NFTをさらに楽しめる「メタバース」とは?NFTとメタバースの関係性を徹底解説

今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の赤澤直樹 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. メタバースとは?
  2. 代表的なメタバースの例
    2-1. Second life
    2-2. Decentraland
    2-3. Cryptovoxels
    2-4. The Sandbox
  3. メタバースの利用例
  4. まとめ

世界中でNFTがさまざまなアーティストやクリエイターによって発行されるようになってきました。そんな中、NFTの新しい楽しみ方としてメタバースを利用する例が増えてきました。今回は、最近新たに注目を集め始めているメタバースについて紹介していきます。

1. メタバースとは?

メタバースという用語はアメリカのSF作家・ニール・スティーヴンスンが1992年に発表したSF小説である「スノウ・クラッシュ」で始めて使われたとされています。用語に明確な定義はありませんがここでは一旦、デジタル空間上に展開された人々が交流できるフィールドだと整理しておきましょう。

かつてより「Habitat」や「Second Life」のようなメタバースプラットフォームが展開されており、VR技術と相まって近年でも大きな注目を集めています。新しい表現や交流の場として可能性を秘めている一方で、デジタル上の空間であることから複製や改ざんが容易にできてしまうという側面もありました。

最近では、ブロックチェーンの登場によりさまざまなデジタルデータを検証できるようになったことから、メタバースに新しい風が吹き込みました。メタバース上で利用できるネイティブトークンの流通、土地やアイテムをNFTとして発行し流通できる仕組みなどによってデジタル空間であるメタバースがあたかも物理的な空間と同じように扱うことができるようになったのです。

2. 代表的なメタバースの例

これまで歴史的にさまざまなメタバースプラットフォームが登場してきました。それらを大きく分類すると、ブロックチェーン以前以後と区分できます。

ブロックチェーン以前では、デジタルデータを唯一のものとしてユーザーと紐づけることができなかったため、単一のプラットフォーマーに依存せざるを得ませんでした。しかし、ブロックチェーン以後ではプラットフォーマーの代わりにブロックチェーンを利用して、デジタルデータを唯一のものとして所有者と紐づけて扱うことができるようになったため、より高い拡張性と自由度がメタバースにもたらされました。

Second life


2003年にリリースされたSecond Lifeはユーザーがコンテンツを生成できるプラットフォームのようなもので、最大で100万人近いユーザーが利用していました。また、ゲーム内で利用できる「リンデンドル」という通貨が提供され、実際のアメリカドルに換金できました。

メタバースの先駆けと呼ばれるSecond lifeであり、ブロックチェーン以前から存在するプラットフォームでもあり知名度の高いものであると言えるでしょう。しかし、要求されるマシンスペックが高かったり、経済圏の形成が比較的難しかったりと言った側面が指摘されることも多いです。

Decentraland


Decentralandは2015年から開発が進められているメタバースです。同様のブロックチェーンベースのメタバースの中では、最古参のプラットフォームと言えます。イーサリアムを基盤として「MANA」と呼ばれるネイティブ通貨が発行されていたり、Decentraland上の土地を「LAND」と呼ばれるNFTとして発行・流通させています。

ユーザーはウォレットをつなぐことでDecentralandにログインでき、アバターとして参加します。アバターのファッションや土地に設置される建築物などもNFTとして作成・販売も可能なので、デザイナーや建築家、土地の取引者などが各方面で活躍しています。

Cryptovoxels


Cryptovoxelsは2019年から始まった、Decentralandと同様にブロックチェーンを利用したメタバースの一つです。イーサリアムをベースとして開発されており、土地やアイテムがトークンとして発行・流通しています。

Decentralandと同じく土地がERC721準拠のNFTとして作成されており、販売及び流通しています。Decentralandと比較して、VRにいち早く対応しており、グラッフィックがポリゴンをベースにしている点は特徴的です。グラフィックに関しては、マインクラフトをイメージすると近いでしょう。

The Sandbox


TheSandboxは元々自身の好きな世界をデジタル空間上で作り上げるゲームとして2012年にリリースされました。その後、2018年8月にAnimocaBrandsという企業によって買収され、ブロックチェーンを基盤としたメタバースプラットフォームとして発展しました。

ブロックチェーンに対応したことで、ユーザーがゲーム内のアイテムなどを簡単に販売することができるようになりました。多くの企業やユーザーが土地であるLANDを販売しており、日本でも暗号資産取引所コインチェックがTheSandboxの土地を販売したことがあり耳にしたことがある方もいるかもしれません。

Coincheck NFTで取り扱っているThe Sandboxとは何か?

3. メタバースの利用例

デジタル空間上にもう一つの世界を作ろうという取り組みは以前からありましたが、ブロックチェーンを利用することでより高い拡張性と自由度が与えられました。それにより、これまでメタバース上でできなかったような新しい展開が生まれ始めています。

代表的な例を挙げると以下のようなものがあります。

  • NFTの展示会
  • NFT化された土地の取引
  • アバターが着用できるNFT
  • NFT所有者のみアクセスできるエリア
  • メタバース上でのショップ展開

ここでは、メタバースとNFTを組み合わせた例を中心にリストアップしましたが、データに唯一性と希少性を与えるNFTはメタバース上でできることを拡張してくれる非常に相性のいい技術であると言えるでしょう。

まとめ

Facebookも今後メタバースに注力するためのチームを立ち上げたことを発表しました。これがブロックチェーンを利用した分散型のプラットフォームとなるか否かはこれからの動向を注視しなければ分かりませんが、大きな可能性を秘めている領域であることは代わりないでしょう。

メタバースはまだまだ発展途上の領域であり、そのポテンシャルを十分にいかしきれてはいません。今後、ブロックチェーンやそれを利用したNFT、VR、5Gなどさまざまな技術が交差してさらに面白い展開になっていくでしょう。新しく面白いユースケースがどんどん生まれていくことが期待できます。

ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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