東京の不動産投資で融資を受けられる銀行・金融機関は?7行の金利や条件を比較

不動産投資は住宅ローンではなく、不動産投資用のローン商品を活用することになります。各金融機関では不動産投資用のローン商品を用意していますが、詳細が異なっており細かくチェックする必要があります。

そこで今回のコラムでは、東京で不動産投資を行う場合に利用できる不動産投資ローンを、比較して紹介します。

目次

  1. 東京の不動産投資でローンを利用できる銀行・金融機関
  2. 都市銀行(メガバンク)の不動産投資ローン
    2-1 みずほ銀行(商品名:アパートローン)
    2-2 三井住友銀行(商品名:直担アパートローン)
  3. 地方銀行の不動産投資ローン
    3-1 横浜銀行(商品名:アパートローン)
    3-2 千葉銀行(商品名:ちばぎん金利選択型アパートローン)
  4. ネット銀行の不動産投資ローン
    4-1 オリックス銀行(商品名:不動産投資ローン)
  5. 信用金庫・信用組合の不動産投資ローン
    5-1 SMBC信託銀行(商品名:不動産投資ローン)
    5-2 東京シティ信用金庫(商品名:シティアパートローン「うるおい」)
  6. まとめ

1 東京の不動産投資でローンを利用できる銀行・金融機関

不動産投資ローンの注意点は、住宅ローンとは違い、申込者の居住地と融資対象不動産の所在地が異なることです。東京都内の不動産を購入して不動産投資を行う場合は、東京都内を対応エリアとしている必要があるのです。

金融機関は大きく、都市銀行(メガバンク含む)、地方銀行、ネット銀行系、ノンバンク系、信用金庫・信用組合といったように分けることができますので、今回は次の7つの金融機関について紹介していきます。

分類 金融機関
メガバンク みずほ銀行
三井住友銀行
地方銀行 横浜銀行
千葉銀行
ネット銀行など オリックス銀行
SMBC信託銀行
信用金庫・信用組合 東京シティ信用金庫

具体的な条件などは、次の項目から見ていきましょう。

2.都市銀行(メガバンク)の不動産投資ローン

2-1 みずほ銀行(商品名:アパートローン)

日本の主要金融機関の一つに数えられるみずほ銀行は、東京都千代田区に本社を構える都市銀行です。国内のネットワークは、2021年6月30日時点で463ヵ所となっており、全都道府県庁所在地および政令指定都市に必ず1つ以上の店舗を展開しています。こうした幅広い展開は、3大メガバンクの中でも唯一です。

賃貸用物件を購入する際に申し込みができるローンの商品名は「アパートローン」です。下記の表が概要になります。

項目 内容
利用できる人 ・満20歳以上
・安定した収入があり、前年度の税込年収が200万円以上
借入金額 50万円以上5億円以内(1万円単位)
借入期間 1年以上35年以内(1年単位)
返済方法 毎月元利均等返済
保証人 申込内容によって、連帯保証人が必要になる
担保 融資対象となる不動産に、原則として借入金額の110%の金額にて第1順位の根抵当権を設定
金利 ・連動金利方式
・固定金利選択方式(2年、3年、5年、10年、15年、20年のいずれか)
・全期間固定金利方式

※参照:みずほ銀行「アパートローン

みずほ銀行で融資を受ける場合、支店が多いため利用しやすいといったメリットがあります。また前年度の税込年収が200万円以上という条件となっていますが、こちらは融資審査に通る目安ではなく、申し込みに必要な最低年収となります。

融資審査は簡単ではなく、サラリーマンの方が不動産投資の融資相談をするケースは多くありません。希望する場合は、不動産会社などに相談してみましょう。

2-2 三井住友銀行(商品名:直担アパートローン)

三井住友銀行は、東京都千代田区に本社がある三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)の中核企業です。3大メガバンクの一角を占める都市銀行で、国内に展開する本支店の数は2021年9月30日時点で453ヵ所となっています。

同行では不動産投資向けのローン商品として「直担アパートローン」を提供しています。詳しく見てみましょう。

項目 内容
利用できる人 借入時の年齢が満20歳以上
借入金額 200万円以上(10万円単位)
借入期間 1年以上35年以内(1カ月単位)
返済方法 元利均等返済方式か元金均等返済方式のいずれか
保証人 個人の場合、連帯保証人は原則不要
担保 融資対象となる不動産に、抵当権を設定
金利 ・変動金利型(毎月1日に金利を見直し)
・固定金利特約型(2年、3年、5年、10年、15年、20年のいずれか)

※参照:三井住友銀行「アパートローン

三井住友銀行もメガバンクで支店も多いことから、利便性が高いと言えます。ただしみずほ銀行同様に融資審査が厳しいことが予想されますので、不動産会社からのアドバイスも参考にしましょう。

3.地方銀行の不動産投資ローン

3-1 横浜銀行(商品名:アパートローン)

神奈川県横浜市に本社を置く横浜銀行は、総資産額が国内最大を誇る地方銀行です。神奈川県および東京都町田市を経営基盤としていますが、アパートローンは東京都内の不動産も対象になります。

国内の拠点数は、2021年4月30日時点で無人店舗(ATM)も合わせて632ヵ所となっています。

項目 内容
利用できる人 ・借入時の年齢が満20歳以上
・所定の審査基準を満たす
借入金額 3億円以内かつ必要資金の範囲内
借入期間 ・新築物件の場合は、鉄筋コンクリート等耐火構造であれば35年以内、など
・中古物件の場合は、鉄筋コンクリート等耐火構造であれば(35年-築後経過年数)以内、など
返済方法 元利均等返済か元金均等返済のいずれか
保証人 1名以上の保証人が必要となる場合がある
担保 融資対象となる不動産に、抵当権を設定
金利 ・変動金利(年2回見直し)
・固定金利指定型(2年、3年、5年、10年、15年、20年のいずれか)

※参照:横浜銀行「アパートローン

横浜銀行のアパートローンは、借入期間が物件の構造によって細かく設定されており、希望の借入期間にならないこともあります。

また、金利タイプの固定金利指定型15年および20年は取扱総額に限りがあるため、申し込みができないケースもあります。物件の条件によっては、保証人を求められる可能性があることも注意点として覚えておきましょう。

3-2 千葉銀行(商品名:ちばぎん金利選択型アパートローン)

千葉銀行は千葉県千葉市に本店を置く地方銀行です。国内には183店舗(2021年3月31日時点)を展開しており、東京都内にも展開しています。

アパートローンは、東京都内の不動産でも申し込みすることが可能です。概要を詳しく見てみましょう。

項目 内容
利用できる人 ・借入時の年齢が満20歳以上(団体信用生命保険を付保する場合は、満20歳以上満70歳未満)
・原則として安定した収入がある
・ちばぎん保証(株)の保証を受けられる
・不動産賃貸を本業としていない
借入金額 1億円以上(10万円単位)
借入期間 1年以上35年以内(1年単位)
返済方法 元利均等毎月返済
保証人 ちばぎん保証(株)の保証が必要
担保 融資対象不動産を担保とし、ちばぎん保証(株)が第1順位の抵当権を設定
金利 ・変動金利
・固定金利(適用期間3年、5年、7年、10年のいずれか)

※参照:千葉銀行「ちばぎん金利選択型アパートローン

固定金利の適用期間が3年、5年、7年、10年から選択できますが、他行では20年まで選べるケースもあるため、比較して短く設定されていると言えます。また、複数の賃貸用不動産を所有するなど、不動産収入が収入の多くを占める場合は不動産賃貸を本業にしていると見なされ、利用できないケースがあります。

4.ネット銀行の不動産投資ローン

4-1 オリックス銀行(商品名:不動産投資ローン)

オリックス銀行は、東京都に本社を置く銀行です。山一證券の信託子会社でもあったことから、信託事業も兼営しています。

主力商品は、インターネット専用定期預金「eダイレクト預金」、カードローン、投資用不動産ローンなどで、不動産投資ローンは東京都内の不動産でも活用することができます。

項目 内容
利用できる人 ・原則、日本国内在住で、所定の資格・要件を満たす
・借入時の年齢が満20歳以上60歳未満で、最終返済時の年齢が80歳未満
・原則、同一勤務先に3年以上勤務(自営業の場合は営業開始後3年以上経過)
・原則、前年度の税込み年収(自営業の方は所得)が500万円以上で、返済期間中、安定した収入が見込める
借入金額 1,000万円以上2億円以内(10万円単位)
借入期間 1年以上35年以内(1カ月単位)
返済方法 毎月元利均等分割返済
保証人 融資対象不動産の共有者は、原則として連帯債務者または連帯保証人となる(その他、同行の判断により、連帯債務者または連帯保証人が必要になることがある)
担保 融資対象不動産に原則、第1順位の抵当権を設定
金利 ・変動金利(年2回見直し型)
・固定金利期間特約付変動金利型(3年固定金利特約型/5年固定金利特約型のいずれか)

※参照:オリックス銀行「不動産投資ローン

オリックス銀行の不動産投資ローンを活用したい場合は、住宅ローンプラザでの申し込みが必要になります。住宅ローンプラザは、東京都、大阪府、愛知県、福岡県にあり、東京都の場合は港区芝に位置しています。

こちらで申し込みを受け付けているため、通えるかどうかも判断ポイントとなります。

5.信用金庫・信用組合の不動産投資ローン

5-1 SMBC信託銀行(商品名:不動産投資ローン)

SMBC信託銀行は、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)傘下の信託銀行です。2021年11月30日時点で本支店を合わせて30店舗を展開しています。

不動産投資ローンは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の関東4都県で利用できます。詳しく見てみましょう。

項目 内容
利用できる人 ・借入時の年齢が満20歳以上、完済時の年齢が満80歳の誕生日まで
・指定の団体信用生命保険への加入が必要
・日本国籍、または日本に居住されている外国籍の人
・前年度の年収(自営業の方は申告所得)が700万円以上の、安定した収入がある
借入金額 500万円以上1億円以内(10万円単位)
借入期間 1年以上30年以内
返済方法 元利均等返済
保証人 不要
担保 融資対象不動産に、第1順位とする抵当権を設定
金利 固定金利型の各金利期間タイプ(1年型、3年型、5年型、7年型、10年型のいずれか)

※参照:SMBC信託銀行「不動産投資ローン

SMBC信託銀行の不動産投資ローンを活用するには、前年度の年収が700万円以上という条件がありますので、ハードルはやや高めと言えます。

また借入時の事務手数料が165,000円となっており、他行に比べるとやや高めの設定(三井住友銀行のローン取扱手数料は110,000円、横浜銀行の取扱手数料は110,000円)になっています。

5-2 東京シティ信用金庫(商品名:シティアパートローン「うるおい」)

東京シティ信用金庫は、東京都中央区に本店を置く信用金庫です。2000年(平成12年)3月に、日本橋信用金庫、東商信用金庫、京橋信用金庫、帝都信用金庫の合併によって設立され、店舗数は東京都内を中心に30店舗を展開しています。

不動産投資用のローンは、所有地に建物を建築する際に申し込めるアパート・マンションローン「大家さん」もありますが、今回はシティアパートローン「うるおい」の概要を紹介します。

項目 内容
利用できる人 ・同金庫の会員、もしくは会員の資格を有する
・年齢が満20歳以上(融資実行時または最終期限時の年齢が75歳を超える場合は、法定相続人の方を連帯債務者、もしくは法定相続人の方全員を連帯保証人とする)
・安定した収入がある
借入金額 200万円以上3億円以内
借入期間 30年以内(ただし耐用年数以内)
返済方法 毎月元金均等返済か元利均等分割返済のいずれか
保証人 事業承継見込の法定相続人(未成年者を除く)1名以上を連帯保証人(法定相続人が連帯債務者の場合を除く)とする
担保 融資対象不動産に、抵当権または根抵当権を設定
金利 ・変動金利型
・固定金利特約型(3年、5年、10年のいずれか)

※参照:東京シティ信用金庫「シティアパートローン「うるおい」

信用金庫ですので、ローンを活用する場合は同金庫の組合員になる必要があります。ただし、家賃の振込先に設定するなどで金利を優遇してくれる制度もあります。詳細は問い合わせてみましょう。

まとめ

不動産投資では、金融機関からより良い条件で融資を受けることで、投資効率を上昇させることができます。申し込みの条件を確認し、書類を用意するなど適切に対応しましょう。

申し込み時のほか、物件の引き渡し時など何度か訪れることになります。来店しやすいかどうかという視点で検討してみるのも良いでしょう。

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