金融庁、日本円連動のステーブルコイン発行体を制限か
日本の金融庁が、法定通貨を裏付けとするステーブルコインに規制をかける方針であることが12月7日に明らかとなった。日本経済新聞が報じている。
規制内容は、ステーブルコインの発行体を銀行と資金移動業者に限り、仲介業者も新たに監督対象とするというもの。先行してステーブルコインが普及している米国での規制強化の流れにあわせ、金融庁も発行と仲介の両面から規制する方針のようだ。
ステーブルコインの発行体を顧客保護が義務付けられている銀行と資金移動業者に限定することで、利用者のリスクを抑えることが期待できるとしている。また、ステーブルコインの取引や管理を行う仲介業者を監督対象に加えることにより、ユーザーの本人確認や犯罪の疑いのある取引を監視し、マネーロンダリング対策の強化も見込まれている。
規制導入の背景には米国でステーブルコインの安全性を疑う声があがっていることがあるようだ。米ドル連動のステーブルコインTether(USDT)では、発行体であるTether社が持つ担保資産の約半分がコマーシャルペーパーなどのリスク資産であったことが発覚し、問題視されている。
これを受けて米金融当局は11月、ステーブルコインの価値急変で利用者が損失を負うリスクを挙げ、発行体に銀行と同等の規制をかけるよう議会に申請しているようだ。欧州でもステーブルコイン発行体への規制案が公表されており、各国でステーブルコインの安全性が見直されている。
日経新聞によると、金融庁は2022年の通常国会で今回の規制内容を含めた資金決済法改正案の提出を目指しているとのことだ。
現在発行されている日本円連動のステーブルコインには、JPYC社が発行するJPY Coin(JPYC)がある。同社は12月6日、大手百貨店の松屋銀座にてJPYCでの代理購入サービスを開始。JPYCを保有したユーザーがJPYC社に購入する商品を申請し、同社が松屋銀座から商品を代理で購入してユーザーに販売する仕組みとなっているようだ。
JPYC社は他にも、JPYCをQUOカードPayに交換できるサービスの提供やJPYC決済による徳島県海陽町へのふるさと納税の計画など、ユースケースの拡大に力を入れている。
【参照記事】円連動の仮想通貨、発行は銀行・資金移動業のみ 金融庁
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