マンション投資の管理会社が倒産するとどうなる?委託先を見極めるポイントも
頻雑な管理業務を委託することができる管理会社は、マンション投資を行うオーナーにとって重要なパートナーとなります。
しかし、マンション投資の管理会社は事業者である以上、経営不振などで倒産してしまう可能性があります。委託している管理会社が倒産してしまうと、オーナーへも様々な悪影響を受けてしまうリスクがあるのです。
そこで今回のコラムでは、マンション投資の管理会社が倒産するとどのような影響があるのか紹介していきます。また管理会社を見極める際のポイントについても解説します。
目次
- マンション投資における管理会社の役割
- マンション投資の管理会社が倒産したときのオーナーへの影響
2-1.家賃が振り込まれない
2-2.管理業務がされない
2-3.契約書などの情報が手元に残らない - マンション投資の管理会社が倒産した後にやるべきこと
3-1.家賃の回収や敷金の返還を要求する
3-2.新しい管理会社と契約する - マンション投資の管理会社を選ぶ際のポイント
4-1.賃貸住宅管理業者登録
4-2.事業規模 - まとめ
1 マンション投資における管理会社の役割
マンション投資における管理会社は、主に「入居者募集業務」「家賃回収業務」「契約関連業務」「物件管理業務」「トラブル対応業務」といった管理業務を行っています。下記の表はそれぞれの業務における具体的な内容です。
管理業務 | 主な内容 |
---|---|
入居者募集に関わる業務 | 入居者募集、入居者の選定、賃貸借契約の締結 |
家賃回収に関わる業務 | 家賃回収、滞納時の催促 |
契約に関わる業務 | 契約更新および退去手続き、敷金の精算、室内クリーニングおよび原状回復工事 |
物件管理に関わる業務 | 法定点検、設備の修理・修繕、清掃およびメンテナンス |
トラブル対応に関わる業務 | 苦情やトラブルへの対応、設備や機器の故障などへの対応 |
このようにマンション投資における管理業務のほとんどを管理会社が行っているため、管理会社が倒産すると大きな影響がオーナーにおよびます。次の項目で見ていきましょう。
2 マンション投資の管理会社が倒産したときのオーナーへの影響
管理会社が倒産した場合、オーナーにおよぶ影響として「家賃が振り込まれない」「管理業務がされない」「契約書などの情報が手元に残らない」などが考えられます。詳しく解説していきます。
2-1 家賃が振り込まれない
管理業務の一つに家賃回収業務があります。貸借人から家賃を受け取り、期日までにオーナーの指定口座に振り込みを行う業務です。そのため管理会社が倒産すると、貸借人から回収した家賃が管理会社からオーナーに振り込まれない可能性があります。
オーナーは家賃収入を得て、マンションの管理組合に管理費や修繕積立金を納めたり、ローン返済額を金融機関に支払ったりします。そのため管理会社から家賃が入らないと、それらの支払いを貯金などから支払うか、支払い自体が滞ることも考えられます。
万が一、支払いが滞ってしまった場合、金融機関からローン残額の一括返済を求められたり、財産が差し押さえられるといったように影響はさらに大きくなることもあります。
2-2 管理業務がされない
管理会社が倒産すると、それまで担当していた管理業務が一切されなくなります。入居者がいる場合は家賃の回収だけではなく、トラブルやクレーム対応、メンテナンスの手配などの業務があります。そのため別の管理会社に委託するまでは、ご自分で管理業務を行うことになります。本業を持っているオーナーの場合は、本業に影響がおよぶことも考えられます。
2-3 契約書などの情報が手元に残らない
管理会社では管理業務の一環として、賃貸借契約書や室内設計図などの重要書類を保管していたり、家賃回収状況や修繕履歴などの情報をまとめて保有していることがあります。そのため管理会社が倒産してしまうと、それらの情報がオーナーの手元に渡らない可能性があります。
特に契約書が手元にない場合は、貸借人とトラブルになった際に内容を確認できない、などでトラブルがさらに大きくなる可能性もあります。また貸借人の連絡先などの情報が分からないため、連絡がつけられないことも考えられます。直接、所有するマンションに行って貸借人とやり取りをすることもできますが、遠方のマンションを経営しているオーナーの場合はすぐに対応できない可能性もあります。
3 マンション投資の管理会社が倒産した後にやるべきこと
管理会社の倒産がオーナーに与える影響について把握したところで、どのようなことをするべきか、この項目で解説していきます。
3-1 家賃の回収や敷金の返還を要求する
管理会社が倒産することを知ったら、まずは回収できるものを回収する手続きをしましょう。具体的には、未送金の家賃、預けていた敷金、賃貸契約書などの書類、預けていた鍵などです。この場合、管理会社の状態によっても対応の仕方が異なるため、慎重に行うことが必要です。
破産手続きを開始する前の場合
管理会社を相手に、未送金家賃の回収などについて訴訟を起こすことができます。弁護士などに依頼し、早急に手続きを進めましょう。
破産手続き開始決定を受けている場合
破産手続きが開始されると、訴訟手続きは制限されるのが通常です。また管理会社の財産は破産管財人が管理することになっており、滞納している税金などの債務から優先的に支払われます。管理委託契約において貸借人から預かっている家賃の優先順位は低くなり、他の物件オーナーとの調整も必要になります。
3-2 新しい管理会社と契約する
管理会社は倒産しても、貸借人は継続して居住していることには変わりありません。自身で管理業務を行うことも検討できますが、これまでの管理体制と大きく異なる可能性もあるため、できるだけ早く新しい管理会社と契約して管理業務を委託しましょう。
管理業務を委託する場合、複数のマンション管理会社を比較して、検討するようにしましょう。次の項目では、どのような管理会社を選ぶといいのか、見極めるポイントも解説していきます。
4 マンション投資の管理会社を選ぶ際のポイント
管理会社を選ぶ際は下記のことが確認ポイントになります。
- 入居率や管理戸数
- 担当者の対応力
- サポート体制
- 仲介店舗の有無
- 料金体系、など
これらに加えて、管理会社の信頼性を確かめるために、次の項目で紹介する「賃貸住宅管理業者登録」と「事業規模」についても確認しましょう。
4-1 賃貸住宅管理業者登録
賃貸住宅の管理業務が適正に行われることを目的に、国土交通省では賃貸住宅管理業者の登録制度を実施しています。賃貸住宅管理業者は下記のことなどが義務化されていますので、良質な管理会社を選ぶ際に役立ちます。
- 管理戸数が200戸以上の場合は登録し、さらに5年ごとに更新する
- 営業所や事務所ごとに業務管理者を配置する
- 物件所有者と管理委託契約締結をする前に重要事項説明を行う
- 管理委託契約を締結したときは、必要な書類をオーナーに交付する
- 管理業務についてオーナーに定期的に報告する
- 事業者の固有の財産と入居者などから受領する金銭は分別管理する
- 賃貸住宅管理業者は、使用人や従業員に証明書を携帯させる、など
※参照:国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」より
これらの業務のうち、特に重要なのは「事業者の固有の財産と入居者などから受領する金銭は分別管理する」ことが義務付けられている点です。入居者から預かった家賃や敷金を管理業者が自己のものとはせずに、分別して管理することが義務付けられています。そのため、万が一倒産した場合にも未回収金を回収できる可能性があるのです。
そのため管理業者を選ぶ際は、賃貸住宅管理業者として登録しているかどうかもポイントになります。賃貸住宅管理業者には国土交通大臣から登録番号が割り当てられていますので、管理会社のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。国土交通省では業者の検索システム「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を提供していますので、社名などから検索することも可能です。
4-2 事業規模
委託先の管理会社を選ぶ際は、管理会社の事業規模などを確認するようにしましょう。会社の規模は、「資本金」「売上高」「従業員数」「管理戸数」「創業年月日」などで推測することができます。
「資本金が多い」「売上高が大きい」「従業員が多い」「管理戸数が多い」「社歴が長い」という管理会社は、オーナーからの信頼を受けながら継続的に経営していると推測できます。
会社の規模によってはこれらの情報は公開されていないことがありますが、できる範囲で調べることで管理会社を選ぶ際に役立ちます。
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まとめ
マンション投資において、管理会社が倒産すると回収済みの家賃が振り込まれない、オーナー自らが管理業務をしないといけない、などの影響があることを解説しました。
管理会社が倒産してしまうリスク対策の方法としては、まずは倒産するような管理会社を選ばないようにすることが大切です。賃貸住宅管理業者として国土交通省に登録している管理会社や、管理会社の事業規模を調査するなどして、対策していきましょう。
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