NFTマーケットプレイスの大御所、OpenSeaとは?

今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の赤澤 直樹 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. 最大手のNFTマーケットとしてのOpenSea
  2. OpenSeaで見つけられる作品やアーティスト
    2-1. Beeple
    2-2. せきぐちあいみ
    2-3. CryptoPunk
  3. OpenSeaの特徴
    3-1. スタンダードな操作性
    3-2. 様々なブロックチェーンへの対応
    3-3. ロイヤリティや販売方法の設定
  4. 著者あとがき

NFTを発行したり取引したりするためによく利用されるものがマーケットプレイスです。そんなマーケットプレイスの大御所であるOpenSea。この記事では、OpenSeaの概要や扱われている作品などOpenSeaの概要について紹介します。

最大手のNFTマーケットとしてのOpenSea


OpenSeaはNFTマーケットとしては最大手として知られており、2017年12月に創業したスタートアップによって運営されています。OpenSeaが誕生した当初は、CryptoKittiesというNFTを使ったゲームが大きな人気を誇っていました。当然、CryptoKittiesのサービス自体がマーケットを持ってはいましたが、次第に多くのNFTを利用したサービスが増えていくに連れてサービスに関係なく利用できるマーケットプレイスの需要が高まってきました。そんな中登場したのがOpenSeaでした。

Ethereumのようなパブリックチェーンを利用した場合の最も大きな特徴は、プラットフォームやサービスにかかわらずユーザーが持つデータをあらゆる場面で利用できるようになる点です。その意味では、OpenSeaはそのような精神を体現している存在の一つと言えるかもしれません。

2021年2月時点で100万を超えるウォレットがOpenSea上で接続されており、その人気も数多あるマーケットプレイスの中で不動のものとなっています。現在では、最近有名になったHashmasksなどのNFTシリーズなどのタグが表示され、特定のNFTシリーズを絞り込んで検索を行うことなどが可能になるなど、多くのNFTを扱えるようになっています。

OpenSeaでは定額の販売やオークション形式での販売など、複数の販売方法を選ぶことができ、さらには自分のNFTを出品するかしないかも選ぶことができます。また、OpenSeaではNFTの購入や出品以外にも、NFT自体を発行することもできるようになっています。NFTの一次発行の際にはブロックチェーン上にデータを記録せず手数料が発生しないという特徴もあり、まずはじめのNFTを触るにはちょうどいいマーケットプレイスだと言えるでしょう。

OpenSeaで見つけられる作品やアーティスト

現在様々なアーティストやクリエイターによって利用されているので、色々なタイプの多種多様な作品と出会うことが可能です。

2-1. Beeple


現在のNFTブームの火付け役となったデジタルアーティストのBeeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)の作品もOpenSeaでみることができます。彼はもともと多くのデジタルアート作品を作成しており、「Everydays – The First 5000 Days」という作品には約75億円の金額がついたことで、一気に注目を集めました。

2-2. せきぐちあいみ


世界的なVRアーティストであるせきぐちあいみさんの作品もOpenSeaで取引されており、約1300万円の値がついています。せきぐちあいみさんは、アメリカやドイツをはじめ海外でも活躍しており、バーチャルリアリティ空間に立体アートを描くVRアートを制作したり、そのライブパフォーマンスをしたりと活動をしています。今回のように作品をNFTとして発売できるようになることは、今後アーティストとしての活動の幅を大きく広げられるのではないかと大きな期待が集まりました。

2-3. CryptoPunk


Ethereumにおいて最古参のプロジェクトの一つである「CryptoPunks」の作品も多く取引されています。CryptoPunksは、ドット絵で表現された宇宙人をモチーフにしたキャラクター作品です。メガネやキャップ、パーカーを身につけているキャラクターがランダムに生成され、多種多様なキャラクターが生成されているので各NFTは独自のユニークさを持っています。高額なものでは約750万ドル(約8億2,000万円)で取引されているものもあり、その価格にも注目が集まっています。この作品のシリーズはNFTという性質もあり、他のマーケットでも取引されていますが、OpenSeaでも多くの作品を見ることができます。

OpenSeaの特徴

3-1. スタンダードな操作性

OpenSeaは他のマーケットプレイスと比べて包括的で入り口として入りやすく、OpenSeaでNFTを触ったという方も多いのではないでしょうか。その意味では、まずはOpenSeaでNFTを発行してみたとか、買ってみたという体験をしやすいというメリットがあります。また、若干翻訳がおかしな部分もありますが日本語にも対応しているので初めて使う方にも使いやすいサービスなのではないでしょうか。

3-2. 様々なブロックチェーンへの対応

OpenSeaは積極的に様々なブロックチェーンへの対応を進めており、イーサリアムの他にもMatic、Klaytn(クレイトン)、Tezos(テゾス)といった多種多様なブロックチェーン上のNFTに対応しています。これは今後も増えていくと思われ、対応しているブロックチェーンが増えることでより経済圏やマーケットが大きく広がるのではと期待されています。他のマーケットプレイスでもこのような多くのブロックチェーンに対応する動きはありますが、OpenSeaはそれを一歩先んじているため、より多くのユーザーや作品を取り込んでいくのではと思われます。

3-3. ロイヤリティや販売方法の設定

NFTはその設計次第で様々なフィーの設定や販売方法を設定できます。OpenSeaでもロイヤリティや様々な販売方法の設定が比較的簡単にできます。

ロイヤリティとは、新しい人物にNFTが販売される度にその発行者にフィー(報酬)が支払われる仕組みです。OpenSeaではデフォルトで10%のロイヤリティを設定でき、クリエイターにとって新しい収益源として期待されています。

また、販売方式としてOpenSeaでは以下の3つが用意されています。

  • 定額での売り出し
  • イングリッシュオークション
  • ダッチオークション

これらから売り出し方法を選択できます。なお、イングリッシュオークションは最終的に最も高額の入札をした人が落札できるオークション形式、ダッチオークションとは、初めに高めの価格を設定し、誰かが購入するまで価格を下げていくオークション形式です。

このように、自身のNFTの特徴を考慮して一番利益の出そうな販売方法を選択することが可能になっています。

著者あとがき

OpenSeaはNFTのマーケットプレイスとして基本的な機能をおおよそ兼ね備えているため、初めてNFTの販売や取引をしたい人から、ある程度慣れている人まで幅広い人におすすめできるプラットフォームです。

NFTはアーティストがロイヤリティを得る仕組みを簡単に作れるので新たな収益源になると期待されています。また、販売方法もただの定額での売り出しだけでなく、多様なオークション形式で売り出すことも可能です。このような、NFTの様々な取り扱いを一通り試してみたい人はまずはOpenSeaを覗いてみてはいかがでしょうか?

ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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