個人事業主の法人化、GMOあおぞらネット銀行で法人口座を開設する手順は?
個人事業主(フリーランス)の方が法人を設立した場合、売上金の入金や経費の支払いのために法人の銀行口座が必要になります。GMOあおぞらネット銀行は、個人事業主の方や設立間もない法人でも口座開設を検討しやすく、数ある法人向けの金融機関の中でも、人気の高いネット銀行の一つです。
しかし、法人口座の開設は個人口座の開設と違って与信審査に厳しく、開設に難航してしまうケースがあります。GMOあおぞらネット銀行においても、事業の実態が明らかでない場合には、口座開設を断られてしまうケースがあるため注意が必要です。
そこで本記事では、GMOあおぞらネット銀行の特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、口座開設の手順について詳しく解説していきます。GMOあおぞらネット銀行での口座開設を検討している方はご参考ください。
※この記事は2021年10月06日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。申込に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- GMOあおぞらネット銀行の特徴・概要
- GMOあおぞらネット銀行のメリット
2-1.法人口座開設の審査に通りやすい
2-2.口座維持費用が無料・他行への振り込み手数料が安い
2-3.バーチャルオフィスでも申込手続き可能
2-4.原則オンラインで申し込みが完結できる - GMOあおぞらネット銀行のデメリット・注意点
3-1.口座開設には業務実態の証明が必要
3-2.海外送金に対応していない(2021年10月時点)
3-3.他行への振り込みに振込手数料がかかる
3-4.ビジネス利用できるローン商品が少ない - GMOあおぞらネット銀行の法人口座を開設する手順
4-1.法人口座開設ページにアクセスする
4-2.法人口座開設ナビにログインする
4-3.必要書類をアップロードか郵送にて提出する
4-4.審査後、ログイン情報を郵送で受け取る - まとめ
1.GMOあおぞらネット銀行の特徴・概要
GMOあおぞらネット銀行は、2018年7月にサービス開始したインターネット専業銀行です。1957年に創業された株式会社あおぞら銀行のグループ企業であり、主要株主にGMOインターネット株式会社が参画しています。
法人と個人事業主が利用できるインターネット銀行で、スマホやパソコンからログインや口座管理、各種サービスを利用可能です。また、法人口座の維持手数料や振り込み手数料は他行と比較して安く設定されており、手軽に利用しやすいメリットがあります。
その他、個人事業やスモールビジネスに適した各種サービスも豊富です。例えば、GMOあおぞらネット銀行は法人や個人事業主向けの「GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカード」を提供しています。デビットカードとしての機能に加え、キャッシュバックサービスやVisaの優待サービスなどが用意されています。
加えて、会計ソフト「freee」との連携によってGMOあおぞらビジネスローンを利用した資金調達も検討することができます。
GMOあおぞらネット銀行は、新設法人でも手軽に開設しやすいネットバンクであるだけでなく、事業運営に必要な金融回りの準備を、スムーズに進めることができる特徴を持っていると言えるでしょう。
【関連記事】GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードの評判は?特長も
2.GMOあおぞらネット銀行のメリット
個人事業を法人化するにあたり、GMOあおぞらネット銀行で法人口座を開設するメリットについて詳しくみて行きましょう。
2-1.法人口座開設の審査に通りやすい
口座開設の難易度が高くなりやすい新設法人や個人事業主の方の場合、メガバンクや地方銀行での口座開設ができず、事業で必要な資金移動ができないケースも少なくありません。
一方、GMOあおぞらネット銀行はメガバンクや地方銀行などと比較して口座開設に必要な書類も少なく、審査に通りやすいという点も特徴的です。これから始めて法人口座の開設を検討している方にとって検討しやすいサービスの一つと言えるでしょう。
2-2.口座維持費用が無料・他行への振り込み手数料が安い
GMOあおぞらネット銀行は同行間の振込手数料が無料であることに加え、他行への振込手数料も一律145円と、業界最安水準に設定されています。(2021年10月時点)
また、他行の法人口座では取引の有無にかかわらず発生してしまう「口座維持手数料」を徴収しているケースも少なくありませんが、GMOあおぞらネット銀行では、この口座維持手数料も無料となっています。
2-3.バーチャルオフィスでも申込手続き可能
金融機関の中には、バーチャルオフィスでの法人口座開設を受け付けていないケースがありますが、一方、GMOあおぞらネット銀行では登記住所がバーチャルオフィスであっても口座申し込みが可能となっています。
自宅住所での登記を避けておきたい個人事業主の方にとって、バーチャルオフィスでの法人口座開設ができる点は大きなメリットと言えるでしょう。ただし、バーチャルオフィスであっても郵便物の受け取りができない場合には、口座開設が完了しない点に注意が必要です。
※ご注意事項
口座開設完了には、転送不要簡易書留郵便でお送りする法人のご登録住所あて、取引責任者さまあて両方の書面をお受取りいただく必要がございます。
バーチャルオフィスに従業員が常駐しておらず、法人住所あての郵便物が受取できないできない場合など、口座開設手続きが完了せず口座をご利用いただけない場合がございます。
※引用:GMOあおぞらネット銀行「よくあるご質問>登記されている法人所在地がバーチャルオフィスでも法人口座開設できますか?」
2-4.原則オンラインで申し込みが完結できる
代表者と取引責任者が同一の場合、セルフィ―動画で本人確認が行えるため、印鑑や印鑑証明等の提出が不要となります。また、その他の必要書類についても郵送ではなく、オンラインで完結することが可能です。銀行印や印鑑証明も不要であり、これらの取得にかかる費用が削減できる点もメリットとなります。
なお、メガバンクや地方銀行での法人口座開設では、必要書類を揃えたうえで、面談を行うために日程を調整し、窓口まで行かなければならないことがあります。面談を行った後、審査結果によって口座開設ができないこともあり、このような場合と比較して申し込みの手間が非常に少ない点はメリットと言えます。
3.GMOあおぞらネット銀行のデメリット・注意点
次に、GMOあおぞらネット銀行で法人口座を開設するデメリットや注意点についても確認しておきましょう。
3-1.口座開設には業務実態の証明が必要
GMOあおぞらネット銀行は新設法人でも口座開設がしやすい特徴がありますが、法人口座の開設には過去の業務実態が必要となります。業務実態の確認は、下記2つの提出書類によって行われます。
- 会社概要が分かるもの
- 事業活動状況が具体的に確認できるもの
「会社概要が分かるもの」については、会社のホームページやパンフレットなどが該当します。ただし、具体的な業務内容が分からないものや、コンテンツ量が不十分と見なされてしまうと審査に通らない可能性があります。
「事業活動状況が具体的に確認できるもの」は、締結・調印済みの各種契約書の一式や自社・他社発行の請求書などが該当します。なお、請求書に関しては、事業収入に直接関連しないもの(公共料金請求書・ホームページ制作費など)は対象外となります。
このように、GMOあおぞらネット銀行で法人口座を開設しようと考えていても、過去に個人事業主として売上がない場合や、売上の見込みとなる他社との契約書が無い場合、事業実態の証明が非常に難しくなってしまいます。法人を作った後に事業の運営を考えているのであれば、口座開設の難易度が非常に高くなってしまう点はデメリットです。
必要書類の例
会社概要を示す書類1点以上 | 例: ホームページ:会社概要や事業内容、取扱商品などが記載されている状態 パンフレットやチラシ:社名や取扱商品などが記載されている状態 事業計画書など:取引先に提出している書類であること |
事業の実態を示す書類1点以上 | 例: 締結、調印済みの各種契約書一式:業務委託契約書、売買契約書など 他社や自社発行の請求書など:明細で事業内容を把握できる状態であること 売上、仕入などが把握できる書類:自社で作成した書類ではなく客観性のある書類であることがポイント |
3-2.海外送金に対応していない(2021年10月時点)
GMOあおぞらネット銀行では、法人向け海外送金サービスについて準備中となっており、2021年10月時点で海外送金に対応していません。海外取引を検討している方にとって、注意しておきたいポイントとなります。
当社では、以下の外国送金の取り扱いは行なっておりません。
・外国への送金および外国からの受取
・国内あての外貨建て送金および外貨建ての受取
・外国為替法規上の(非)居住者と非居住者における、国内非居住者円建て送金および受取
ただし、国内非居住者からの1万円以下の円貨建て送金の受け取りは除きます。
・その他上記に掲げる取引に準ずる取引
※引用:GMOあおぞらネット銀行「よくあるご質問>外国送金(海外送金)、外貨建て送金はできますか?」
3-3.他行への振り込みに振込手数料がかかる
GMOあおぞらネット銀行は他行への振込手数料が安いというメリットがありますが、一方で新しいネットバンクであることから、口座数が多いメガバンクや大手ネットバンク等と比較して、他行に振り込む機会が多くなってしまうというデメリットがあります。
このような背景から、商品の仕入れなどで取引頻度が高い、振込予定のある取引先が多い場合などでは、振込回数が増えることで手数料が多くかかってしまう可能性があることに注意が必要です。
3-4.ビジネス利用できるローン商品が少ない
ビジネスにおける金融機関の役割は、資金の預け入れや引き出しだけでなく、新しい事業投資を行う際の資金調達のパートナーともなり得ます。
しかし、このような金融機関を用いた資金調達の与信審査では、取引内容がわかる自社での口座があるかどうか、社員の給与受け取りの口座が開設されているかどうか、という点が重視されることがあります。
GMOあおぞらネット銀行はメガバンクや地銀と比較してビジネス利用できるローン商品が少なく、選択肢が狭まってしまうというデメリットがあります。また、小規模なビジネスを想定していることから、融資の限度額も少額に設定されています。
金融機関とのビジネス上との関係性作りにおいては、日々の入出金を行うメインバンクの設定も重要なポイントとなってきます。将来的に行いたい事業規模や資金調達を視野に入れ、GMOあおぞらネット銀行をメインバンクとするかどうか、検討しておくことも大切です。
4.GMOあおぞらネット銀行の法人口座を開設する手順
GMOあおぞらネット銀行の法人口座を開設する流れは、大きく分けて以下4つの手順となります。それぞれ詳しくみていましょう。
- 法人口座開設ページにアクセスする
- 法人口座開設ナビにログインする
- 必要書類をアップロードか郵送にて提出する
- 審査後、ログイン情報を郵送で受け取る
4-1.法人口座開設ページにアクセスする
GMOあおぞらネット銀行の「法人口座開設ページ」にいき、「口座開設はこちらから」というボタンをクリックして申し込みを行います。その際、取引責任者の本人確認にセルフィ―動画を利用できるかどうかを確認するため、いくつかの質問へ回答します。
4-2.法人口座開設ナビにログインする
質問への回答を終えたら、メールで送られてきた法人口座開設ナビにログインし、事業内容を入力します。代表者と取引責任者が同一の場合と異なる場合で、提出書類が異なるため注意しましょう。
なお、メールを紛失してしまうなどでログインURLが分からない場合には、「法人口座開設ナビ」のページからログインすることができます。
4-3.必要書類をアップロードか郵送にて提出する
提出書類は、アップロードまたは郵送のいずれかを選択することが可能です。なお、資料の種類によってはアップロードを行う際に紙の資料のPDF化が必要になることがありますが、スマートフォンで撮影後にPDF化を行うことでも対応可能です。
郵送の場合は、申込フォーム完了画面より印刷できる口座開設書類チェックリスト(兼送付状)を同封し、切手不要の印刷用送付ラベルを定形封筒に貼り付けて送付します。受付番号が印字されてない場合は、受付完了メールに記載の14桁の英数字を記入しましょう。
4-4.審査後、ログイン情報を郵送で受け取る
審査完了後、GMOあおぞらネット銀行から「転送不要の簡易書留郵便のお届け」と「初回ログイン情報のお知らせ」が送付されます。取引責任者と法人の登記住所の両方で郵便物の受け取りができない場合、口座の利用制限や口座解約となってしまうため注意しましょう。
まとめ
GMOあおぞらネット銀行は、取引手数料が安いことや、オンラインで口座開設を完了できる手間の少なさなど、個人事業主の方や設立間もない新設法人でも口座開設を検討しやすい特徴を持っていると言えます。
しかし、法人口座の開設には業務実態の証明が必要となり、事業実態をこれから作ろうという段階では口座開設のハードルが非常に高いと言えます。その他、他行への振込には手数料がかかること、2021年10月時点では海外送金に対応していないことにも注意が必要となります。GMOあおぞらネット銀行の利用を検討する際は、これらのポイントに問題がないか確認しておきましょう。
なお、法人口座の審査に落ちてしまった場合でも、申し込み時の事業内容の情報を増やすことで再トライが可能です。まだ事業実態の少ない法人である場合は、日々の業務を積み重ねておき、口座開設の審査に備えておくと良いでしょう。
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