【重要ニュースまとめ(2/19~2/25)】OpenSeaユーザーのNFTが大量流出、業界全体としてフィッシング詐欺に注意喚起。無担保型ステーブルコインUSTが準備金を資金調達

今回は、2/19~2/25の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. シンガポール政府、NFTを規制する計画は今のところなしと表明
    1-2. ドルチェ&ガッバーナ、限定NFTコミュニティ「DGFamily」設立へ
    1-3. Sequoia Capitalが6億ドル規模の業界特化型ファンドを組成
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. UAEが暗号資産サービスプロバイダーのライセンス制を導入
    2-2. 米FTXがブロックチェーンゲーム事業をローンチ
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. OpenSeaユーザーのNFT300万ドル相当が流出
    3-2. ステーブルコインUSTの運営組織が準備金10億ドルを調達
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

シンガポール政府、NFTを規制する計画は今のところなしと表明

暗号資産・ブロックチェーン分野の先進国として知名度を高めているシンガポールが、現状はNFTに対して規制を整備する計画は立てていないことを明らかにしました。金融規制当局の担当大臣が言及しています。

大臣は、NFTのリスクについて、投機熱が弱まったタイミングで投資家が莫大な損失を被る恐れがあると指摘。また、法的な複雑性や権利問題の整理などが必要になる可能性を示唆しました。一方で、現時点では規制の必要性はないとし、中立的な姿勢を見せています。

シンガポールでは、1月に暗号資産関連の広告を規制するガイドラインが公開され、徐々に整理が始まっている様子を感じさせました。国内では、NFTやメタバースに取り組む企業がすでに9社以上存在するといいます。

【関連記事】シンガポール金融規制当局、現時点でNFTを規制する方針はないとの意向示す

ドルチェ&ガッバーナ、限定NFTコミュニティ「DGFamily」設立へ

イタリアのファッションブランドDolce&Gabbanaが、NFTを活用した独自コミュニティの設立を発表しました。メタバース上で展開されるコミュニティを通して、ユーザーへ新たなファッション体験を提供するといいます。

「DGFamily」と呼ばれる新たなコミュニティのメンバーには、限定NFTに加えて現物のファッションアイテムが付与される予定です。コミュニティへの入会には、DGFamily Boxesと呼ばれるNFTを購入する必要があります。

DGFamily Boxesは3種類用意され、レアリティが異なるようです。Polygon上のファッション特化NFTマーケットプレイスUNXDとの提携も発表され、限定NFTはUNXDを通して販売されることが予想されます。

【関連記事】ドルチェ&ガッバーナ、限定NFTコミュニティ「DGFamily」の設立へ

Sequoia Capitalが6億ドル規模の業界特化型ファンドを組成

大手ベンチャーキャピタルSequoia Capitalが、暗号資産特化のファンドを組成しました。ファンドサイズは5~6億ドルに及ぶといいます。

Sequoiaの特化型ファンドでは、主にトークンが投資対象になるようです。Sequoiaによると、未上場トークンに加えて上場済みのトークンにも投資を行うといい、例としてビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などもその対象になることが想定されます。

Sequoiaは、投資分野としてクロスチェーンの相互運用性やGameFiプロジェクトに関心を抱いているようです。今回のSequoia Crypto Fundは、Sequoiaにおける最初の暗号資産特化型ファンドであり、今後の設立も予定しているといいます。

【関連記事】Sequoia Capitalが暗号資産特化のファンドをローンチ

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

UAEが暗号資産サービスプロバイダーのライセンス制を導入

UAEが暗号資産関連事業者のライセンス制度を導入する意向であることがわかりました。3月までにライセンス付与が開始できるよう調整しているといいます。

UAE政府は、米国や英国などの経済先進国、シンガポールや香港などの暗号資産先進国の動向を考慮した上で、柔軟に変更が可能な規制を整備する考えです。暗号資産に対する捉え方も、完全な禁止ではなく適切な規制によってリスクを軽減できると言及しました。

UAEは、ドバイを中心に世界でもトップレベルの暗号資産先進国として知名度を高めています。世界的にはシンガポールやスイス、カナダといった国が台頭しており、UAEもこれに続く形です。

昨年12月には、ドバイ世界貿易センターに暗号資産規制特区を設立することも発表しました。暗号資産取引所Binanceとの提携も発表しており、今後さらなる誘致が加速しそうです。

【関連記事】UAE、暗号資産サービス提供にライセンス制度を導入

米FTXがブロックチェーンゲーム事業をローンチ

米暗号資産取引所FTXが、新たにブロックチェーンゲーム事業をローンチしました。外部のゲームプロジェクトが、ブロックチェーンゲームとしてのアップデートを行うことができるプラットフォームサービスになるようだ。

FTXによると、世界では20億人以上がゲームをプレイしているといい、これらの人々がNFTを活用することで新しいゲーム体験を提供する新規市場が生まれ始めているといいます。FTXは、急速に成長している取引所事業がゲームとのシナジーによって更なる盛り上がりを見せると説明しました。

FTXは昨年11月に、Solana VenturesおよびLightspeed Venture Partnersとともに1億ドルのブロックチェーンゲームファンドを設立しています。GameFiやPlay to Earnとして昨年注目を集めた市場が、今年も引き続き業界を牽引しそうです。

【参照記事】Crypto exchange FTX.US is launching a new gaming business

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

OpenSeaユーザーのNFT300万ドル相当が流出

NFTマーケットプレイスOpenSeaのユーザーを対象に、300万ドル相当のNFTが流出する事件が起こりました。32個のアカウントがフィッシング詐欺に遭っています。

OpenSeaのCEOによると、今回の事件はOpenSeaのプラットフォーム上で発生したものではないようです。犯人がOpenSeaに似たサイトおよびドメインを用意し、これにユーザーを誘導する形で実行されたといいます。

NFTや暗号資産は秘密鍵に管理され、全て自己責任となるのが特徴です。そのため、今回のような事件が起きた場合に、誰も補填してくれるわけではありません。OpenSeaのようなDAppsでは、MetaMaskなどのウォレットを接続することでサービスを利用しますが、簡単にウォレットを接続できてしまうことから、悪意あるサイトに誤ってウォレットを接続してしまうと秘密鍵を抜き取られてしまうのです。

OpenSeaのCTOは、今回の事件に関連して再度秘密鍵の取り扱いに注意するよう促しています。また、今後はメールやチャットでのやり取りにも十分注意するよう警告しました。

【関連記事】NFTマーケットプレイスOpenSea、3億円相当のフィッシング詐欺被害

ステーブルコインUSTの運営組織が準備金10億ドルを調達

パブリックブロックチェーンTerraの開発およびTerra上の無担保型ステーブルコインTerraUSD(UST)を運営するLuna Foundation Guard(LFG)が、10億ドルの資金調達を行ったことを発表しました。

今回の資金調達は、TerraのネイティブトークンであるLUNAを販売することによるプライベートセールです。Jump CryptoやThree Arrows Capitalなどがこのトークンセールに参加しました。

調達した資金は、ステーブルコインUSTの準備金として使用されるようです。USTは無担保型のステーブルコインとして注目を集めていましたが、担保資産がないことで価格の安定性を維持することが難しく、市場の急騰・暴落といった万が一の事態に備え、準備金をビットコインで保有しておくとしています。

【参照記事】Luna Foundation Guard (LFG) Raises $1 Billion for a Bitcoin-Denominated Forex Reserve for Terra’s UST Stablecoin

まとめ、著者の考察

今週は、OpenSeaユーザーのNFT流出事件やステーブルコインUSTの運営組織による資金調達が話題となりました。OpenSeaの事件では、これまでに多く見られたフィッシング詐欺による被害であることが濃厚であり、業界全体として注意喚起を行うことが重要です。

ステーブルコインUSTの準備金確保の動きは予想外のものとなりましたが、より良いステーブルコインを作るという目的の元、あくまで無担保型に拘るのではなく、万が一の事態に備えておくという柔軟な姿勢は評価に値すると言えるでしょう。

日本と同じアジアのシンガポールやUAEでは引き続き業界をリードしようとする動きが見られ、小国としての戦略が浮き彫りとなっています。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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