投資デビューのための株式投資の基本と始め方を徹底解説
株式投資とは、値上がり益や配当金を得るために、企業が発行する株を売買することです。「難しい」「損をだしそう」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、正しい知識を身につければ、初心者でも株式で資産運用することができます。
この記事では、株式投資の基礎知識と始め方について解説します。
目次
- 株式投資のメリット
1-1.値上がり益(キャピタルゲイン)
1-2.配当金
1-3.株主優待 - 株式投資の主な注意点
2-1.元本割れリスクがある
2-2.値動きが比較的激しい
2-3.銘柄選定には時間と知識が必要
2-4.配当・株主優待が停止、改悪されることも - 株式投資はネット証券で始めるとメリットが大きい
3-1.SBI証券
3-2.楽天証券 - NISAを利用する
- 初心者は少額で株式投資を始めるようにする
- 投資初心者は配当や株主優待などのインカムゲインをメインにする
- 株式は長期保有する
- まとめ
1.株式投資のメリット
株式投資の主なメリットは、以下の3つです。
1-1.値上がり益(キャピタルゲイン)
株価は月~金まで毎日変動しています(祭日を除く)。そして、購入したときよりも高い株価で売却すれば、値上がり益を得られます。この値上がり益を「キャピタルゲイン」ともいい、株式投資の大きな魅力です。成長半ばの企業に先行投資して成功すれば、元の株価から数倍、数十倍にも上昇するケースもあります。
1-2.配当金
株を買うということは、その会社の株主になるということです。会社は利益の一部を株主に分配します。これを「配当金」といいます。利益が大きい会社ほど、配当金も多い傾向にあります。ただし、企業成長のための投資に資金を積極的に投下していたり、業績が芳しくなかったりする企業では、配当金を出さないところも数多くあります。
配当金の多さを見る指標の一つとして、年間の1株当たり配当金額を株価で割って求める「配当利回り」が挙げられます。この利回りをもとに投資する銘柄を選ぶのも一つの手段ですが、合わせて配当が継続的に実施されているか、一時的に配当が増加した(増配した)だけなのか、調査時点で株価が急落した状態にないかも確認しましょう。
1-3.株主優待
株主優待とは、企業が株主にサービスや自社製品などを提供するサービスです。株主優待は企業によって異なり、金券やお米を配るところもあれば、自社のサービスを提供するところもあります。また株主優待を実施していない企業もあります。
株主優待では、優待を日本円相当額に換算し、株価で割って求める「優待利回り」という尺度が使われることもあります。利回りが高いほどお得な優待が用意されているといえますが、実際に自身がメリットを享受できるかどうかで考えるのが一番です。
2.株式投資の主な注意点
一方、株式投資にはいくつか注意点もあります。投資を始める前に必ず押さえておきましょう。
2-1.元本割れリスクがある
株価は購入当初から常に上下するため、投資元本よりも価格が下がるリスクがあります。値上がり益が株式投資の魅力ですが、そのぶん値下がりの危険性もあるのです。
株価が下落するタイミングとしては、企業の決算が市場の想定より悪かった時、不祥事が報道された時、企業のビジネスモデルに悪影響を与える外部要因が生じた時、金融引き締めが行われた時、機関投資家が投資資金を引き揚げた時など様々です。全てを予測することは不可能ですが、最低でも今後の経営が不安視される銘柄への投資は避けるようにしてください。
2-2.値動きが比較的激しい
銘柄によって違いはあるものの、株は投資信託や債券といった他の主な投資対象と比べると値動きが大きく(=リスクが高い)、短期間で株価が上下する特徴があります。短期的な売買で早いうちに利益を得ることも狙えますが、日々の値動きに一喜一憂してしまうのは株式投資初心者が誰しも通る道だといえます。
人間の心理として、株価が上がって含み益が出ている際には欲が出て利益確定売りをためらい、逆に下がって含み損が出た時には「いずれ反転する」と考え、損切りをためらう傾向にあります。
しかし、株式投資で長期的に利益を目指すためにはリスク管理が必要です。つまり、「株価が一定まで上昇したら(あるいはいつまで保有したら)利益確定し、一定まで下落したら損切りする」というルールを明確に定め、それを厳守することによってリスクを限定し、大きな損失を出して市場から退場しないようにすることが必要なのです。
上記のルールを守るのは心理的な抵抗感もあって初心者には簡単とはいえない話なので、機械的に利益確定と損切りが可能になる「逆指値注文」に対応した証券会社を利用することが有効です。
2-3.銘柄選定には時間と知識が必要
投資する銘柄を選ぶには、その企業の業績や将来性に加え、短期的な値動きがどう推移するかを考えることも必要です。前者を判断するのに用いられるのがファンダメンタル分析、後者に用いられるのがテクニカル分析と呼ばれる手法です。
これらの知識を身につけ、利益が得られると見込んだ銘柄を購入するのが株式投資のセオリーです。しかし、初心者のうちは覚えるべき内容が多岐にわたるため、どうしても満足に分析を行うには手間暇がかかります。
とはいえ、十分な知識を蓄えてから投資を始めようとすると非常に時間がかかってしまうため、最初は後述の単元未満株などを利用して少ない金額からスタートし、普段使っていたり憧れていたりする商品を扱っている企業から投資する銘柄を選定してみるなど、ある程度カジュアルに考えることも一つの選択肢となります。
2-4.配当・株主優待が停止、改悪されることも
配当や株主優待は、企業の業績の悪化などの要因で廃止されたり、減少されたりするリスクがあります。これらも企業の将来性に関連してくる要素なので、ファンダメンタル分析を習得することで安定的に配当や株主優待を得られる確率を上げられます。
3.株式投資はネット証券で始めるとメリットが大きい
株は証券会社の店頭や電話でも買えますが、インターネットを利用して買うと大きなメリットがあります。インターネットを利用すれば、豊富な情報を素早くゲットでき、手軽に注文できるからです。
加えて、インターネットでの取引に特化し、店舗を持たない「ネット証券」であれば、店舗を持つ従来型の証券会社でのインターネット取引に加えてさらに手数料が安く、使いやすく便利な取引ツールやお得なポイント制度(投資でポイントが貯まる&投資にポイントが使える)を採用しているなど、株式投資初心者にとってもハードルが低いため利用しやすいといえます。
ここでは、個人投資家に人気のネット証券2社を紹介します。
3-1.SBI証券
SBI証券は、多くの個人投資家から支持を得ている証券会社で、オンライン金融サービス大手のSBIグループの中核をなす企業の一つです。国内株だけでなく、投資信託や外国株、FXなど豊富な金融商品を取り扱っているのが強みです。
1日定額コースを利用すれば、1日の合計約定金額100万円までは手数料がかからないので、少額で株式投資を始めたい投資家にも適しています。
【関連記事】SBI証券の評判は?メリット・デメリットやおすすめの使い方も
3-2.楽天証券
楽天証券では、株式の取引金額に応じて楽天ポイントがもらえるのがメリットです。また、買い物などで貯まった楽天ポイントで株式を購入することも可能です。そして、「Market Speed」などの取引ツールは豊富な情報量で、銘柄選びの参考になる情報が数多くあり、初心者から上級者まで愛用する投資家が数多く存在します。
【関連記事】楽天証券のメリット・デメリットは?手数料の他社比較も
4.NISAを利用する
はじめて証券会社で口座開設するときは、「NISA」を利用するようにしましょう。NISAとは、2014年から始まった少額から投資を行うための非課税制度で、株式の譲渡益(値上がり益)や配当金が非課税になります。
通常、株式の譲渡益や配当金には約20%の税金がかかりますが、これが非課税になるので非常にお得な制度です。非課税枠は年間120万円、非課税期間は5年間と決まっていますが、少額から株式投資を始めたいと考えている人は、積極的にNISA口座を利用しましょう。
5.初心者は少額で株式投資を始めるようにする
株式は、売買が100株単位と決められています。ですから、株価が5,000円の銘柄を購入しようとすれば、最低でも50万円(5,000円×100株)の資金が必要になります(手数料等を考慮せず)。株価が高い銘柄を購入するには、ある程度まとまった資金が必要というのは、投資初心者にとって高いハードルとなっているのです。
しかし、単元未満株の制度を利用すれば、1株単位で株式を購入できます。株価5,000円の銘柄であれば、5,000円(5,000円×1株)で購入できるのです。
さきほど紹介したSBI証券などでは、単元未満株制度を利用できます。単元未満株でも配当金を受け取れます。ただし、株主優待は100株以上としている企業が多いので、単元未満株では株主優待を受けられない可能性が高い点には注意が必要です。
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6.投資初心者は配当や株主優待などのインカムゲインをメインにする
投資初心者は、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うより、配当や株主優待をメインにした投資を意識するようにしたほうが無難です。配当や株主優待狙いの投資を「インカムゲイン投資」といいます。インカムゲインとは、株式を保有していると得られる利益です。
キャピタルゲイン狙いでは、株価が思惑と逆に動いた場合に大きな損失となる可能性があります。一方インカムゲイン狙いの投資でも株価が下落すれば損失が発生しますが、配当や株主優待はもらえます。
ただし、業績悪化により配当や株主優待がなくなる可能性もあるので、業績をチェックして利益がきちんと出ているなど堅調に推移している企業の株式を保有することが大切です。
7.株式は長期保有する
インカムゲイン狙いの株式投資では、長期保有が前提となります。株式を保有していれば、毎年、配当金や株主優待が受け取れる期待があるからです。また短期で取引すると手数料などのコストも多くかかりがちですが、保有しているだけなら費用はかかりません(信用取引は除く)。
ただ、株は長期保有を前提としていても、いつでも売ることが可能です。たとえば、株価が2倍、3倍と大きく値上がりしたときは売却して、値上がり益を取ってもいいのです。
基本はインカムゲイン狙いで長期保有しながら、大きく値上がりしたら売却するというスタンスが、株式投資で利益をあげやすい手法の一つになります。ただし、株価は値下がりすることもあるので、業績が悪化したときなどは売却を検討することも大切です。
まとめ
株式投資のハードルは、以前に比べて下がってきています。単元未満株を利用すれば少額から投資できますし、SBI証券や楽天証券などのネット証券を利用すれば、1日100万円以下の株式の購入には手数料もかからないからです。
まずは少額から始め、慣れてきたら金額を増やすようにしてください。
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