ロボアドバイザーはほったらかしで運用できる?解約時期の考え方も

投資に興味があっても仕事で忙しく取り組む時間がない方もいます。ロボアドバイザーは、利用者の代わりに資産運用やポートフォリオの調整を自動で行ってくれるサービスですが、本当にほったらかしで運用できるのか、また、解約して利益確定するべきタイミングはいつなのか、気になる方もいるでしょう。

この記事では、ロボアドバイザーの特徴やメリット・デメリット、ほったらかしで運用可能なサービス、解約のタイミングについて詳しく解説します。資産運用で手間をかけたくない方は参考にしてみてください。

※本記事は、2022年4月13日の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. ロボアドバイザーとは
  2. ロボアドバイザーをほったらかしで運用するメリット・デメリット
    2-1.口座によっては確定申告も不要
    2-2.投資初心者もほったらかしで運用できる
    2-3.元本割れのリスクがある
    2-4.運用コストが高い
    2-5.NISAに対応していない場合もある
  3. ほったらかしで運用できるロボアドバイザーサービス4選
    3-1.ウェルスナビ(WealthNavi)
    3-2.楽ラップ
    3-3.THEO+ docomo
    3-4.ダイワファンドラップONLINE
  4. ロボアドバイザーを解約するタイミングは?
  5. まとめ

1 ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、事前にいくつかの簡単な質問に答えることで利用者の個人的な状況に合った投資方針や運用スタイルを提案してくれる自動運用支援サービスです。

主な特徴はサービスによって異なるものの、基本的にはどの程度までリスクを受け入れられるかに関するリスク許容度の診断や、リスクを減らしながら利益を出すための運用商品の組み合わせとなるポートフォリオの提案をしてくれます。

ロボアドバイザーの種類は、助言型と投資一任型という2つのタイプに大きく分けることが可能です。助言型は投資に関するアドバイス(助言)を受けるだけなので、金融商品の購入などの実際の運用は全て利用者本人が行わなければなりません。

他方、投資一任型はロボアドバイザーを提供する企業と利用者が投資一任契約と呼ばれる契約を締結します。投資一任型では投資に関するアドバイスを受けるだけでなく、運用方針などの決定後は金融商品の売買などもお任せで行ってくれるのが特徴です。

また、投資一任型のロボアドバイザーは、運用資産の保有割合を理想的なバランスに近づけるために売買するリバランス機能なども搭載されているほか、世界中に分散投資するタイプでは、実際の売買や情報収集などの手間をかけず、世界経済の成長に合わせてリスクコントロールをしながらお任せ運用できます。

2 ロボアドバイザーでほったらかし運用するメリット・デメリット

ロボアドバイザーでほったらかし運用するメリット・デメリットは以下の通りです。

2-1 口座によっては確定申告も不要

利用する口座や取引内容によっては、確定申告が不要となるのもロボアドバイザーのメリットです。

通常、投資で売却益や分配金などの利益が発生した場合、税金がかかります。例えば、株式の売却益に対して課税される譲渡所得税および配当金に対する税金の税率は一律20.315%です。

譲渡所得税および配当所得は確定申告の対象となっているため、 給与所得以外の合計所得が20万円以上の場合、特定口座の「源泉徴収あり」を選択していない場合には、確定申告をする必要があります。

ロボアドバイザーでも、取引口座の選択時に特定口座の「源泉徴収あり」を選ぶことで、口座内で発生する売却益などについて、口座を開設している証券会社などが税金の計算から源泉徴収や納税まで行ってくれるため、手間のかかる確定申告手続きが不要になります。

2-2 投資初心者もほったらかしで運用できる

ロボアドバイザーは、事前の質問などに答えることでリスク許容度の診断とポートフォリオの提案をしてもらえるので、目標金額や運用期間などの運用方針を初心者の方でも決めることができ、あとは投資一人型タイプなら運用方針に従って運用してくれます。

また、ロボアドバイザーは、世界中の資産に分散投資するサービスが多いので、相場の下落時でも損失を軽減できるほか、時間の経過とともに自動でリバランス等を実施してくれるので、何もしなくても運用パフォーマンスの最大化を維持してくれます。

そのため、専門知識がない方や忙しく時間を確保できない方でも、情報収集や運用の手間をかけることなく、長期的に資産形成を行うことができます。

2-3 元本割れのリスク

年率数十%の運用実績があるロボアドバイザーもありますが、元本割れ等のリスクを伴うこともデメリットとして把握しておく必要があります。

特に、ロボアドバイザーは長期間の運用でリスクを軽減しながら利益を得るのに向いたサービスです。分散投資による低リスクの長期運用が特徴なので、株式投資やFXのように短期間で大きな運用成果を得ることは難しいほか、市況によっては短期間での損失も発生する可能性があります。

一時的に運用成績が悪くなると、出金や解約をしたくなるのが投資家心理のため、ロボアドバイザーのような長期運用を前提とした投資では、忍耐力も必要になります。

2-4 運用コストが高い

ロボアドバイザーはほったらかしでも運用できる反面、自分で投資する場合と比べて運用コストが高くなる点もデメリットの一つです。

ロボアドバイザーでも助言型の利用料は基本的に無料ですが、投資一任型は運用資産に対し1%程度の運用コストが発生します。一方、ロボアドバイザーの投資先のひとつであるETF等を自分で運用する場合のコスト(信託報酬)は0.1%を切るケースもあります。

このように、ロボアドバイザーは分散投資効果や自動リバランスなどの強みがあるぶん、自分で運用する場合と比べてコストが高くなる点は事前に把握しておくことが大切です。

2-5 NISAに対応していない場合もある

ほったらかしの運用が可能な投資一任型のロボアドバイザーは、税制優遇のNISA制度に対応していないことがあります。

例えば、ウェルスナビの「おまかせNISA」で年間120万円までの投資が非課税になる一般NISAの利用が可能なほか、楽天証券のスマートフォン専用サービス「らくらく投資」でも毎年40万円までが非課税となるつみたてNISAや一般NISAを利用できるものの、NISA制度を利用できる助言型ロボアドバイザーと比べて選択肢は限られています。

3 ほったらかしで運用できるロボアドバイザーのサービス4選

以下では、ほったらかし運用の可能な投資一任型ロボアドバイザーの主なサービスをご紹介します。

3-1 ウェルスナビ(WealthNavi)

運営会社 ウェルスナビ株式会社
運用商品 日本株や欧米株、新興国株、債券、金などに投資する米国上場のETF(上場投資信託)
最低投資金額 10万円
運用手数料(税込) ・預かり資産の1.1%(現金部分を除く、年率・税込)※期間と運用金額に応じて最大0.99%まで手数料が割引になる「長期割」プログラムの適用あり。

・3,000万円を超える部分は年率0.55%(現金部分を除く、年率・税込)

テレビCMやネット広告でも見かけることのあるウェルスナビは、東証グロース上場のウェルスナビ株式会社が提供するロボアドバイザーです。

中長期的に世界経済の成長を上回るリターンを目指して運用するのが特徴で、資産運用サービスを開始した2016年1月19日〜2022年2月28日までの累積リターンは、リスク許容度に応じて円建てで+27.2~52.7%ととなっています。(※ウェルスナビがサービスを開始した2016年1月に100万円、その翌月から2022年2月まで毎月3万円ずつ積み立てながら投資した場合のもの。)

最低投資金額は10万円とやや高めの設定ですが、最低投資金額の入金後は月々1万円からの積立投資も可能です。

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3-2 楽ラップ

運営会社 楽天証券
運用商品 国内外の株式や債券などに投資する投資信託
最低投資金額 1万円
運用手数料(税込) 2つの手数料体系から選択可能
・固定報酬型0.715%
・成功報酬併用型0.605%+運用益の5.5%

楽ラップは、ネット証券大手の楽天証券が手がけるロボアドバイザーです。運用を開始した2016年7月4日〜2022年2月28日までの運用実績は、リスク許容度に応じ累積で22.37~73.88%となっています。

楽ラップでは運用手数料を2つのコースから選ぶことができ、利用者の考え方に合わせた手数料負担が可能です。さらに、下落ショック軽減機能(DRC機能)という株式市場の下落時に株式の保有比率を一時的に下げる機能も搭載されているため、リスク軽減を図りながら運用することもできます。

3-3 THEO+ docomo

運営会社 株式会社お金のデザイン
運用商品 外国株式や外国債券、金などが投資対象となる海外ETF
最低投資金額 1万円
運用手数料(税込) ・3千万円以内0.715~1.1%
・3千万円超部分0.55%

THEO+ docomoは、株式会社お金のデザインが運営する投資一任型ロボアドバイザーです。同社がNTTドコモと提携して提供されているサービスで、THEO+ docomoの利用にはお金のデザイン提携の金融機関での口座開設手続きが必要になります。

2016年3月に開始したTHEOの運用実績は、リスク許容度に応じて16.76~63.92%となっています。さらに、買い物や各種支払いに使用できるdポイントと連携することで、運用資産額に応じて毎月dポイントを貰えるのが特徴となっています。

3-4 ダイワファンドラップONLINE

運営会社 大和証券
運用商品 先進国や新興国の株式、債券、REITなどに投資する投資信託
最低投資金額 1万円
運用手数料(税込) 契約資産の1.1%

ダイワファンドラップONLINEは、店舗型証券会社大手である大和証券が手掛ける投資一任型ロボアドバイザーです。以前より店舗窓口などで提供されていた資産運用サービスのノウハウやAIの活用によって窓口サービスよりもリーズナブルに利用できます。

運用成績に関するシミュレーションでは、1991年1月〜2020年12月まで毎月3万円の積立をした場合で+85.1%の結果となっています。ウェルスナビ、THEO+ docomo、楽ラップとは運用期間の違いなどから単純比較できませんが、長期間の保有によって一定の運用成果を期待できます。

4 ロボアドバイザーを解約するタイミングは?

ロボアドバイザーは、基本的に投資をやめたくなったらいつでも解約可能ですが、例えば、目標金額を達成したときは、出金するタイミングの一つになります。また、今後の市況を読むのが難しいと感じる場合は、利益を確定させたり現金を手元に確保するために一旦解約しておくのも良いでしょう。

他にも、急にまとまったお金が必要になったときや、定年退職して年金生活に入るときなども解約するタイミングになります。

ただし、このような時は相場状況もしっかり確認することが重要です。例えば、下落相場が続き、含み損が発生している状況では、そのまま運用を継続することも選択肢の一つです。

ロボアドバイザー以外の投資で利益が出ている場合、確定申告時の損益通算で納税額を減らすことも可能な場合がありますが、このようなケースはやや特殊なため、相場状況の回復したタイミングで売却するほうが無難です。

このほか、ETFや投資信託で運用を行うロボアドバイザーは、資産を売却する段階で発生していた含み益が譲渡益として課税対象になります。ETFや投資信託を売却する場合、利益の20.315%が税金として差し引かれるため、手元に残るお金が含み益のある額面上の金額から減ることも留意しておきましょう。

まとめ

ほったらかしで運用できる投資一任型のロボアドバイザーは、初心者でも手軽に運用できる点や預金よりも高い利回りを期待できる点がメリットです。しかし、運用コストは高く、元本割れ等のリスクを伴う点はデメリットにもなります。

また、ロボアドバイザーはいつでも解約することができますが、相場状況なども考慮しながら、なるべく長期的な目線をもって運用を検討することが大切です。

ほったらかしで運用できるロボアドバイザーを検討する際は、メリット・デメリット、リスク等をしっかり確認するようにしましょう。

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