投資一任型ロボアドバイザー6つの運用手法とリスクをプロが分析
投資一任型ロボアドバイザーは、簡単な質問に答えるだけで自身にあった運用が始められる投資方法です。運用をプロに委託できるため簡単に始めることができるロボアドバイザー運用ですが、ロボアドバイザー運用会社は複数存在するため、どの運用会社にするのか迷ってしまうという声も耳にします。
そこで今回は、代表的な投資一任型ロボアドバイザーの運用手法やリスクを解説します。
目次
- ロボアドバイザー運用とは
- 各社の運用手法とリスク
2-1.ウェルスナビ
2-2.THEO+ docomo
2-3.投信工房(松井証券)
2-4.ON COMPASS(マネックス証券)
2-5.FOLIO ROBO PRO
2-6.SUSTEN - まとめ
<!–2-6.ザ・ハイブリッド(フィデリティ証券)–>
1 ロボアドバイザー運用とは
ロボアドバイザーとは、人工知能(AI)を駆使した運用サービスで、自身にあった商品選びから、その後の運用までをサポートする方法です。投資一任型ロボアドバイザーでは運用が投資一任契約のもと自動的に行われ、投資初心者でも簡単に始められるため、認知度が増しています。
2 各社の運用手法とリスク
ここでは、投資一任型ロボアドバイザー各社の運用手法やリスクをみていきましょう。
2-1 ウェルスナビ
ウェルスナビの運用は、ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マコービッツ氏の現代ポートフォリオ理論(MPT)に基づいています。各資産の期待リターンとリスク(標準偏差)、資産クラス間の相関を基に、効率的フロンティア(同じリスクで最大のリターンが得られるポートフォリオ)を求めます。
ウェルスナビの投資対象資産は、米国株、日欧株、新興国株、米国債券、物価連動債、金、不動産の7種類で、それぞれの投資先についてはETF(上場投資信託)が対象です。これら7つの資産の組入れ比率を調整することで、リスク許容度ごとに5つのポートフォリオが構築され、投資を始める際のアンケートをもとに最適とされるポートフォリオが推奨されます。
リバランス(資産の組み換え)については、自身が投資しているポートフォリオと最適ポートフォリオの配分比率の乖離が5%以上の場合(資産総額評価が50万円以上の場合のみ)や、6カ月間リバランスが行われていない場合に実行されます。
リスクとしては、元本を下回る可能性があることや、為替変動が挙げられます。また、運用資産評価額が50万円に満たない場合には、リバランスが必要な場合においてもリバランスされない可能性があることもリスクです。
また、将来の期待リターンの試算が提示されるものの、実際その通りに資産が増えるかどうかは不確定だということもリスクです。
2-2 THEO+ docomo
THEO+ docomoの運用手法はスマートベータ戦略が用いられています。スマートベータ戦略とは、従来の市場平均で得られる収益に対し、さらに財務諸表や株価の値動きなどの一定のルールによる選別を行うことで、より高い収益と価格変動の抑制を狙う運用戦略です。
THEO+ docomoのスマートベータ運用は、時価総額加重以外に、企業利益、売上高、PER、PBR等を基に構成された指数で、米国市場に上場しているETFが対象となります。3つの機能ポートフォリオ(グロース・ポートフォリオ、インカム・ポートフォリオ、インフレーションヘッジ・ポートフォリオ)が用意されており、ユーザーが年齢、金融資産額、就業状況などの5つの質問に答えることで、最適化された組み合わせが提案されます。
リスクとしては、購入価格(平均価格)を下回る可能性があることや、ドル運用なので為替変動が挙げられます。将来の資産額が提示されるものの、その通りに資産が増えるかどうかわからないこともリスクです。
2-3 投信工房(松井証券)
投信工房は、投資先が異なる9銘柄(国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、海外リート、コモディティ)から数理的・統計的リスク分散効果を計算し、リスク許容度1(安定型)からリスク許容度5(積極型)の5つのモデルポートフォリオが構築されます。
運用コースには、分散投資コース(リスク許容度1~5の5段階モデルポートがすべて運用対象)、国内投資コース(国内の株式・債券・リートに特化)、債券運用コース(国内外の債券のみを対象)の3つがあります。
リスクには、元本割れリスクや為替の変動リスクが挙げられます。また、シミュレーションで将来のリターンを試算できるものの、実際その通りに資産が増えるかどうかわからないことには注意が必要です。
2-4 ON COMPASS(マネックス証券)
ON COMPASSの運用には、現代ポートフォリオ理論を含め4つのノーベル賞受賞者の理論を活用しています。資産配分は、独自のMSVキャピタルマーケットモデルを活用し、株・債券などの投資比率を求め、国内外の手数料が低く流動制が高いETFに投資をします。
簡単な質問に答えることで、8種類のポートフォリオの中から自身の投資目的に沿ったポートフォリオが提案されます。
リスクとしては、元本割れのリスクのほか、為替ヘッジを行い為替の影響を抑制しているため円安メリットを受けにくいことが挙げられます。また、目的に合ったプランで運用した場合の成功確率が提示されるものの、その通りにならない可能性があることもリスクです。
2-5 FOLIO ROBO PRO
FOLIO ROBO PROでは、AIを使い経済やマーケットを先読みすることで、運用を提案しています。金融市場や経済情勢の先読みに役立つ40以上のマーケットデータを分析し、株や債券、金など8種類のETF(米国株、先進国株、新興国株、米国債、新興国債、ハイイールド債、不動産、金)を、レベル1~5の運用プラン(1:安定運用プラン、2:堅実運用プラン、3:バランス運用プラン、4:積極運用プラン、5:チャレンジ運用プラン)に沿った資産配分を現代ポートフォリオ理論に基づき求めます。
なお、期待リターンの推定についてはBlack-Littermanモデル(ノーベル賞を受賞した資産配分を求めるための数理モデル)を活用し決めています。
投資家には、3つの質問に答えることで運用プランが提案されます。
運用プランの診断が・年齢・年収・貯蓄の3項目のみに基づくため、提案される運用プランが限られていますが、AIがマーケットや経済動向の先読みをすることで、より最適な運用がなされる仕組みとなっています。
リスクとしては、積立運用を開始した場合のシミュレーション結果と確率が示されているものの、その通りにならない可能性があることが挙げられます。
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2-6 ザ・ハイブリッド(フィデリティ証券)
運用手法は、グローバル株式(先進国株式)やハイイールド債券など、6つの金融資産をポートフォリオ・マネージャーが組み合わせ、ポートフォリオを作ります。そしてロボアドバイザーを駆使し、世界経済や金融市場の動きを分析して、安定型から積極型の7つのリスク許容度に応じた資産配分が実施されます。
アセット・アロケーションの見直しについては、全体的な見直しが年1回、市場変動に合わせて月に1度一部の変更が行われます。運用には、リスク許容度に応じ、10本の専用ファンドが組み合わせられます。
リスクは、シミュレーションで将来のリターンを試算できるものの、実際その通りに資産が増えるかどうかわからないことが挙げられます。
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2-6 SUSTEN
SUSTENの運用は、各国の経済に関する膨大なデータをコンピュータによる統計学的な手法で分析し、投資判断を行っています。投資家は6つの質問に答えるだけで、9つの運用タイプの中から自身にあった運用タイプが選ばれる仕組みです。
リスクは、70歳を超える高齢であってもヘッジファンドタイプなど高リスクが推奨されることがあるため、自身に適した運用方針とマッチしていない運用方針が選ばれることがあることや、他社と同様、シミュレーションで将来のリターンを試算できるものの、実際その通りに資産が増えるかどうかわからないことです。
まとめ
ロボアドバイザーは、投資家のリスク許容度にあった運用方針をロボット(AI)が判断し、提案するサービスです。投資一任型であれば運用もプロにお任せできます。多くの運用には、現代ポートフォリオ理論が用いられています。
投資初心者には、自動的に運用方針が決められ、銘柄(ETF)の組み換えも自動的に行われるため便利なシステムです。しかし、提示されたシミュレーション結果が、そのまま将来の結果となるかどうかは不確定だということは注意点の一つです。提示されている結果は、現状の延長線上に将来があると仮定した場合の値です。
ロボアドバイザーは簡単に始められ便利ですが、自身でも金融知識を高めるなどの努力をし、運用状況を自身で確認できるようになることを目指しましょう。
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