資産運用の種類は?初心者向けのサービス3つのリスクや特徴も
初心者の方が資産運用を始めるなら、多額の資金が必要なく、手間のかからない方法が適しています。将来的にまとまった資産形成を目指すとしても、最初は失敗してもダメージの少ない範囲でリスクに慣れることも必要です。
この記事では初心者の方に適した資産運用の方法と、それぞれの特徴や注意すべきリスクについて解説します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 初心者に適した資産運用とは?
1-1.リスクが軽減しやすい
1-2.少額から始められる
1-3.手間がかからない - 【初心者向けの資産運用①:株式】
2-1.株式投資の特徴
2-2.株式投資のリスク - 【初心者向けの資産運用②:投資信託・ETF】
2-3.投資信託・ETFの特徴
2-3.投資信託・ETFのリスク - 【初心者向けの資産運用③:ロボアドバイザー】
4-3.ロボアドバイザーの特徴
4-3.ロボアドバイザーのリスク - まとめ
1.初心者に適した資産運用とは?
最初に、資産運用の未経験者が始めやすい方法について解説します。
1-1.リスクが軽減しやすい
未経験者が資産運用を始めるなら、リスクを軽減しやすい方法を選びましょう。運用のリスクをゼロにはできませんが、軽減する方法ならあります。一般的な運用のリスクを軽減する方法には、次のようなものがあります。
- 長期運用
- 投資対象の分散
- 時間分散(積立)
リスクは大きいほど得られるリターンも大きくなりますが、投資に慣れないうちは損をしがちです。そのため、最初は上記のような手段でリスクを軽減し、手堅く資産を増やしていくように心がけるのが無難です。
1-2.少額から始められる
初心者に資産運用が不安なのは、「損をするかもしれない」という心理が主な理由です。慣れないうちから多額の資金を投じるには、抵抗があるでしょう。最近は100円程度から買える運用商品もあります。また、ポイントで株式や投資信託を買えるサービスもあります。
それらを上手く活用してリスクに慣れ、徐々に投資額を増やすとよいでしょう。
1-3.手間がかからない
運用商品の買い付けのために、日常的にチャートを確認するのは、初心者の方には大きな負担となります。仕事や家事・育児に影響のない範囲でできる運用が望ましいといえます。
2.【初心者向けの資産運用①:株式】
株式投資は市場で株式を買い付け、配当や値上がり益を得る資産運用です。一般的に株式はリスク(値動きの振れ幅)が高く、初心者向けでないイメージを持つかもしれません。しかし、主要な投資手法であるため利便性に優れ、さまざまな投資手法があります。基本的な知識は必要ですが、株式投資も初心者でも取り組める資産運用の一つです。
株式の購入は証券会社を通じて行われ、手数料がかかります。一般的には、SBI証券やPayPay証券のようなネット証券が、手数料が低く取引ツールなども充実しているため、初心者の方にも人気です。
2-1.株式投資の特徴
ここでは、株式投資の特徴を解説します。
市場で売って値上がり益を狙える
株式投資の最も基本的な運用益は、市場で売却したときの値上がり益(キャピタルゲイン)です。企業は投資家から調達した資金で事業を行い、事業が上手くいけば株価は大きく値上がりする可能性があります。
たとえば、1株1,000円の銘柄を100株買って1株1,200円になったところで売却すれば、2万円(手数料等を考慮せず)の値上がり益を得られます。
配当を受け取れる
株式を購入して株主になると、企業の業績に応じた配当が受け取れます(インカムゲイン)。長期保有して配当を受け取るのも、株式投資の手法の一つです。キャピタルゲインを狙うより比較的手堅く利益を得られるため、初心者にも適しているといえます。
しかし、配当は毎期一定ではなく、業績によっては無配当となったり、減額されたりする場合もあることを知っておきましょう。
株主優待もある
株主優待は企業が株主に対して、保有する株数に応じて贈る特典です。無料食事券や自社製品など株主に喜ばれるものも多く、株式投資の副次的メリットといえます。
初心者にも取り組みやすい利便性
株取引は多くの証券会社で利便性の高いサービスが提供され、初心者にも取り組みやすくなっています。株取引の最低単位を単元といい、1単元は100株です。1株1,000円の銘柄ならば10万円の資金が必要です。複数の銘柄に分散して投資したい場合、多くの資金が必要となります。
しかし、1,000円程度から金額指定ができたり、1株から買い付けたりできる証券会社もあります。また、ポイントで株が買えるサービスもあり、初心者の株式投資へのハードルは今では低くなりました。
2-2.株式投資のリスク
株式投資を始めるにあたり、知っておくべきリスクを確認しておきましょう。
価格変動リスク
価格変動リスクとは、株の値動きによって資産価値が変動するリスクです。価格変動リスクは資産価値の下落だけを意味するわけではなく、上昇する可能性もあります。
株価の変動要因は企業業績以外にもさまざまあり、そのために値動きの幅が大きい特色があります。株式投資がハイリスクといわれるのは、主にそのためです。価格変動リスクが他の投資対象より大きいことは、株式投資の大きな特徴の一つです。
信用リスク
株式を発行した企業が破綻して、株式の価値がゼロになるリスクを信用リスクといいます。
短期で値上がり益を狙う場合、投資した企業が破綻する可能性は少ないでしょう。しかし、配当を受け取るために長期保有をする場合などでは、知らず知らずのうちに企業の業績が悪化するケースもあります。保有した銘柄の動向は、時々確認するようにしましょう。
流動性リスク
流動性リスクとは、売買が少ないために取引が成立しない可能性をいいます。株式のように市場で売買する運用商品は、「買いたいときに買えない」「売りたいときに売れない」場合もあるというわけです。
市場に出回る株数が少ない小型株などでは、注文を出しても取引が成立しない場合もあることを知っておきましょう。
3.【初心者向けの資産運用②:投資信託・ETF】
投資信託は、複数の投資家から集めた資金で運用のプロが投資をし、成果を投資家に還元する運用商品です。ETF(上場投資信託)は投資信託の一種で、特定の指標に連動する運用成果を目指し、株式のように市場で取引します。
投資信託は多くの金融機関が取り扱いますが、ETFは証券会社を通じて購入します。ETFを取り扱う銘柄が多いのは、SBI証券や楽天証券などです。
3-1.投資信託・ETFの特徴
ここでは、投資信託・ETFの特徴を解説します。
まとまったお金がなくても分散投資ができる
投資信託・ETFは投資家から集めた資金で、個人の資金では難しい分散投資ができる運用商品です。
株式や債券の個別銘柄への投資には、まとまった資金が必要です。リスクを分散するためには多くの投資対象に投資する必要があり、個人投資家には資金面のハードルが高くなります。
しかし、投資信託・ETFを活用すれば小口の資金でも分散投資が可能です。さまざまな国や地域の複数の投資対象に気軽に投資できる点は、投資信託・ETFの大きな特徴です。
運用のプロに投資を任せられる
投資信託・ETFでは、投資家から集めた資金で運用のプロが株式や債券などに投資してくれます。
個別の株式や債券の投資で銘柄を選んだり買い付けのタイミングを決めたりするのは、初心者の方には難しい場合もあります。しかし投資信託・ETFであれば専門家に銘柄選びも買い付けもお任せできるので、投資家には手間がかかりません。買い付けのタイミングに悩む必要もありません。
さまざまな運用ニーズに応えられる
投資信託・ETFには投資対象や運用方針などによってさまざまな分類があり、多くの人の運用ニーズに応えられます。日本において販売されている株式投資信託(株式に投資できる投資信託)は、2022年2月末日現在で5,836本あります(参照:投資信託協会「数字で見る投資信託」)。
先進国の株式で積極的に利益を狙ったり、日本の債券で堅実に資産を守ったりすることも可能です。バランスファンドで、自分に合った複数の資産の組み合わせで運用することもできます。投資信託・ETFなら、投資の初心者から上級者までの運用ニーズにきめ細かく対応できるのです。
3-2.投資信託・ETFのリスク
投資信託・ETFは株式や債券に投資する運用商品なので、元本保証ではありません。投資信託・ETFで運用するうえでのリスクを解説します。
価格変動リスク
投資信託・ETFで買い付けた株式や債券の市場価格が変動するリスクを、価格変動リスクといいます。株式の場合と同様に価格変動では資産価値の下落だけでなく、上昇する可能性もあります。投資対象の市場での値動きは、投資信託・ETFの資産価値に直接影響するのです。
為替変動リスク
外国の株式や債券に投資する投資信託・ETFでは、為替変動の影響を受けます。為替変動による影響は、差益を得るケースと差損を被るケースがあります。
信用リスク
投資信託・ETFの投資先の企業が破綻して株式の価値がゼロになる、債券の発行体が債務不履行を起こすなどが信用リスクです。投資信託・ETFでは分散投資をするため、一部の投資先で債券のデフォルト(債務不履行)などが起きても影響は限定的になります。
金利変動リスク
投資信託・ETFの投資先が債券の場合は、金利変動により資産価値が変動します。債券の市場価格の変動要因は、主に金利動向です。一般に金利が上がると債券の価格は下落し、反対に金利が下がると債券の価格は上昇します。
繰上償還リスク
投資信託・ETFは繰上償還される可能性があります。繰上償還とは、次のようなケースです。
- 期間が決まっている投資信託が予定していた期日(償還日)を待たずに償還する
- 信託期間が決まっていない投資信託が運用を終了する
繰上償還のある投資信託・ETFは目論見書に、条件が明示されています。一般的に運用資産が一定基準を下回った場合などが、繰上償還の条件となっています。仮に含み損のあるときに繰上償還をされると、損失が確定してしまうので注意が必要です。
繰上償還リスクを避けるには、純資産額が少なすぎるファンドは買わないようにしましょう。なお、ETFは繰上償還により、上場廃止となります。
流動性リスク(ETF)
市場で売買するETFには株式同様に、流動性リスクがあります。ETFの流動性を向上させるため、東証ではマーケットメイクという制度を導入しています。流動性リスクを避けるには、マーケットメイク対象ETFを買い付けるのも一つの方法です。
4.【初心者向けの資産運用③:ロボアドバイザー】
AI(人工知能)による資産配分の提案や運用支援に基づく金融サービスがロボアドバイザーです。ロボアドバイザーにはポートフォリオ提案を行う提案型(投資助言型)と、運用の提案から実際の運用までを行う投資一任型があります。
投資一任型の主なサービスには、WealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO+(テオプラス)ドコモがあります。
4-1.ロボアドバイザーの特徴
ここでは、ロボアドバイザーの特徴を解説します。
AIを利用して資産運用を自動化
ロボアドバイザーの特徴は、AIを活用したポートフォリオ提案を受けたり独自のアルゴリズムによって資産運用を行えたりする点です。投資一任型であれば、ユーザーに最適なポートフォリオの提案、運用商品の選定、買い付け、リバランスなどをサービス側できめ細かく実行してくれます。
感情による判断の狂いを排除し、客観的な運用ができる点はロボアドバイザーの強みです。
ユーザーに合ったプランを提案してくれる
ロボアドバイザーの多くはユーザーが簡単な質問に答えるだけで、最適な運用プランを提案してくれます。初心者にとって自分に合ったポートフォリオを考えるのは難しく、運用でつまづきやすいポイントの一つです。
ロボアドバイザーを利用すれば、ユーザーの投資経験や資産状況、リスク許容度などを総合的に判断したポートフォリオを提示してもらえます。
知識ゼロの初心者でも運用可能
投資一任型ロボアドバイザーでは運用商品選びや買い付けを代行してもらえるので、運用の知識が全くない人でも始められます。また、投資に時間をかけられない人も、ロボアドバイザーに代行してもらえます。
反面、自分で投資信託やETFを購入できる人であれば、運用手数料のかかるロボアドバイザーのメリットは相対的に薄くなる場合もあります。
長期運用が基本
多くのロボアドバイザーの運用スタンスは「長期の分散投資でリスクを軽減し、堅実な資産形成を目指す」ものです。短期間で大きな運用益を狙う方法ではありません。また、近い将来使う予定のある資金の預け先にも適していません。家計を見直して、ロボアドバイザーには余裕資金を充てるようにしましょう。
4-2.ロボアドバイザーのリスク
ロボアドバイザーのリスクも確認しておきましょう。
投資信託・ETFと同様のリスクがある
ロボアドバイザーの運用商品は主にETF・投資信託のため、それらを直接取引した場合と同様のリスクがあります。ただし、ロボアドバイザーは徹底した分散投資でリスクを軽減するプランがベースとなるため、値動きの振れ幅は個別株式よりも抑えられます。
分散投資による長期運用が基本なので、短期的な値動きにとらわれないようにしましょう。
運用の成果は自己責任
投資一任型のロボアドバイザーで運用をお任せしても、成果については自己責任です。必ず利益が得られるわけでないのは、どんな投資でも同じです。
ロボアドバイザーのユーザーは運用の設定さえ行えば、運用期間中に他にすることは基本的にありません。頻繁に値動きを追う必要はありませんが、定期的に確認する習慣をつけましょう。
まとめ
初心者がいきなり多額の資金をハイリスクな運用商品に投じるのは危険です。運用が上手くいかずに損失を被ると、二度と投資をしたくないと思うこともあるかもしれません。
投資を長続きさせるには、最初は少額で始めてリスクに慣れるのが望ましい方法です。最近は、ネット証券などで少額からできる運用のサービスも増えました。この記事も参考に、できることから検討してみてはいかがでしょうか。
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資産運用の種類は?初心者向けのサービス3つのリスクや特徴も