ヘアドネーションとは?髪の毛の寄付方法や手順、主な団体も
ヘアドネーションは自身の髪の毛をカットし、医療用ウィッグに活用する支援団体に寄付する社会貢献活動の一種です。ヘアドネーションを通して寄付された髪の毛によって医療用ウィッグが作成でき、支援対象者に届けることができます。
がんや白血病・先天性無毛症などの病気や事故などにより髪の毛を失った方を支援する方法としてヘアドネーションが用いられています。
本記事ではヘアドネーションとは何か、ヘアドネーションを行っている主な団体2つ、髪の毛を寄付する手順を解説していきます。
目次
- ヘアドネーションとは
- ヘアドネーションを行っている主な団体2つ
2-1.特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity
2-2.特定非営利活動法人HERO - ヘアドネーションで髪の毛を寄付する手順
3-1.支援団体を選ぶ
3-2.カットする方法、美容室・理容室を決める
3-3.カットする髪の毛の長さを決める
3-4.カット後に発送する - まとめ
1.ヘアドネーションとは
ヘアドネーションは髪の毛(ヘア)と寄付(ドネーション)を組み合わせた言葉です。カットした髪の毛を寄付することで、がんや白血病・先天性無毛症などの病気、不慮の事故で髪の毛を失った人たちに医療用ウィッグを届ける事が出来ます。
医療用ウィッグの寄付は、外見が変わってしまうことへの精神的な負担を大きく減らす効果があり、10代から20代の若年層を中心にその活動も広まってきています。(※参照:株式会社アデランス「ヘアドネーションに関する意識調査」)
ヘアドネーションを行うには31センチ以上の髪の毛の長さが必要となり、一つのウィッグを作成するためには20人~30人分の寄付が必要となります。多くの人の髪の毛が必要となってくるため、ヘアドネーションの認知や、全国の美容室の協力体制なども重要なポイントであると言えるでしょう。
2.ヘアドネーションを行っている主な団体2つ
ヘアドネーションを行っている団体は主に以下の2つとなります。
2-1.特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity
特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity(JHD&C)は2009年に日本で初めてヘアドネーションを扱う団体として設立されました。
ヘアドネーションにより主に小児用メディカルウィッグ(JIS規格)の提供を通じて、病気で髪の毛を失った子供達への支援を行っています。2022年5月27日時点の累計提供数は581個、団体への賛同サロンは2,652店と、多くの活動実績を持っています。
支援方法として、以下の3つの手段があります。
- 髪の毛を送る
- 金銭の寄付
- チャリティファンディング
チャリティファンディングとは、寄付者に返礼品が送られる寄付を指します。返礼品には、JHD&C オリジナルシャンプー・コンディショナー・タオル・キーホルダー・メジャーなどがあります。
チャリティファンディングにはクラウドファンディングのように「達成率」が設定されており、達成率が100%になるとウィッグ1点分の費用に相当する寄付金が集まったことになります。
金銭の寄付は、毎月継続と一度だけ(スポット)から選ぶ事ができ、スポット・継続寄付共に500円から設定が可能です。クレジットカード、金融機関からの引き落とし、銀行振り込みに対応しています。
2-2.特定非営利活動法人HERO
特定非営利活動法人HEROは2011年の東日本大震災をきっかけに、子供達へのボランティアを主として活動する団体です。
メンバーの1人ががんにかかったことをきっかけに、小児がんにより髪の毛を失った子供達のためにヘアドネーションによる支援を行うようになりました。
一目でウィッグと分かる化学繊維やアクリル製ではなく、人毛を使用した完全オリジナルウィッグで子供達をサポートします。
ヘアドネーション以外ではオリジナルキャラクターの「破牙神ライザー龍」が宮城県・福島県・岩手県の被災三県で、幼稚園や保育園などで交通安全教室・防犯教室・防災教室などのボランティア(リュウプロジェクト)を年200回以上行っています。
支援対象となる子供は18歳以下の子供で、ウィッグは無償で提供しています。ウィッグ費用はキャラクターショーの販売を主とする団体の自主財源と寄付金で賄っています。
髪の毛の寄付は、31cm以上、完全に乾いていることが要件で、髪の毛に過度なダメージが無ければ、白髪がある、カラー・パーマ後の髪の毛でも可能です。
美容室・理容室やセルフカットなどでカットを行い、封筒やレターパックで発送します。
3.ヘアドネーションで髪の毛を寄付する手順
- 支援団体を選ぶ
- カットする方法、美容室・理容室を決める
- カットする髪の毛の長さを決める
- カット後に発送する
3-1.支援団体を選ぶ
ヘアドネーションを取り扱う団体の中で、支援したいと思う所を選びます。団体のホームページをチェックし、団体の理念や寄付金の使い道、支援方法などから自身の希望に沿った団体を選択します。
髪の毛が31㎝以上無い方は、特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charityで金銭の寄付や、チャリティファンディングをするという方法も検討されてみると良いでしょう。
3-2.カットする方法、美容室・理容室を決める
カットの方法にはセルフカットとサロンでのカットがあります。好きな方法を選びましょう。
美容室・理容室は団体の賛同店だけではなく、普段通っている所でも構いません。賛同サロン以外のお店を利用する時は、カットの手順が記された「ヘアドネーションの方法」をスタッフに読んでもらい、了承を得られた後に予約を行いましょう。
なお、特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity では、美容室の選び方について下記の方法が推奨されています。
ドネーションカットは、行きつけの理・美容室に依頼しても、ご自身でセルフカットをしても、どちらでもかまいませんが、ドネーションカットの経験が豊富なサロンを利用されたい方には賛同サロンをおすすめします。
初めてのサロンで髪をバッサリ切るのは、ドナーにとっても美容師さんにとっても大きな冒険です。寄付する長さや仕上がりのヘアスタイルへの要望など、しっかりコミュニケーションをとって、お互いに気持ちよく活動にご協力ください。
※引用:特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity「理美容師の皆さまへ>ドナーの皆さまへ」
3-3.カットする髪の毛の長さを決める
寄付でできる髪の毛の長さは基本的に31cm以上ですが、40cm・50cmと髪が長い方はカットして寄付する髪の毛の長さを決めましょう。
特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity の場合は、31cmはショートウィッグ、40cmはボブウィッグ、50cmはロングウィッグ、60cmはスーパーロングウィッグに仕上がります。
カット時には髪をぬらさず、小さい束に分けてゴムで結んだ状態で切ります。
3-4.カット後に発送する
切った髪の毛を支援したい団体に発送します。
特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity に寄付する場合には事前にドナーシートに性別や年齢・髪の状態を記載します。
発送方法について、特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity ではレターパックや宅配便など追跡機能のある送付方法を推奨しています。
また、特定非営利活動法人HEROでは封筒やレターパックなどで送付する旨がホームページに記載されています。
髪の毛はゴムでまとめ、ビニール袋に入れて送ります。双方とも送料は寄付者が負担します。
4.まとめ
ヘアドネーションは自身の髪の毛をカットし、医療用ウィッグに活用する支援団体に寄付する社会貢献活動の一種です。ウィッグの作成には多くの人の髪の毛が必要になるため、広い活動の認知が求められていると言えます。
特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity では、髪の毛を送るだけではなくチャリティファンディングや、金銭の寄付による支援も可能という特徴があります。
特定非営利活動法人HEROは主に子供を支援する団体でヘアドネーション以外のボランティア活動も行っています。
ヘアドネーションの概要、主な寄付先の団体2つ、寄付の手順を解説してきました。本記事を参考にヘアドネーションや寄付先の団体について知り、実際の活動に役立てていきましょう。
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