2021年はマルチチェーンの時代、ガス代とDeFiがきっかけに
米暗号資産メディアThe Blockが、イーサリアムを含む複数のブロックチェーンが注目を集める「マルチチェーン化」の時代となった2021年を包括した。DeFi市場が盛り上がったことで、BSC(Binance Smart Chain)とAvalancheなどのブロックチェーンが恩恵を受けたとしている。
イーサリアムのスケーラビリティ問題によりガス代が高騰したことで、2021年はイーサリアム以外のブロックチェーンに資金やユーザーが流れる1年となった。これをマルチチェーン化といい、2021年を象徴するトレンドとなっている。
マルチチェーン化により、BSC、Avalanche、Solana、Terra、Algorandといったブロックチェーンが知名度を高めた。そのほとんどは、イーサリアムと比べて処理性能が高く、ガス代が低いことを特徴としている。
The Blockによると、マルチチェーン化が本格化した要因はDeFi市場の盛り上がりにあるという。DeFi市場への資金供給量を示すTVL(Total Value Locked)は、2021年初の161億ドルから、年末には1,000億ドルを超える水準に到達している。
これらの資金をイーサリアムだけでは処理することができなくなった結果、他のブロックチェーンに流れる結果となったのだ。2021年11月時点では、DeFiにおけるイーサリアムのシェアは63%にまで下落している。
中でも、BSCは最初に頭角を表したブロックチェーンだと説明。5月にはDeFi市場におけるTVLの26%を占めるまでに成長した。その後、相次ぐDeFi関連のハッキング事件などの影響で徐々にシェアを落とす結果となっている。
マルチチェーン化が加速するにつれて、各チェーンは独自のトークンを配布するようになった。Avalancheの開発を主導するAva Labsは、総額1億8,000万ドルのAVAXトークンを配布している。この流れは、新型コロナウイルスによる金融政策の一環である「給付金」を由来に、同じく暗号資産業界での給付金と呼ばれるようになった。
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