マイクロソフト、4~6月期の業績予想を下方修正。ドル高が重し
米マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)は6月2日、2022年4~6月期(第4四半期)の業績見通しを引き下げた(*1)。急速なドル高の進行が業績を圧迫している。
売上高見通しは、従来524億〜532億ドル(約7.0兆~7.2兆円)としていたが、519億4,000万〜527億4,000万ドルへと下方修正した。調整済みの1株当たり利益(EPS)に関しても、従来の2.28~2.35ドルから2.24~2.32ドルへと若干引き下げた。市場では第4四半期の売上高が528.7億ドル、EPSは2.33ドルになると予想している(*2)。
エイミー・フッド最高経営責任者(CFO)は4月、同月の市場環境にもとづく為替前提の見直しにより、営業外収益・費用に5,000万ドルのマイナスの影響を及ぼす見込みだと述べていた(*3)。ただし、この数値には第4四半期を通じた為替変動の影響を織り込んでいないと付け加えた。
ドル高が鮮明だ。米インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出し、主要通貨に対するドルの強さを示す「ドル指数」は14日に105.34まで上昇し、約20年ぶりの高値水準となった(*4)。米連邦準備理事会(FRB)が記録的なインフレを抑制すべく、利上げペースを速めるとの観測から主要通貨に対してドルが買われている形だ。
とくに、FRBは15日に約30年ぶりの大幅な利上げを決定した。一方、日銀は16~17日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を賛成多数で決めた。日米の金融政策の方向性の違いが、ドル指数を押し上げる要因になっている。
ドル高の進行はグローバルに事業展開する他の米企業へも影響を及ぼしている状況だ。たとえば、米製薬大手ファイザーは為替変動の影響などを考慮して通期のEPS見通しを引き下げた(*5)。FRBは今後も大幅な利上げを断行する見通しであり、引き続き海外売上高比率が高い米企業の業績に影響を及ぼしそうだ。
【参照記事】*1 マイクロソフト「EX-99.1」
【参照記事】*2 CNBC「Microsoft lowers Q4 guidance」
【参照記事】*3 マイクロソフト「Microsoft Investor Relations」
【参照記事】*4 インターコンチネンタル取引所「US Dollar Index Futures」
【関連記事】*5 米ファイザー22年1~3月期売上高77%増。コロナワクチン売上好調も通期見通し引き下げ
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マイクロソフト、4~6月期の業績予想を下方修正。ドル高が重し