クラウドバンクの海外ファンドの利回りやリスクは?投資前の注意点も

クラウドバンクは累計募集金額1,700億円超の実績を持ち、日本国内で運営中のソーシャルレンディングの中では第1位の実績を持っています。(2022年3月時点)2013年12月のソーシャルレンディングの運営開始から投資家の損失が発生したこともなく、多くの投資家から利用されています。

クラウドバンクの特徴の一つとして、海外ファンドを取り扱っている点が挙げられます。一口に海外ファンドと言っても、運用される国や対象によってその特徴は違ってきます。

そこで本記事ではクラウドバンクの代表的な海外ファンドを取り上げ、利回りやリスク、注意点をみていきます。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. クラウドバンクの海外ファンドの特徴
    1-1.米ドル建カリフォルニア不動産ファンド
    1-2.米ドル建カリフォルニア太陽光発電ファンド
    1-3.香港中小企業支援型ローンファンド
    1-4.「円投資」分散型先進国ローンファンドファンド
  2. クラウドバンクの海外ファンドのリスクと注意点
    2-1.為替変動リスク
    2-2.カントリーリスク
    2-3.プラットフォーム以外の情報を収集するハードルが高い
  3. まとめ

1.クラウドバンクの海外ファンドの特徴

クラウドバンククラウドバンクは、業界初のクラウドファンディング専業証券会社が運営するサービスで、バリエーションに富んだファンドに特徴があります。2013年10月にサービスを開始し、2022年3月時点でファンドへの応募金額1700億円超、融資元本回収率100%(2022年2月時点)、平均利回りは6.80%(※2021年3月末までの1年間に運用終了した税引前のファンド実績値)となっています。

クラウドバンクの代表的な海外ファンドの特徴や利回りを見ていきましょう。

1-1.米ドル建カリフォルニア不動産ファンド

クラウドバンクで最も多く募集されているのがアメリカ不動産ファンドです。主にカリフォルニアエリアの不動産を運用するファンドであり、利回りは4.7~5.7%です。(2021年9月~2022年2月)

募集金額は1案件あたり1千万円前後が多くなっています。運用対象の不動産を担保に設定した、資産保全対策が行われています。

1-2.米ドル建カリフォルニア太陽光発電ファンド

アメリカ太陽光発電ファンドは、カリフォルニアなど北米エリアにおける太陽光発電事業のための資金を募集するファンドです。利回りは4.8~6.2%です。(2021年9月~2022年2月)

担保は設定されていませんがローン・パーティシペーション・アグリーメントの参加利益による収益から、投資家に分配が行われます。

1-3.香港中小企業支援型ローンファンド

香港の消費者金融事業者への融資ファンドです。利回りは6.5~6.7%と高めです。(2021年9月~2022年2月)

海外ファンドですが円建てで運用されるため、為替のリスクや両替コストは融資先が負担しています。このファンドにおける最終的な融資先(融資先金融機関の融資先)は個人であり、融資先が分散されることでリスクを軽減しています。

1-4.「円投資」分散型先進国ローンファンドファンド

このファンドは、先進国企業のローン債権を元にした、証券化商品の運用事業者への融資ファンドです。利回りは3.9~5.1%です。(2021年9月~2022年2月)

投資家の資金は、最終資金需要者がローン債権を裏付けとした証券化商品を取得するための代金および、最終資金需要者の事業運転資金に充てられます。

日本円で投資した後に日本円で分配・償還されますが、運用自体は米ドルなので為替変動の影響を受けやすい特徴があります。このファンドで運用取得される金融商品は、米国や欧州など先進国の100以上の企業のローンが組み入れられています。運用先の企業や業種が分散され、リスクも分散されるメリットがあります。

2.クラウドバンクの海外ファンドのリスクと注意点

海外ファンドに投資する時のリスクと注意点をピックアップしていきましょう。

2-1.為替変動リスク

海外ファンドを取り扱う時に注意したい点は為替の変動リスクです。仮にクラウドバンクのソーシャルレンディングの運用によってリターンを得ていても、為替の変動により投資元本が減少することがあります。

例えば、1ドル100円の時に100万円を米ドル建て案件に投資した場合、100万円は1万ドルに両替されて運用されます。1年後、円高が進行して1ドルが90円になっていた場合、運用された1万ドルを日本円に両替しても、90万円に減少していることになります。

仮に分配年利回り5%の運用で5万円のリターンが発生しても、投資家に戻ってくる資金は90万円+5万円の95万円と減少していることになります。

このように、海外通貨建てのファンドでは円高が進行すると日本円に両替したときに損失が発生する可能性があります。海外通貨建ての案件に投資を検討する際は、為替の動向に注意することが大切です。

なお、クラウドバンクは案件の運用が終了したときも自動的に日本円に両替されるのではなく、任意のタイミングで日本円に両替できるファンドもあります。相場が円安に動いたタイミングを狙って両替することで、為替変動リスクを軽減できます。

2-2.カントリーリスク

次に考慮しておきたいのは、資金の運用が行われる国のカントリーリスクです。カントリーリスクには主に政治や金融市場関連リスクと、自然災害のリスクなどがあります。

例えば、アメリカにはハリケーンなどの自然現象による経済への影響があります。不動産を運用するファンドではハリケーンの被害で運用している不動産が倒壊し、収入が得られなくなることが考えられます。また、アメリカは世界経済においても主要国であり、他国の軍事や政治の問題にも影響を受ける可能性が高い国です。世界情勢の変化によって為替相場や不動産市場が大きく変動し、相場が上下する可能性もあります。

その他、香港の場合は政治リスクが考えられます。 中国との関係により香港経済の様子が大きく変化したり、法律が変わって金融機関に対する法律も大きく変更する可能性があるのです。

このように、それぞれの国ごとのカントリーリスクの発生原因や、カントリーリスクの影響が及ぶ対象は異なります。国ごとの法律や外交、経済動向などについても注視しておきましょう。

2-3.プラットフォーム以外の情報を収集するハードルが高い

クラウドファンディング投資では、投資対象となる事業の情報についてポータルサイトから確認することが出来ます。しかしその反面、プラットフォームの情報が適切であるかどうかの判断については投資家が行う必要があります。

例えば運用対象が不動産である場合、日本国内で運用される不動産は東京都心に立地していることも多く、近くに住む方であれば直接その物件の現地調査をすることができます。その他、人口動態や家賃相場などの情報についても日本語ベースで情報を集めることができるため、投資判断に役立つ情報収集が容易です。

一方、海外にある不動産の現地調査のハードルは非常に高いと言えるでしょう。特に、新型コロナウイルスの流行で海外渡航が制限されている間は渡航コストも大きくなっています。プラットフォームから提供されていること以外には現地言語での情報収集が必要となり、その分の手間がかかります。

ファンドの運用に携わっている事業の情報を日本語で収集しづらく、運用対象の不動産を直接確認できないという点は、海外ファンドで注意しておきたいポイントとなっています。

まとめ

クラウドバンクの海外案件について、特徴やリスクの説明をしました。運用ファンドの国や運用対象によって、海外案件のリスクや特徴は変わってきます。

なお、クラウドバンクは投資家が任意のタイミングで両替できるため、為替変動リスクは比較的軽減されています。海外案件でも為替の状況に応じたフレキシブルな資産運用をしやすいのが、クラウドバンクのメリットだと言えるでしょう。

運用ファンドごとにカントリーリスクや確認しておきたいポイントは異なってきます。リターンだけでなく、それぞれのリスクや注意点についても確認し、投資判断を行っていきましょう。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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