【重要ニュースまとめ(3/5~3/11)】バイデン大統領が暗号資産関連の大統領令に署名、規制整備とイノベーション促進を両立へ。Infuraがロシアからのアクセスをブロック

今回は、3/5~3/11の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. MITがPoSを評価
    1-2. バイデン大統領が暗号資産関連の大統領令に署名
    1-3. 三菱UFJがNFT事業を開始
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. Uniswapがウクライナへの募金活動に協力
    2-2. CircleがDeFi関連APIの公開を延期
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. Infuraがロシアからのアクセスをブロック
    3-2. 米SECがNFTの証券性を調査
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

MITがPoSを評価

マサチューセッツ工科大学(MIT)の出版するMITテクノロジーレビューが、イーサリアムで使用されるPoSを高く評価しました。2022年のブレークスルーテクノロジートップ10に選出されています。

PoSの選出理由として、マイニングが必要なPoWからの切り替わりという部分で、消費電力の大幅な削減が評価されました。MITは、PoSを採用する主要なブロックチェーンとして、イーサリアム以外にもSolanaやAlgorandをあげています。

MITによると、イーサリアムの大型アップデート「The Merge」は、PoSがさらに普及するための重要なきっかけになるといいます。イーサリアム財団のロードマップでは、The Mergeは年内の夏から秋ごろにかけて実装される予定です。

【関連記事】MITがPoSを2022年の10大ブレークスルー・テクノロジーに選出

バイデン大統領が暗号資産関連の大統領令に署名

米バイデン大統領が、暗号資産に関連した大統領令に署名したことを公表しました。デジタル資産に特化した米国初の大統領令になります。

大統領が署名したのは、暗号資産を含むデジタル資産によるイノベーションを促進するための政策です。同時にリスク評価も行っていますが、適切な投資家保護と併せて、米国が世界をリードできるよう方針が定められています。

具体的には、消費者および企業、金融システム、そして気候に対するリスクを軽減しつつ、産業発展を支援していくとしました。大統領令の中では、暗号資産に加えてCBDCにも言及されています。

【関連記事】米バイデン大統領、暗号資産関連の大統領令に署名

三菱UFJがNFT事業を開始

三菱UFJ銀行が、邦銀としては初となるNFT事業を開始する方針を明らかにしました。Animoca Brandsと協業することで、NFTの発行支援やマーケットプレイスの整備を行う予定だとしています。

三菱UFJは、これまでに蓄積していた金融事業での経験を活かし、NFT市場で資産管理やKYC関連の事業に注力するようです。2月には独自のデジタル通貨「プログマコイン」の構想も明らかにしており、両事業のシナジーを模索していることも予想されます。

NFT事業の参入にあたり協業を発表したAnimoca Brandsは、昨年10月に日本で子会社を設立しており、コンテンツ大国である日本での事業拡大を進めています。

【関連記事】三菱UFJ銀行、邦銀初のNFT事業に参入へ

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

Uniswapがウクライナへの募金活動に協力

Uniswap Labsが、ロシアからの侵攻が続くウクライナへの寄付活動に協力するためのサービスを開発しました。Uniswapのインターフェースを通して、ERC-20トークンをウクライナ政府に寄付することができます。

DEX大手Uniswapの開発を主導するUniswap Labsは、ERC-20トークンをETHに自動換金してからウクライナ政府に届けるインターフェースを開発しました。ウクライナ政府がBTCやETHで世界中から寄付を受け付けていたため、Uniswap Labsも今回の活動を開始したようです。

Uniswapのインターフェースを経由することで、ETH以外のERC-20トークンでもウクライナへ寄付することができます。ウクライナ政府は、BTCとETH以外にDOTでも寄付を募っています。

【関連記事】DEX大手Uniswapがウクライナへの募金活動に協力

CircleがDeFi関連APIの公開を延期

ステーブルコインUSDCを運営する米Circleが、DeFi APIの公開を延期しました。規制当局の動きが関係しているといいます。

USDCは、ステーブルコインとしての担保資産を100%現金および現金同等物で保有しています。そのため、預かり資産で大きな運用利益をあげることが難しく、DeFi APIの開発に着手していました。

CircleのDeFi APIは、CompoundなどのDeFiプロトコルに簡易アクセスが可能なものであり、機関投資家などの既存金融事業者に向けて提供される予定です。このAPIにより、機関投資家の資金がさらにDeFi市場に流入することが予想されています。

Circleは、APIの公開日時については言及しなかったものの、規制当局の動きやコンプライアンスツールの開発状況によって決定すると説明しました。

【関連記事】米Circle社、DeFi API製品の開発を延期

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

Infuraがロシアからのアクセスをブロック

ロシアによるウクライナへの侵攻に対する米国政府の制裁を受けて、ブロックチェーン開発企業ConsenSysの提供するInfuraが、ロシアからのアクセスを遮断したことを公表しました。これに伴い、MetaMaskなどの人気サービスも利用できなくなっています。

Infuraは、DAppsを開発するためのインフラサービスであり、現在人気を集めているHardhatやAlchemyといったサービスに先駆けて提供されてきました。今回、ロシアのIPアドレスをブロックしたことで、多くのサービスに影響が出ています。

ロシアについては、Infura以外にOpenSeaなども同様の対応を行っています。OpenSeaによると、米国の制裁リストに掲載されているユーザーや地域にはサービス提供ができないとのことです。

今回のInfuraの対応からは、ブロックチェーンそのものが分散化されていても、その上に構築されるDAppsよりインフラサービスが集権化されている実態も明らかにしました。

【関連記事】ブロックチェーン基盤サービスInfuraがロシアからのアクセスを遮断、MetaMaskも利用できない状態に

米SECがNFTの証券性を調査

米SECが、NFTの証券性について調査していることがわかりました。対象となっているのは、主にフラクショナルNFTと呼ばれるものです。

フラクショナルNFTは、一つのNFTを複数単位に分割して売買することが可能なNFTの仕組みです。NFTの価格が高騰したことで一人では購入できないものが増えた結果、複数単位に分割することで売買しやすくしたものが登場しました。

SECによると、フラクショナルNFTは証券に該当する可能性があるといいます。また、その他のNFTに関しても証券性の疑いがないか調査しているようです。SEC理事のクリプトママことHester Peirce氏でさえ、昨今のNFTトレンドには一定のルール整備が必要であるとの考えを示しています。

【関連記事】米証券取引委員会、NFTの有価証券性を調査

まとめ、著者の考察

今週は、米国の大統領令やInfuraのアクセスブロックなどが話題になりました。ロシアによるウクライナへの侵攻は、暗号資産業界にも大きな影響を与え始めています。

先週のウクライナDAOは依然として注目を集め続けていますが、Uniswap Labsなどのように様々な活動も登場しています。暗号資産は寄付との相性も良く、今回のような状況下で価値を発揮してくれると期待できるでしょう。

米SECによるNFTの調査では、NFTが証券に該当するかどうか要注目です。全てのNFTが一概に該当するわけではありませんが、仮に証券性が認められた場合、NFTを取り扱うのに証券法のルールを遵守する必要が出てきます。

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