる
  • 買主のリフォーム費用負担を軽減することができる

以下で、それぞれの内容をみていきましょう。

1-1.買主に良質な物件という印象を与えることができる

売却しようとする物件が、通常の経年劣化以上に老朽化や劣化が進んでいる場合、買主に管理や質が良くない物件という印象を与えかねません。そのような場合は、老朽化や劣化が激しい部分をリフォームすることで、買主の印象を改善し、売りやすくすることができる可能性があります。

たとえば、壁紙にタバコのヤニがこびりついているような場合、その部分の壁紙を張り替えることで良い印象を与え、購入に至るケースなどが考えられます。

また、キッチンや風呂などの水回り設備は、汚れや劣化が目立つ部分であり、これらの箇所が通常の経年劣化の程度よりも綺麗な状態に保たれていると、買主の印象は良くなるでしょう。

1-2.買主が早く入居できる

買主によっては元の住居の売却を予定しており、速やかな住み替えを検討しているケースもあります。このような場合、事前にリフォームを行っておくことで、購入後のタイムラグを失くせるメリットがあります。

老朽化や劣化した部分のリフォームをしたり、水回りなどの生活に必需の設備を使いやすく新しい設備に交換したりすることで、買主は、購入後すぐに入居して生活を始めることが可能です。

1-3.買主のリフォーム費用を軽減することができる

リフォーム費用はリフォームの規模、種類、依頼先の業者によって大きな価格差が出てしまうことも少なくありません。そのため、費用感がつかめない買主にとって、リフォームが行われていない物件への購買意欲が低下してしまう要因となる可能性があります。

事前にリフォームを行っておく事で、買主のリフォーム費用・手間の削減につながります。物件価格を割高にしないような範囲でのリフォームであれば、買主の購買意欲に訴えかける効果があるといえるでしょう。

2.不動産売却前にリフォームするデメリット

不動産売却前にリフォームするデメリットとして次のような点が挙げられます。

  • リフォーム費用の回収が難しい
  • 安さを求める買主を遠ざけてしまう可能性がある
  • 買主の事情や嗜好に合わない可能性がある

以下で、それぞれの内容をみていきましょう。

2-1.リフォーム費用の回収が難しい

不動産の価格は、建物の築年数に応じて下落する傾向があります。リフォームによって、購入検討者の購買意欲を高められたとしても、特に、構造部分に手を加えることのできない区分マンションでは市場価格を大幅に上げるのは難しいといえるでしょう。

また、戸建や一棟アパートなど、土地価格の占める割合の高い不動産では、土地価格が不動産全体の市場価格の大きな決定要因となるという事情もあります。

いずれにしても、市場に流通している同じような条件の不動産との比較という観点から、大幅にリフォームを行った物件のリフォーム費用を売却価格に上乗せするのは困難であるといえます。

2-2.安さを求める買主を遠ざけてしまう可能性がある

リフォーム費用を価格に上乗せした場合、価格が高くなってしまうことから売却しにくくなる可能性があります。

買主が、中古物件に求めるものとして、価格の安さは大きな要素の一つです。リフォームによって設備が入れ替えられて機能性などが高まったとしても、価格面を優先する買主を遠ざけてしまう可能性があります。

2-3.買主の事情や嗜好に合わない可能性がある

中古不動産の買主は自分でリフォームをすることも多く、買主の個別事情や嗜好に合わせる目的のために中古不動産を探しているケースも少なくありません。

売主側が売却前に必要以上のリフォームをしてしまうと、それが買主の事情や嗜好に合わない可能性があり、かえって売りにくくなる結果を招く可能性があります。

3.リフォームを検討する際、気を付けたいポイント

次に、不動産売却でリフォームを検討する際、気を付けたいポイントについて解説します。

3-1.不動産売却前のリフォームは最小限に抑える

不動産売却前にリフォームをおこなうと、市場価格や買主の需要の観点から、その費用の回収が難しい傾向にあるといえます。

リフォームする場合は、売却するのに効果的な最小限の範囲に抑えることを検討してみましょう。

例えば、通常の経年劣化以上に老朽化や劣化が進んでいる場合は、人が居住して快適に感じることができる程度の原状回復を行う、などが考えられます。

また、水回り設備は汚れが目立ち、買主が気になる部分といえます。水回り設備を専門のクリーニング業者にクリーニングしてもらったり、あるいは、汚れている部分だけ新品に交換したり塗装を施したりするなど、ポイントを絞ったリフォームをすることを検討しましょう。

3-2.仲介を依頼する不動産会社へ事前に相談する

前述したように、不動産売却の前にリフォームを行うことは価格の上乗せが難しく、リフォーム費用を回収できないリスクがあります。そのため、事前に売却依頼をする不動産会社へ相談し、費用回収できる可能性があるかどうか確認をしてみましょう。

不動産会社は次の買主へ向けて物件の良さをアピールするために、適切なアドバイスをくれる可能性があります。まずは、売却のパートナーとなる不動産会社へリフォームが検討できるかどうか、価格の上乗せがどの程度できるか、相談することが大切です。

なお、まだ特定の不動産会社への仲介依頼を行っていない場合は、1社だけでなく複数の不動産会社へ査定を依頼することも検討してみましょう。複数社の不動産査定を比較することで、より良い条件の不動産会社を探すことに繋がります。

複数社へ査定を依頼する際は、物件情報を一度登録すると複数社へ査定依頼ができる不動産一括査定サイトを利用してみると良いでしょう。1社ずつ査定依頼する手間を省き、該当するエリアの不動産会社から連絡を受けることができます。

不動産一括査定サイトにはいくつか種類がありますが、サイトによって登録されている不動産会社が異なります。下記に特徴をまとめているので、自身の物件に合ったサイトを選んで登録を検討してみましょう。

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まとめ

不動産売却前のリフォームは、買主に良い印象を与え、リフォームコストを抑えるなどの効果があり、物件を購入し入居を前向きに検討させるのに役立ちます。

しかし、買主は、中古不動産に安さを求める傾向もあるため、市場価格と比較されると売却しにくくなる可能性があります。売却に効果的な最小限の範囲にとどめておこなうことや、事前に不動産会社へ相談することを検討してみると良いでしょう。

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