ステーキングとスイングトレードを組み合わせた運用方法【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】
今回は、ステーキングとスイングトレードを組み合わせた運用方法について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- ステーキングについて
1-1. ステーキングで得られる収益 - スイングトレードについて
- ステーキングとスイングトレードを組み合わせた運用方法
3-1. 基本のトレード戦略は押し目買いと長期保有
3-2. 損切ラインを設定する - まとめ
筆者は、仮想通貨(暗号資産)のステーキングがスイングトレード手法と非常に相性が良いと、考えています。スイングトレードは中期的に仮想通貨を保有するため、上手く行けばキャピタルゲインに加えてステーキングで発生したインカムゲインを積み上げることができるでしょう。今回は、スイングトレードの戦略設計を中心に、ステーキングで収益を上乗せする運用戦略について解説します。
①ステーキングについて
まずは簡単に仮想通貨のステーキングについて解説します。
ステーキングとは仮想通貨を条件に沿って一定期間保有することで、ネットワークセキュリティに貢献し、対価として報酬を得られる仕組みです。保有するといっても専用のウォレットなどを介して、各コインのネットワーク上に接続する必要があります。初心者にとってウォレットの設定はハードルが高いので、仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用するのが一般的です。
なお、ステーキングに対応する仮想通貨はコンセンサス(合意形成)アルゴリズムに「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」を採用しているものに限られます。代表的なPoSコインには、イオス(EOS)、ポルカドット(DOT)、カルダノ(ADA)などがありますが、現時点で国内の取引所でステーキングサービスが利用可能なものはリスク(LSK)とテゾス(XTZ)のみです。
1-1. ステーキングで得られる収益
PoSコインのステーキングで得られる報酬は年率換算でだいたい約3%~6%、取引所がステーキング報酬を付与するタイミングは、週1回や月1回などとなっています。FXのスワップ金利と比べれば利率は劣りますが、銀行口座の金利に比べれば高い水準です。スイングトレードを前提とするのであれば十分有益でしょう。
ステーキングサービスの留意点
仮想通貨取引所の規約上、ステーキング報酬は保証されていません。数量も変動する可能性がある点に留意しましょう。ステーキングにはネットワーク毎の投票プロセスがあり、取引所が報酬を獲得出来た場合にのみユーザーに仮想通貨を還元する仕組みになっています。
【関連記事】ステーキングとは?仮想通貨取引所コインチェックでLISKをステーキングする方法
②スイングトレードについて
次にスイングトレードについて解説します。スイングトレードは、数日~数週間の間に購入と売却を行う投資方法です。スイングトレードの基本は、日足以上の大きな時間軸のチャートを使い、トレンドラインとチャネルラインに挟まれたレンジの値動きを狙うものです。
数日間の変動を利用して利益を得るので、専業トレーダーでなくてもアクティブに取り組めることがメリットです。デイトレードと比べて瞬間的な対応を必要としないため、スイングトレードはチャートを監視し続けている必要もありません。損切水準も深いため取引画面に張り付くこともなく、普通に生活していても差し支えないという利点もあります。
③ステーキングとスイングトレードを組み合わせた運用方法
それでは、ステーキングとトレードを組み合わせた運用方法について解説します。日本の仮想通貨取引所で取引することを前提とすると、現在ステーキングサービスが利用できるのはコインチェックとビットフライヤー、GMOコインの3社です。
コインチェックとビットフライヤーはLSK(リスク)を取り扱っており、GMO コインはテゾス(XTZ)のステーキングサービスが利用可能です。取引所口座で現物を保有しているだけで、ステーキング報酬が自動的に付与されます。
3-1. 基本のトレード戦略は押し目買いと長期保有
基本的にトレード戦略としては押し目買いによるバイアンドホールドです。仮想通貨相場は2020年4月上旬までの過熱感を経て調整期間を迎えたため、買いでエントリーするには良いタイミングかもしれません。
また今回は、テクニカル分析として最もシンプルなライントレードを使います。あくまでトレード戦略の一例という視点で捉えてください。それでは、コインチェックのLSKのチャートを見てみましょう。
こちらは21年1月からのLSKの日足チャートです。基本的には綺麗な上昇トレンドを継続していると言えます。
目途とするラインは、2021年1月14日の最安値102.52円と同1月28日の最安値125.77円を引いた赤い線が最も強いトレンドラインとなります。このトレンドラインと平行であり、直近最高値である5月7日の1255.98円まで上げたラインがチャネルライン上限です。
基本的にこの範囲で価格推移をすると考えますが、トレンドラインとチャネルラインの差が1000円以上もあります。目安として意識はするものの、実際のトレードをする上では現在有効と思われる、より短気のトレンドラインを引きます。
それが1月28日の125.77円と4月23日の333.33円を結んだピンク色のトレンドラインです。このラインにタッチした時にロングエントリーをできると良いのですが、果たしてここ迄の下落があるのか検証します。
このチャートを見ると4月10日につけた828.06円から4月23日につけた333.33円まで、約2週間で494.73円(-59.7%)下落しています。
直近、最高値である1255.98円から-59.7%となる価格は506.15円です。直近の事例から考えるとピンク色のトレンドラインにタッチする可能性は今のところは少ないと言えそうです。
3-2. 損切ラインを設定する
そのような場合に、考えるべき点は重要なサポートラインがどこに位置するのかという点です。
最も近いところで、サポートラインは836.45円、その次が569.11円です。エントリーポイントとしては550円から500円まで下がってきた時に買いポジションを持つと、直近最高値まで回復した際に2.5倍となり、利益が見込めそうです。
また、損切りに関しては直近で短期のトレンドラインをブレイクした例(青色のトレンドラインがブレイクしたタイミング)を考慮します。4月23日に411.65円にトレンドラインが位置していましたが、333.33円まで下落しました。しかし、トレンドラインをブレイクしたにも関わらずアップトレンドに戻っています。
この例を参考にして考えると、ピンク色のトレンドラインよりも80円程度は落ちても、相場が弱気に反転しないと考えられます。よって、ピンク色のトレンドラインである400円から80円ひいた320円を目途に、さらに少し余裕を持たせて300円に損切りを設定します。
- エントリー:550円
- 利益確定:1250円
- 損切り:300円
- 期待される利益:700円
- 許容される損失:250円
リスク・リワードレシオ的にも1:2以上なので十分に成り立つトレード戦略だと言えます。また、スイングトレードをする際は、ポジションを細分化して複数のポジションを持ち、一番安く買えたものを一番長く保有するなど、利益確定を分散すると良いでしょう。
④まとめ
今回は実践的なトレードも例としてステーキングとスイングトレードを組み合わせた運用方法について解説しました。仮想通貨のステーキングサービスはコインチェック・ビットフライヤー・GMOコインで行うことができます。3つの取引所にまだ口座をお持ちでない方は、是非口座開設をおすすめします。
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