【重要ニュースまとめ(12/18~12/24)】ジャックドーシー氏が現状のWeb3.0の中心にいるVCを批判、UniswapがPolygonへの対応を完了

今回は、***の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. ジャックドーシー氏がWeb3.0に疑問を呈する
    1-2. 暗号資産業界のM&Aが1年で131%増加
    1-3. Krakenベンチャーズが6,500万ドルを調達
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. 日本円ステーブルコイン規制に信託会社も追加検討
    2-2. KrakenがStakedを買収
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. MITやハーバード、オックスフォードなどが共同でEduDAOを設立
    3-2. UniswapがPolygon上でローンチ
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

ジャックドーシー氏がWeb3.0に疑問を呈する

元TwitterのCEOであるジャックドーシー氏が、現状のWeb3.0と呼ばれるムーブメントに対して疑問を呈しました。ドーシー氏は、「Web3.0はあなたが所有しているわけではない。VCとその先にいるLPのものだ。見え方が違うだけで、結局は中央集権型組織であることに変わりはない」とツイートしています。

このツイートは、多くの関係者を巻き込んだ一連の論争を巻き起こしました。ドーシー氏の意見に賛同する人物としてはイーロンマスク氏などがあげられ、反対する人物はa16zなどVC側の人々です。

一概にどちらが正しいかという話ではないものの、加熱するWeb3.0領域への投資マネーの流入に警告が鳴らされたことは事実でしょう。

【参照記事】https://twitter.com/jack/status/1473139010197508098

暗号資産業界のM&Aが1年で131%増加

2021年は暗号資産関連のM&Aが過去最高の件数と金額となりました。1年間で197件のM&Aが成立し、計60億ドルが動いています。

件数としては昨年比130%となっている一方で、金額は昨年比730%となりました。これは、1件あたりの金額が大幅に上昇していることを意味します。実際、過去に成立したM&Aの金額のうち、上位15件のうち12件が2021年のものです。

M&Aをリードするのは、主に海外の暗号資産取引所だと言えるでしょう。今年の値上がりで大きく利益を計上し、内部に溜め込まずにM&Aへ回したことが結果に現れています。

【関連記事】暗号資産業界のM&Aが前年比で131%増加

Krakenベンチャーズが6500万ドルを調達

米暗号資産取引所Kraken傘下のベンチャーファンドKraken Venturesが、投資資金として6,500万ドルを調達したことを発表しました。

投資領域は、DeFiや金融インフラをはじめとするWeb3.0領域から、人工知能などの先端テクノロジーまで幅広く対象にするといいます。主に欧米からスタートし、ヨーロッパでも積極的に投資活動を行うようです。

Krakenは、老舗の取引所としてのこれまでの経験を活かし、資金面だけでなくアドバイザリーも提供していくとしています。Krakenによると、ヨーロッパでは機関投資家の資金が暗号資産市場に流入し始めており、2022年は暗号資産とFinTechが交わる部分に注目しているとのことです。

【関連記事】Kraken Venturesの暗号資産ファンドが6,500万ドルを調達

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

日本円ステーブルコイン規制に信託会社も追加検討

日本の金融庁は、ステーブルコイン規制の対象に信託会社も追加する方針で動いているようです。将来的に信託会社もステーブルコインの発行体になることが想定されるとしています。

金融庁は、ステーブルコインの発行体を銀行・資金移動業のライセンスを取得している企業に限定する意向を示していることが報じられていました。今回、この計画に追加する形で信託会社が対象となり、来年の通常国会で提出する予定だとされています。

日本国内に閉じると、ステーブルコイン市場はまだそこまで大きくないにも関わらず、これだけ先手先手で規制に動く背景には、ステーブルコインの容態があると考えられます。ステーブルコインの発行体は、銀行と同等の機能を有しているため、将来的に手がつけられなくなる前に管理下に置こうという魂胆でしょう。

【関連記事】金融庁、日本円ステーブルコイン規制に信託会社を追加へ

KrakenがStakedを買収

Kraken Venturesの設立を発表したばかりに暗号資産取引所Krakenが、ステーキングサービスを運営するStakedを買収しました。金額は公開されていないものの、今年のM&Aの中で最大規模に及ぶといいます。

Stakedは、PoSを採用するブロックチェーンネットワークに対してステーキングサービスを提供する会社です。PoWにおけるマイニング企業と同じ役割を果たします。ユーザーは、ネットワークに対して直接ステーキングするのではなく、Stakedのサービスを通してステーキングすることができます。こうすることで、セットアップや運用のコストを削減できるのです。

イーサリアムをはじめとして、昨今のブロックチェーンは多くがPoSを採用しています。これは、マイニングによる環境問題が背景にあるため、今後もこの傾向は続きそうです。そうなった場合に、Stakedのようなステーキングサービスはさらに需要が高まるでしょう。

【参照記事】Kraken Acquires Staked to Support Growth and Resilience in One of Largest Crypto Industry Deals to Date | Business Wire

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

MITやハーバード、オックスフォードなどが共同でEduDAOを設立

MITやハーバード、オックスフォードなどの米一流大学が共同で、教育分野での自律分散型組織EduDAOを設立しました。外部より3,300万ドルの活動資金を調達しており、教育分野のプロジェクトに対して毎年1100万ドルを提供していくとしています。

EduDAOから資金を獲得したプロジェクトおよびそこで活動する学生は、資金提供者の運営するプロトコルガバナンスに参加することが条件のようです。資金提供者としては、優秀な学生を獲得するための戦略と位置付けているのではないでしょうか。

米国では、多くの大学が学内でブロックチェーンへの取り組みを積極的に支援しており、多数の研究プロジェクトが立ち上がっています。これらのプロジェクトに在籍していた学生は、大学を卒業後に事業を立ち上げるケースが多く、良いサイクルが回っていることがわかります。

【関連記事】MITやハーバード、教育分野でDAOを設立

UniswapがPolygon上でローンチ

DEX大手のUniswapは、イーサリアムのサイドチェーンPolygonへの対応を発表しました。高騰するイーサリアムのガス代問題を避けた形です。Polygonへ対応するのはUniswapのv3からであり、v2以前は引き続きイーサリアムがメインとなります。

Uniswapは、すでにイーサリアムのセカンドレイヤーであるOptimismとArbitrumに対応しています。基本的にイーサリアムエコシステムに閉じた対応を拡大してきたUniswapですが、昨今のPolygon人気を受け今回の対応を行なったものと見られます。

2021年はマルチチェーン化が急速に進んだ1年でしたが、来年のイーサリアム2.0の進捗度合いでは、再びイーサリアムが息を吹き返すことも予想されています。

【参照記事】Uniswap, the #1 Ethereum App, Is Live On Polygon

まとめ、著者の考察

今週は、ジャックドーシー氏のツイートやKrakenによるStakedの買収などが話題になりました。ドーシー氏の指摘するように、現在の暗号資産・ブロックチェーン市場における投資熱は過熱気味であり、それを牽引しているのがVCです。

VC側の主張としては、ベンチャー投資を行うことで新たな雇用が創出され経済に還元されているといった内容であり、投資が盛り上がること自体は決してネガティブなことではないと考えています。

一方で、情報の非対称性が生じていることも事実であり、透明性を担保して健全な投資が促進されるような整備も必要です。2022年はどういった領域に資金が集まるのか、引き続き注目していきましょう。

【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法

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