不動産売却の実績が多い大手不動産会社は?10社のランキングを比較

不動産売却を依頼する際、依頼先の不動産会社に実績があるかどうかという点は重要なポイントです。不動産会社によって得意とする専門領域やエリア、物件のタイプが異なるため、売却価格にも大きな影響があるためです。

そこで今回のコラムでは、不動産売却の実績による不動産会社のランキングを4つの項目に分けて紹介します。不動産会社選びの参考にしてください。

目次

  1. 不動産会社の実績ランキング
    1-1.不動産売却による仲介手数料収入ランキング
    1-2.不動産売却による取扱高ランキング
    1-3.不動産売却による仲介件数ランキング
    1-4.店舗数が多い不動産会社ランキング
  2. 不動産会社10社の特徴
    2-1.三井不動産リアルティ
    2-2.住友不動産販売
    2-3.東急リバブル
    2-4.野村不動産グループ
    2-5.三井住友トラスト不動産
    2-6.みずほ不動産販売
    2-7.三菱UFJ不動産販売
    2-8.オープンハウス
    2-9.積水ハウス不動産グループ
    2-10.東宝ハウスグループ
  3. まとめ

1 不動産会社の実績ランキング

不動産会社の実績を確認するには、いくつか指標となる数値があります。今回のコラムでは、以下の4つの項目でランキングを見ていきます。

  • 仲介手数料収入
  • 取扱高
  • 仲介件数
  • 店舗数

ランキングの元となるのは、国内の不動産流通4団体を運営する公益社団法人不動産流通推進センターが2021年9月に発表した「2021不動産業統計集」です。

最初に仲介手数料収入のトップ10を紹介し、この10の不動産会社について、そのほかの3つのランキングも紹介します。なお、加盟店形式の不動産会社は番外としています。

1-1 不動産売却による仲介手数料収入ランキング

不動産仲介会社の主な収入は、不動産売買の際に発生する仲介手数料です。このランキングを見ることで、各不動産会社がどれくらいの手数料収入を得ているのかが分かります。

順位 不動産会社 手数料収入
1位 三井不動産リアルティ 767億円
2位 住友不動産販売 623億円
3位 東急リバブル 578億円
4位 野村不動産グループ 347億円
5位 三井住友トラスト不動産 174億円
6位 みずほ不動産販売 151億円
7位 三菱UFJ不動産販売 147億円
8位 オープンハウス 133億円
9位 積水ハウス不動産グループ 111億円
10位 東宝ハウスグループ 104億円

この次に続くのが、三菱地所リアルエステートサービス(73億円)、大和ハウスグループ(70億円)、大京穴吹不動産(69億円)、住友林業ホームサービス(64億円)などとなっています。

1-2 不動産売却による取扱高ランキング

仲介した物件の取扱高を見ることで、取り扱っている規模が分かります。前項で紹介した10社を取扱高順に並べると、下記のようなランキングになります。

順位 不動産会社 取扱高
1位 三井不動産リアルティ 1兆5,638億円
2位 住友不動産販売 1兆2,410億円
3位 東急リバブル 1兆2,264億円
4位 野村不動産グループ 8,934億円
5位 三井住友トラスト不動産 4,124億円
6位 みずほ不動産販売 3,697億円
7位 三菱UFJ不動産販売 3,533億円
8位 オープンハウス 2,934億円
9位 積水ハウス不動産グループ 2,345億円
10位 東宝ハウスグループ 2,142億円

今回紹介する10社には入っていませんが、三菱地所リアルエステートサービスが2,602億円となっており、取扱高だけで見ると9位の実績があります。

1-3 不動産売却による仲介件数ランキング

仲介件数が多いほど、経験を積んでいることになり、またノウハウも蓄積されていることが推測できます。10社のランキングは下記のようになっています。

順位 不動産会社 仲介件数
1位 三井不動産リアルティ 38,507件
2位 住友不動産販売 35,122件
3位 東急リバブル 25,635件
4位 野村不動産グループ 9,322件
5位 積水ハウス不動産グループ 8,078件
6位 オープンハウス 7,232件
7位 三井住友トラスト不動産 7,202件
8位 東宝ハウスグループ 6,102件
9位 三菱UFJ不動産販売 4,307件
10位 みずほ不動産販売 3,601件

10社の上位と下位では、10倍以上の以上の差があることが分かります。10社以外で仲介件数が多い不動産会社は、大京穴吹不動産(5,509件)、住友林業ホームサービス(4,192件)などとなっています。

1-4 店舗数が多い不動産会社ランキング

全国にどれくらいの店舗数を展開しているのか、確認することでも不動産会社の実力を測ることができます。今回紹介する10社をランキングすると下記のようになります。

順位 不動産会社 店舗数
1位 三井不動産リアルティ 286店舗
2位 住友不動産販売 269店舗
3位 東急リバブル 193店舗
4位 積水ハウス不動産グループ 115店舗
5位 野村不動産グループ 94店舗
6位 三井住友トラスト不動産 72店舗
7位 オープンハウス 52店舗
8位 みずほ不動産販売 50店舗
9位 三菱UFJ不動産販売 42店舗
10位 東宝ハウスグループ 19店舗

上位の不動産会社は、全国に店舗網を拡大しています。しかし店舗数が少なくても、取扱高や仲介件数、手数料収入が多い不動産会社もあります。

このほかに店舗数が多い不動産会社は、大和ハウスグループ(118店舗)、スターツグループ(102店舗)、大京穴吹不動産(75店舗)などがあります。

2 不動産会社10社の特徴

今回紹介した仲介手数料収入ランキングトップ10の不動産会社について、それぞれの特徴を紹介していきます。また不動産会社ごとに、4つのランキングの順位を表にしました。ランキングを比較する際に活用してください。

2-1 三井不動産リアルティ

三井不動産リアルティは三井不動産の子会社で、不動産仲介事業の「三井のリハウス」と駐車場事業の「三井のリパーク」が主軸事業です。仲介取扱件数は全国1位で、これは1986年から35年連続となっています。また1975年からの累積取扱件数は、100万件を突破しています。

売却前や売却後も納得がいく取引のために「360°サポート」というサービスを提供しているのが特徴です。建物や設備の調査・補修に関するサービスで、引き渡し後に不良があった場合は同社が費用を負担することになっています。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
1位 1位 1位 1位

2-2 住友不動産販売

住友不動産販売は、「住友の仲介STEP(ステップ)」というブランドで事業展開をしています。登録している購入希望者に、物件情報を随時紹介するシステムを設けているのが特徴です。この登録者数は2021年10月末時点で3.2万件以上になっています。売却を予定している地域で購入希望者がいるかサイト上で検索できるため、需要の有無を売却前に調べることができます。

売却をスムーズに進めるために、空き地の雑草刈りや室内のポイント清掃などを組み込んだ「売却ステップアップ」というサービスを用意しています。また取引後のサービスとしては、建物や設備に対する保証を設けています。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
2位 2位 2位 2位

2-3 東急リバブル

東急リバブルは、東急不動産グループの不動産仲介会社です。1972年に創立され、半世紀の歴史を数えています。その間、「リバブルあんしん仲介保証」など業界の先駆けとなるサービスを提供しています。

現在も「不動産情報のマルチバリュークリエイター」を目指して、幅広い不動産情報の提供を行っています。チャットによる売却相談やAIによるスピード査定、オンライン相談などで、売主および買主が利用しやすい環境を整えているのも特徴です。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
3位 3位 3位 3位

2-4 野村不動産グループ

野村不動産グループの仲介部門は、「野村の仲介+(プラス)」というブランドで事業展開しており、同社への依頼は不動産査定サイトの「ノムコム(不動産査定)」で行うことができます。物件を売却する際には、信頼性向上のための「あんしんPLUS」、付加価値向上のための「すてきPLUS」というサービスを設けており、顧客満足度の高い取引を目指しています。

具体的には、住宅設備の検査や補修などのほか、売却をスムーズに進めるために荷物の一時預かりやハウスクリーニング、ホームステージングといったサービスを利用することができます。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
4位 4位 4位 5位

2-5 三井住友トラスト不動産

三井住友トラスト不動産は、三井住友銀行グループの不動産会社です。グループの総合力で物件の売却・購入の仲介だけではなく、資産運用や融資の相談・提案など幅広いサポートを行っています。

不動産売却時のサポートメニューとしては、建物状況調査サービス、瑕疵保証サービス、建物状況調査(検査品質保証付き)サービス、住宅設備修理サポートなどを売主および買主に向けて提供しています。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
5位 5位 7位 6位

2-6 みずほ不動産販売

みずほ不動産販売は、みずほフィナンシャル・グループの不動産会社です。店舗数は全国に50店舗と10社の中では少ない方ですが、464店舗のみずほ銀行と連携をしています。

宅地建物取引士が2021年4月1日時点で665人おり、プロフェッショナルの立場から売主と買主をサポートしています。また建物状況調査サービス、敷地調査サービス、瑕疵保証サービス、住宅設備保証サービスなどのサービスメニューも特徴です。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
6位 6位 10位 8位

2-7 三菱UFJ不動産販売

三菱UFJ不動産販売は、総合金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の一員である三菱UFJ信託銀行のグループ会社です。三菱UFJ信託銀行グループの総合力と高い信頼をバックボーンに、不動産取引を行っています。

信託銀行系の不動産販売会社ということで、不動産投資や遊休不動産の積極的活用、資産の組み換えなども得意としています。AIを活用した不動産査定や、おすすめ物件情報の提供なども行っています。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
7位 7位 9位 9位

2-8 オープンハウス

オープンハウスは1997年に創業した不動産会社です。一戸建て販売や物件買取のイメージがありますが、元々の主軸事業は不動産仲介事業です。

戸建てやマンションの開発・建築請負・販売、収益不動産の販売、銀行代理業なども手がけています。また、首都圏から九州などに店舗網を拡大しています。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
8位 8位 6位 7位

2-9 積水ハウス不動産グループ

積水ハウス不動産グループは、ハウスメーカーとして知られている積水ハウスの不動産部門を担っています。6つのエリアで事業を展開しており、「積水ハウス不動産東北株式会社」「積水ハウス不動産東京株式会社」「積水ハウス不動産中部株式会社」といったようにエリア単位でグループ会社を設けています。

全国に展開する100以上の拠点で購入希望者が登録されており、迅速な情報提供を行うことができます。また積水ハウスが施工した住宅の評価をより高めたり、付加価値を高める保証をつけた売却プランの提案も行っています。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
9位 9位 5位 4位

2-10 東宝ハウスグループ

東宝ハウスグループは、首都圏を中心とする不動産仲介会社です。東京、神奈川、埼玉、千葉に19社を展開しています。

引き渡し後の手厚いサービスが特徴で、専門スタッフによる年1回の「家ドック」を実施しています。これは住まいの定期検診のことで、その項目は約200におよんでいます。また引き渡し後も、専属のファイナンシャルプランナーが金利の変動やライフスタイルの変化に合わせて、ローン返済などに関するアドバイスを行います。

仲介手数料収入 取扱高 仲介件数 店舗数
10位 10位 8位 10位

まとめ

今回のコラムでは、不動産売却における「手数料収入」「取扱高」「仲介件数」「店舗数」のランキングを紹介しました。

不動産会社によって得意とする領域は異なり、不動産の売却価格にも大きな違いが出てしまうこともあります。複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定結果や査定の根拠を比較されてみると良いでしょう。

また、本コラムでは紹介していませんが、大手不動産会社だけでなく地域に特化した中小企業の不動産会社への依頼も選択肢の一つです。不動産会社の得意領域を分けて、それぞれの比較検討をされてみてください。

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