JR東海、2022年度の株主優待は?配当や権利確定日、注意点も
株主優待は、企業が株主に対して自社製品や金券、優待券などを贈呈する制度で、上場企業の約4割が株主優待を実施しています。東証一部上場企業のJR東海(東海旅客鉄道)も株主優待を実施する企業の1つです。今回は2022年度のJR東海の株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年1月29日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- JR東海の株主優待の内容
- 株主優待割引券の贈呈
2-1.優待割引券を利用できないケースもある - JR東海の配当の内容
- JR東海の業績の内容
- JR東海の企業情報
- JR東海の株主優待を受ける場合の注意点
6-1.新型コロナウイルス感染症の影響により業績に影響する可能性がある
6-2.運賃・料金の値上げが業績に影響する可能性がある
6-3.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
6-4.権利付最終日での購入には注意
6-5.元本を毀損する可能性がある - まとめ
1.JR東海の株主優待の内容
銘柄 | 東海旅客鉄道(JR東海) |
コード | 9022 |
優待回数 | 1回 |
優待権利確定月 | 3月 |
株価 | 14,955円 |
優待を得るための最低投資額 | 1,495,500円 |
権利付最終日 | 2022年3月29日(火) |
※2022年1月29日時点のデータ
JR東海(東海旅客鉄道・9022)の株主優待の内容は下記のとおりです。
- 株主優待割引券の贈呈
それぞれ詳しく紹介します。
2.株主優待割引券の贈呈
JR東海の株主優待では、株主優待割引券がプレゼントされます。
所有株数と割引券の発行枚数は下記のとおりです。
所有株式数 | 発行枚数 |
---|---|
100株~1,000株まで | 100株ごとに1枚 |
1,000株超~10,000株まで | 10枚+1,000株超過分200株ごとに1枚 |
10,000株超~20,000株未満 | 55枚+10,000株超過分300株ごとに1枚 |
20,000株以上~50,000株未満 | 100枚 |
50,000株以上~100,000株未満 | 250枚 |
100,000株以上~ | 500枚 |
毎年3月31日の株式名簿に記録されている株主に対して、毎年5月下旬ごろに郵送される仕組みとなっています。
1枚の優待券を、運賃または料金どちらの割引にも利用できます。ただし、1枚の優待券を2人以上で使用することはできません。1枚の優待券につき1割引となり、優待券は同時に2枚まで(2割引)まで利用可能です。
割引の対象となるのは、JR東海の営業路線内となります。運賃の場合は片道に適用、料金の場合は、片道の特急車や急行車、グリーン車、指定席券で、改札を出ないで新幹線を相互に乗り継ぐ場合を除き、1列車にのみ利用可能です。
優待割引券の有効期限は発行翌年の6月30日までとなります。
なお、優待券は、営業路線内各駅の窓口やサポート付指定席券売機、JR東海ツアーズ各店にて利用可能です。
2-1.優待割引券を利用できないケースもある
注意点として、優待割引券を利用できないケースがあります。定期券や回数券、TOICA乗車券、寝台(運賃・料金)、企画商品、エクスプレス予約、スマートEXの購入の際に、優待割引は使用できません。
また、優待券によって発行する乗車券などに対して、他の割引の重複適用はされませんので注意してください。
3.JR東海の配当の内容
年度 | 1株配当(円) | 配当利回り |
---|---|---|
2017年3月期 | 135 | 0.74% |
2018年3月期 | 140 | 0.70% |
2019年3月期 | 145 | 0.56% |
2020年3月期 | 150 | 0.87% |
2021年3月期 | 130 | 0.79% |
※2022年1月29日時点のデータ
JR東海(東海旅客鉄道)の2017年3月期から2021年3月期の1株当たりの配当金額は130円から150円の間で推移しています。
配当利回りは、2019年3月期に0.56%に落ちこみましたが、それ以外の年度では0.70%~0.87%と一定水準で推移しているといえます。
4.JR東海の業績の内容
年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 包括利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017年3月期 | 1兆7,569億8,000万円 | 6,195億6,400万円 | 5,639億7,300万円 | 3,929億1,300万円 | 3,998億5,600万円 |
2018年3月期 | 1兆8,220億3,900万円 | 6,620億2,300万円 | 5,835億6,900万円 | 3,955億200万円 | 4,041億9,800万円 |
2019年3月期 | 1兆8,781億3,700万円 | 7,097億7,500万円 | 6,326億5,300万円 | 4,387億1,500万円 | 4,462億1,300万円 |
2020年3月期 | 1兆8,446億4,700万円 | 6,561億6,300万円 | 5,742億8,200万円 | 3,978億8,100万円 | 3,884億1,800万円 |
2021年3月期 | 8,235億1,700万円 | △1,847億5,100万円 | △2,620億6,400万円 | △2,015億5,400万円 | △1,659億100万円 |
※2022年1月29日現在のデータです。
※業績は連結
JR東海は、2017年3月期から2020年3月期まで順調に業績を残してきましたが、2021年3月期には売上高が前年比1兆円減となる8,235億円まで落ち込みました。その影響で、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益・包括利益がすべて赤字に転落しています。
令和4年3月期第2四半期決算短信(連結)に記載されている連結業績予想では、売上高は1兆円台を回復し、営業利益こそ黒字回復するものの、経常利益・純利益・包括利益は赤字のままになると見込まれています。
5.JR東海の企業情報
社名 | 東海旅客鉄道 |
業種 | 陸運業 |
代表者 | 金子 慎 |
決算 | 3月 |
資本金 | 1兆1,200億円 |
本社所在地 | 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 |
上場市場 | 東証一部 |
上場年月日 | 1997年10月 |
JR東海(東海旅客鉄道)は、鉄道サービスの提供をメインに展開する企業です。鉄道事業やバス事業による「運輸事業」、百貨店業務や車内・駅構内での物品販売などを手掛ける「流通事業」、不動産賃貸事業や不動産分譲事業などからなる「不動産事業」の3つの事業セグメントにて構成されているのが特徴です。
6.JR東海の優待を受ける場合の注意点
JR東海の株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。
- 新型コロナウイルス感染症の影響により業績に影響する可能性がある
- 運賃・料金の値上げが業績に影響する可能性がある
- 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
- 権利付最終日での購入には注意
- 元本を毀損する可能性がある
6-1.新型コロナウイルス感染症の影響により業績が悪化する可能性がある
JR東海では2021年3月期に業績が悪化し、営業損失などを計上しています。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、外出や移動の自粛が呼びかけられたためです。
2022年度の資産期決算短信によれば、売上高は増加しているものの、低水準での推移となっているのが現状です。
JR東海では、2022年度3月期の連結決算にて、平成30年度比の80%程度まで会計状況が回復すると見込んでいますが、実際にどうなるのかはわかりません。業績がさらに悪化するようなことがあれば、今後の株主優待の実施・内容にも影響する可能性があります。
株主の方やこれから株主になる予定の方は、十分注意して情報を仕入れるようにしましょう。
6-2.運賃・料金の値上げが業績に影響する可能性がある
新型コロナウイルス感染症の影響により、鉄道各社は固定費の圧縮などにより損失の穴埋めを行ってきましたが、それだけではカバーできない分を値上げによって補填しようとしています。
実際に、2022年にはJR東日本やJR西日本、北海道の3社による新幹線の指定席料金の値上げが実施されることになっており、他社の動向に視線が集まっています。
値上げによってさらに利用者が減少したり、損失の回復につながらなかったりする場合、業績にさらに影響する可能性もあります。先述したように、株主優待に影響することもあるため、チェックしておきましょう。
6-3.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
株主優待の内容は、今後変更・優待廃止となる可能性があります。そのような事態に陥った場合、同銘柄の株式が売却され株価が急落したり、損失が発生したりすることも考えられます。
株主優待が目的でも、株式投資を行うことに変わりはありません。関連する情報を仕入れて、適切な投資判断を下してください。
6-4.権利付最終日での購入には注意
権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入する場合は注意が必要です。人気が高い優待銘柄では、権利確定日に向かって株価は上昇しやすく、権利付最終日の翌日以降に大きく下落しやすいからです。
割高で購入した挙句、含み損を抱えるケースもあるため、十分注意してください。
6-5.元本を毀損する可能性がある
株式投資では、株価の値動きによって元本毀損のリスクが伴います。状況に応じて損切り(=損失を確定させるための売却)を行うべきケースもあるため、株価の動きは必ずチェックしましょう。
また、値動きによってどのように対応するか事前に決めておくことをおすすめします。
まとめ
今回はJR東海(東海旅客鉄道)の2022年の株主優待について紹介しました。
JR東海では100株以上を保有する株主優待割引券を贈呈しています。電車での移動や旅行が好きな方にとって魅力的な優待内容といえます。本記事を参考に、好きな株主優待を受けられる銘柄を探してみてはいかがでしょうか。
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