経済再開の観点から見た米国金融市場と日本市場の7月以降のシナリオは?ナティクシスIMマクロ・マーケット見通し
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社は6月29日、グローバル・マーケット・ストラテジー部門責任者エスティ・ドウェク氏による7月マクロ・マーケット見通しを公表した。
6月には米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示し、金融市場では利上げ時期が前倒しとなる「サプライズ」として受け止められた。しかし同社は「ドットプロット(金利予測分布図)に変化は見られたが、パウエル議長の説明を聞くと、実際にはほとんど変わっていない」と静観する。
「確かにFRBはインフレを警戒しており、これはインフレ期待の抑制効果を持つと考えられるが、利上げは依然としてはるか先のことで、FRBは資産買い入れの縮小に向けたプロセスの端緒に就いたばかり。実際、当初は大きく反応した市場も現在ではFOMC前の水準に戻っている」と、FRBの基本方針はほとんど変わっていないと結論づけた。
米国は力強い経済成長を維持しており「米国以外でも回復が本格化することで、今後も金融、エネルギー、素材の上昇が続くと考える。ワクチン接種の加速を背景とした下半期の見通しの明るさに加えて、大半の主要株価指数ではシクリカルなセクターの占める比重が大きいことを反映して、欧州株は堅調を維持する」と予想する。
日本市場については「悪材料はすでに織り込み済みで、割安な水準にあることから、下半期には強含むことが期待される」と見る。
リスク資産については「ピークを過ぎたとはいえファンダメンタルズが依然として支援材料となっているため、リスク資産は今後も堅調に推移する」という見方を維持。「世界的にワクチン接種が加速しており、異例の金融緩和策と積極財政策が維持され、経済再開に伴い企業利益の回復が続く見通し。今後、これらの追い風の勢いはこれまでほど力強いものではなくなるものの、極端に悲観的なシナリオを想定することは難しい」としている。
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